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ぷろろーぐ 兄妹十三人が勢揃いした、休日の朝食の席。 秋晴れの空はどこまでも澄んで、今日は衛の誘いにのって林道をマウンテンバイクで走るのも良いかなぁと 思わせる、そんな天気だった。 白雪の料理も美味しく、リンゴで作った出来立てのジャムが皆に好評だ。 「美味しいわねぇ・・・私にも作れるかしら?」 「すりおろしたのとは別に短冊切りしたリンゴ−−ああ、リンゴは紅玉が良いんですけど、別にそんなにこだ わる必要は無いと思いますわ−−を混ぜて、それにグラニュー糖と蜂蜜を和えて、レンジでチン、だけですもの。 咲耶姉さまにも作れると思いますわ」 「レシピはレンジに設定しといたから、誰でも作れると思うよ・・・・でも、ちょっと電圧高く設定しちゃった かな(汗)」 美味しいには美味しいんだが、すりおろしてある所が少し熱いかな? 雛子と亞里亞、それに花穂には舌を火傷しないように注意しないとな。 「う〜〜お兄ちゃま〜〜舌メロメロになっちゃったよ〜〜」 遅かったか・・・ でもまあみんな元気で、仲良く過ごしている。そんな小さけど、とても幸せな時間だと俺は思った。 そして、そんな一時だったから、俺はその破滅の兆候に気付かなかったんだろう。 「・・・・・衛君・・・すまないが・・・血を・・数滴・・・・・・・・・くれない・・・・・かい?」 皆よりわずかに早く食べ終えた千影が、そんな皆を驚かせる言葉を紡いだ。 そう。騒動の発端は、千影の発言から始まったんだ。 「え?うーん、まあ、数滴なら構わないけど」 衛は驚きながらも、苦笑して快諾した。 まあいつものことと言えばいつものことなのだが、千影の求める物は少し突飛すぎる。 「クスクス・・・はい、兄上様」 「おいおい。そういう事なら俺の血でも持っていけよ」 俺は鞠絵からダッチコーヒーを受け取りながら声をかける。 「・・・それは・・・・・・駄目なんだ・・・・・・・・よ・・処女の・・・・・・・血で・・ないと・・・ ・・効果が・・・・・・・無いん・・・だ」 「くすん。兄や、酷いです」 たまたま目の前にいた亞里亞にコーヒーがかかってしまったが、俺はそれどころでは無かった。 「・・・それなら自分の血を使え!!」 俺は逡巡した後、自覚できるほどヒステリック気味に叫んだ。 だが、千影は、俺のその言葉を聞いて、表情を変えた。 その表情は、戸惑いとも怒りともはにかみとも取れる物であったが、その根底には妖艶と形容しても良い、 “女”の表情があった。 「・・・お兄ちゃん?」 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・可憐おねえたま、こわい」 「・・・・・凄まじい気迫ですわ・・・ワタクシも負けるかも・・・・・・」 千影の表情に一時見惚れていたが、可憐の一言で俺は素に戻(らざるを得なか)った。 だが、そこに千影の追い打ちが入った。 「・・・私を・・・・・・・駄目にしたの・・・・は、・・・・兄くんじゃ・・無い・・・・・・か」 先ほど以上に頬を染め、千影はそう答えた。 ・・・・・・ ・・・・・・ ハッ、危ない。あまりの発言内容に一時意識を失っていたらしい。 気が付くと千影も衛も姿が見えない。 いつの間にか居間を出ていったようだ。 「ハ・・・ハハ・・・・ち、千影も、一体、何を言っているんだ、ろう、なぁ」 そう額に汗をダラダラと流しながら振り返った俺が見た物は すらりと伸びた染み一つ無い足−−咲耶か。 フライパン−−白雪だな。取りあえず包丁じゃ無いだけ良しとしよう。 鉄扇−−春歌!そんなもの持ち歩くな!! 広辞苑と大言海−−鞠絵、こんなものを片手で投げられるなんて。強くなったんだな・・・ スパナ−−鈴凛、そいつでメカ鈴凛の背中を探って何をするつもりだ? ピアノ−−可憐!待てい!!!!! ズドドドド 「兄チャマの真実、チェキね!!」 潰れた俺を虫眼鏡で観察しながら四葉がそんなことを呟く。 虫眼鏡の焦点が俺の頭にあるのは気のせいだろうか? どうでも良いけど助けてくれないかなぁ・・・
『ある十二人の可愛い妹を持った人物の 彼女らとの関わり方の極端な一例』 作・Z−OUTさん
「と言うわけで、緊急家族会議を開こうと思います。異存は無いですね」 「せめて身動きが出来る状態でいたいんだけどなぁ・・・」 議長役の可憐に、俺はそう呟いた。 ちなみに今の俺の状況は後ろ手に手錠をはめられ(どーでも良いことかもしれないが、躊躇わず四葉から 手錠を奪い取って俺にかけたのも可憐だ)、そして椅子に固定され、まるで犯罪者のような扱いを受けていた。 「却下します。まずは、今回の一件に際し、みなさんがどう思っているのか聞きたいと思います」 ちなみに心に疚しいことが山ほどある身としては是非とも逃げたかったのだが、それは叶わなかった。 けーす ひとつめ 「可憐は・・・その・・・もう○年前の話しになるんだけど・・・お兄ちゃんのお嫁さんになりたいって 話して、その証を頂戴ってお願いしたんだけど、もっと大人になったらって言われたの。 で、その時は、その、キ・・・キス、だけだったんだけど」 ちなみに言っておくが、ほっぺにだ。このときは。 「でも、それだけじゃあやっぱり不安で、その後もいろいろと勉強して、その・・・誘ったりも、したんだ けれど」 未だに不思議なのは、どこから資料を集めたんだ? 下着抜きの制服とかエプロンのみとか。 体操服(もちろん下はぶるまあ)の時は実に危なかった・・・ 「結局・・その、キスから先は、まだ、無いの。それも殆どが可憐からせがんでって形でしか」 真っ赤に頬を染めつつ話すが、あれをキス“だけ”というか? あれはどっちかというと口を使う行為というかなんつーか、そう表現するべきだと思わないでも無いが。 「どうにかそこから先をってお願いするんだけど、まだ駄目なの」 あそこから先ってほとんど最後しか無いと思うんだが。 そんな考えをしながら周りを見回したら・・・不味い!みんな感心してる!! 花穂なんて「応援するからね」なんて言ってるし。 まあ確かに言葉だけを素直に受け取れば微笑ましいと取れなくも無いが・・・ 「ねえ、可憐、一つだけ聞いて良いかしら?そうやってお願いする時はあの日の何日前?」 「え、もちろん3〜5日前だけど?」 咲耶の質問に“何を当然のことを聞いているの?”といった表情で答える可憐。 やっぱりか。そんな気がして未だに手が出せなかったんだよな・・・ けーす ふたつめ 「どうせ私はAもろくに済ませてないわよっ!!!」 一番年長の彼女だが、これは本当。 あいつの想いはある意味一番邪気が無いからなぁ・・・どうにも中途半端に答える気がしない。 この中で一番年を取っている−−社会を知っているだけに、兄妹という構造を一番理解しているのが彼女だ。 だが、それでも−−そんな想いを知っているだけに、彼女に対しての答えは、結果を伴う物でありたい。 それが大人というものであると思うから。 「お兄様が望めば後ろだろうが外でだろうがオッケーの三連呼なのに!!!!」 ただ・・・鬱屈貯めすぎてないか? それに妙な方向の知識が妙に増えているような気が・・・ 「お姉ちゃん。いい加減前に貸した本、返してよね?」 ・・・そうか、情報源は可憐か。 けーす みっつめ 「みんな、なんのお話してるの?」 「くすん・・・亞里亞も分からないです・・・」 「え、えーと・・・その・・・」 雛子と亞里亞の二人の質問に、花穂がしどろもどろになって説明していた。 うん、いや、まあ、あまり突っ込まれると痛い部分もあるんで、あの子らには引いて欲しいんだが・・・ 「今日はおにいたまと遊べないの?」 「う、うん。きょ、今日は花穂と遊ぼうよ。ね?ね?」 「兄やと遊べないの?せっかくこないだのお遊びの続きができると思ったのに・・・」 こないだの遊びって・・・まさか、アレか? 「お兄ちゃまとの、お遊び?」 ああっ、それ以上は言うんじゃ無い!! 「あーっ、ヒナ聞いたよ〜〜。おにいたまに体をもんでもらうんだ〜〜」 その言葉と供に、室内の視線の8割がギロリと音を立ててこちらに向けられた。 「そうなの。最初は痛かったけど、体があったくなって良かったのに・・・今日は駄目なの?くすん」 「こら待て!みんな、妙な想像をするんじゃ無い!! せいぜい胸を・・・・あ」 けーす よっつめ 「わたくしは・・・その・・・最近のお医者様って、結構簡単に睡眠薬とか処方して下さるんですよね」 ・・・・病弱な彼女は、頬を赤く染めてそれだけを言った。 ・・・・心身共に健康な俺は、もちろん真っ青な顔になっていることだろう。 「姫も少し分けて貰って・・・その・・・時々おやつに入れたりするのに協力して・・・」 「その後の事も時々協力しているんですの」 メガネがキラリと邪悪に光る。 なんか覚えてないのが非常に悔しい・・・いや、マジで。 けーす いつつめ 「うーん、アタシはさぁ、まあメカの方のわたしがいるじゃん。 それでさぁ、まあ、たまにメカのふりしてアニキの部屋にいるんだけど・・・アニキ、その、色々と、 するんだよ。 その、メカだと思ってるからさ」 おいおい、幾らなんでも気付いてるって。 メカだと思い込ませようと我慢している姿が良いっていうのは確かにあるが。 「初めての時なんてすっごく痛くかったけど、ばれるわけにはいかないから我慢して。 アニキったら、血まで出るようになってるのかってニヤニヤしながら言うんだよ? 酷いよなぁ・・・・・・・・・・・・・・優しかったけどさ」 いや・・・まあ・・・それは・・・ ああっ、みんなの視線が痛いっ!! (何を今更という説はあるが) 「でね、まあそれはそれで良いんだけど、え?良くない?まあ最後まで話を聞いてって。 えーっと、でさぁ、まあそんなかんやでまあ何度かそういう事が続いているんだけどさ、アニキの趣味も ちょっとアレでねぇ。 最近天井の梁の強度を増して、そこにフックと滑車取り付けただろ? おかげでさあ、最近襟が高くて長袖の服しか着れないんだよ。困るよなぁ」 ニコニコと笑顔で勝ち誇ったように喋る誰かである。 あ、そういえば蝋燭買い足さないと。 「だからさぁ、うん、まあ、今度からはきちんとアタシの相手をしてくれるなら文句は無いよ?」 って、変な方向に目覚めさせちまったかぁ?! けーす むっつめ 「ワタクシは・・・その・・・兄君さまには衛さんがお似合いだと思うのですが・・・」 へ?それは知らなかったぞ? だけど、それにしては、あの夜の布団の上での乱れ具合は何なんだろうか。 「あれで衛さんが男の子だったらもう言うことは無いんですけど」 「・・・春歌チャマ、むこうでは少ないのデスか?」 「あちらでは組み合わせがごついもので・・・兄君さまに慣れて貰うために努力もしているのですが・・・」 そうか、どうりで後ろばっかりだと思ったら・・・ けーす ななつめ 「それじゃあ最後は四葉ですネ! はいはいはーい、それでは四葉の秘密の兄チャマチェキの結果、だいこうかーい!!」 妙に高いテンションで四葉が話すが、俺はもう魂が肉体から離れかけていて突っ込む気力も無かった。 「先月の結果はっぴょー!! 兄チャマと夜を供にしたのは・・・可憐チャマが6回。 鞠絵チャマが2回、姫チャマも同じ。二人同時が一回。 鈴凛チャマが7回で春歌チャマが5回、四葉は1回だけでしたのデス」 微妙に恨みがましい目で俺を見ている四葉がいる。 密かに先月一度しか呼ばなかったこと、恨んでいたんだなぁ・・・ 「それじゃあ順番はあみだで決めるということで、異存有りませんね?」 論議の結果、俺の身柄は一日交代でということになった。 「あるわ・・・ンググッ!!」 にっこりと笑ったまま笑顔で俺に猿轡を咬ませる四葉である。 今日は本当にみんなの色々な面が見れて嬉しいよ、ホント。 「おにいたまぁ、どうして泣いているの?どこか痛いの?」 「はぁ、仕方がないわね。それじゃあ千影と衛を呼んでくるわ。 ・・・・って、そういえば四葉、あの二人はどうなの?」 「四葉の知る限りだと、関係は無いデス・・・あれ?」 えぴろーぐ あんど とぅるーす 「・・・すまなかったね・・・」 千影が衛の薬指にカットバンを貼りながらそんな事を言う。 千影が衛から採った血は数滴であり、傷も小さく、カットバンを貼っているのも念のためという感じが強い。 「え、あ、う、ううん。そんなこと無いよ」 衛は慌てながら答えた。 「ところで・・・あにぃと、その、し、し、し、したの?」 「した?・・・・・・・何を?」 「え?あ、あの、だって、その、あにぃに、しょ、処女じゃ無いって・・・」 「・・・・・・・・・・・・・・・そんなこと・・・言った・・・かい?・・・こないだ・・・・・・・・ 兄くんが・・『自分の体を傷つけるようなことはするなよ』・・・って・・言ったから・・・・」 衛は先ほどの言動を思い返した。 「あ・・・あ、ご、ごめん。変なことを言って」 「あ・・・・・・いや・・・・構わない・・・・・・・・よ」 衛も千影も、顔を真っ赤にして俯いていた。 「と、ところでさぁ、これは何に使うの?」 「・・・その・・・・・・・勇気を・・・・・・・・・出すための・・・・・・・もの・・なんだ・・・・ ・・今度は・・・・・・・手くらいは・・・・繋ぎたいと・・・・・・・・・思って・・・・・・」 真っ赤になる千影を、ホッとした表情で見返す衛。 「それじゃあさ、出来たらボクにも分けてくれる?」 千影は微かに笑って、頷いた。 ちなみに、俺のしたことを知って千影が躊躇わず 「じゃあ・・・まずは・・・・・まだしてない人・・・優先・・・・・・だね」 と言ってにやりと笑ったことを付け加えておく。
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