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Afterプリンセス 第二話

作 とだゆさん


さてと、衛も家に帰ったことだし、そろそろ学校に行かなくっちゃ。今日は誰と一緒に行こうかな……

ピンポーン

 あれっ、こんなに朝早くからだれだろう。

「ハァイ、お兄様!」
「やあ、咲耶。こんな時間にどうしたの?」
「もちろん、お兄様を迎えにきたのよ。さ、行きましょう」

 あっ、ちょっと咲耶! 僕、まだカバンをもってないんだけど……


「ああ、今日は本当にいいお天気だわ、お日様も今日という私たちの門出を祝福してくれてるみたい……、そうは思わないお兄様?」
「今日ってただの始業式の日じゃないの?」
「うふふ、とぼけなくてもいいのよ、お兄様。今日は私たちがひとつ屋根の下で過ごすことになる、その記念すべき始まりの日じゃない」
 
 ひとつ屋根の下って……単に咲耶が高校に上がって、同じ校舎に通うようになったっていうだけのことじゃないかなぁ。
 まあ、僕も同じ建物の中で一緒に妹が勉強しているってのは悪い気がしないけどね……。

「……ねぇ、お兄様。屋上と、中庭と、あと他にどんなところがあるかしら」
「え?」
「もう、お兄様ったら話を聞いてなかったの? これから私たちがラブを交す場所のことよ。中庭のベンチで膝枕をしたり……、屋上でふたりっきりでならんで日向ぼっこをしたり……、うふふっ、楽しみだわ」
「……未来視には…不確定要因を……考えておくものだよ」
「大丈夫よ、たとえ何が起こっても私とお兄様となら――って、千影ちゃん!」

 ち、千影! いつのまに横に並んでいたんだ?

「やあ……兄くん…」

 やあ、千影おはよう。

「やあ、じゃないわよ! 千影ちゃん、何であなたがここにいるのよ! せっかく私とお兄さまが愛を語り合っていたのに……」
「ふふっ……今周年から高校生なのは……咲耶くん、キミだけではない……ということだよ」
「が〜〜ん。……二人っきりの新婚生活のはずだったのに。……ま、負けちゃだめよ咲耶。愛に障害はつきもの、そして二人の絆で障害を乗り越えたときに真のラブが……」

 へぇ〜、千影ってうちの高校を受験していたんだ。知らなかったよ。

「……ところで兄くん、……ひとつ…頼みがあるんだが……」
「ん、なんだい?」
「白並木学園の……丑寅の方に…魔力のあふれる部屋をみつけたんだ……、そこにオカルト同好会を……作ろうと思う。…兄くんも……入部してくれないかい?」

 オ、オカルト同好会って……某お嬢さまじゃあるまいし……でも、千影には似合っているかもなぁ。ま、別に他の部活に入っているわけでもないし、とくにやりたいことがあるってわけでもないし、千影につきあって部活をやるのも悪くないかな。

「うん、別にいいけど――」
「ダメよっ!」

 さ、咲耶?!

「ダメよっ、オルカルト同好会なんてっ! 体は動けなくなるのに一部だけは元気になる薬をお兄様に飲ませた挙句、あ〜んなことやこ〜んことをするつもりなんでしょう! いやぁ〜〜〜、お兄さまにそんなことをしていいのは私だけなのに〜〜」

 ……咲耶、千影がそんなことをするわけがないだろ。生贄にされるとかならありそうだろうけど。

「……ふふっ、……それも興味深いね」

 ち、千影……冗談だよ……な?

「――っ、わかったわ! こうなったら私もそのオカルト同好会とやらに、入部するわ! お兄様、私が千影ちゃんの毒牙から護ってあげるから安心して……そして、苦境をともにする二人のラブはさらに深まって……」
「…咲耶くんは…邪魔だよ……さあ、兄くん…二人だけの…世界へ……」

 ああっ、もうわけがわかんない!

「あ〜あ、もう私の教室についちゃった。もっとお兄様と一緒にいたかったのに……」
「ま、今まで校門で別れてたのが校舎内に変わっただけだから、一緒に登校する時間は前とほとんど変わってないものね」
「どうせなら教室も一緒だったらよかったのに……でもわたしこんなことに負けないわ。だって、私とお兄様は運命の赤い糸で結ばれてるんですもの。それじゃ、お兄様。また後でね……ラブよっ」
「また……来世」

 またね……さて、僕も教室に行こうっと。


 退屈な始業式が終わって、教室に戻る。うちの学校はクラスが多いため、新しいクラスには知ってる人がほとんどいない。
 だから、第一日目にはいつも自己紹介をやらされる。

「……が得意です。よろしくお願いします」

 おっと、前の人の番が終わったな。さて、なんて言おうかな……。ま、初日から目立つのもなんだし、無難な紹介にしておこう。

「……と言います――」

ざわっ   ざわ   ざわ
    ざわ   ざわっ    ざわ

 なっ、なんだ……。名前を言っただけなのに何でこんなに盛り上がる? 

「……あれが…うわさの……」
「…他校にも……というぞ…」
「………美少女…五人もの…」
「…いや、……七…話だ」

 なんか不穏当なことを言われているような気が……。

「――趣味は散歩とごろ寝、特技は特にないです」

 席に座る。ううっ、なんか視線がいたい。……はぁ、これから一年間がおもいやられるなぁ。


後書き
 というわけでアストラルバスターズ結成(笑)、今後のメインになる可能性大です。しかし、いまだに妹は三人しか出演してません、全員出演するのはいつになることやら。
取りあえず、第三話には花穂と鞠絵がでてくる予定です。


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