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大人なデート
作 とだゆさん
あっ!、お兄ちゃんだ!
お兄ちゃ〜〜ん、こっち、こっち〜〜。
と、手を振ろうとしてやめました。そんなことをしたらお兄ちゃんに子供っぽいて思われちゃうもの。
飛びつきたいのを我慢して、お兄ちゃんが近づいてくるのをじっと待ちました。
「ごめん可憐、待たせちゃったかな?」
「ううん、そんなことないです」
可憐はくすっ、てちょっとだけ微笑みました。大人の女性は思いっきり笑ったりしないもの。
お兄ちゃんはちょびっとだけ驚いたような顔をしてました。
うふふ……「今日の可憐は大人っぽいな」なぁんて……思ってくれたかな?
「それじゃあ、行こうか」
お兄ちゃんはそう言って歩き出しました。可憐はそのちょっと後ろをゆっくりとついていきます。本当はお兄ちゃんの真横に並んで歩きたいけど、我慢です。「男の人はちょっと後ろを付いてきてくれるような大人の女性に惹かれる」ってゆかりちゃんが教えてくれたから。
なんかこうやって、お兄ちゃんの背中を見ながら歩いていると、王子様にエスコートされているお姫様みたいです。
えへへっ、お兄ちゃん、可憐とダンスを踊ってくれませんか? なぁんて――ってお兄ちゃんがいない!
ちょっと、目を逸らしてした隙にお兄ちゃんの背中は人ごみに紛れて消えてしまいました。
ぐすん、お兄ちゃんどこにいっちゃったの……もしかして、一人でどこかに遊びにいっちゃったのかな?……ううん、そんなのことない! お兄ちゃんが可憐を置いてどこかにいっちゃったりするわけないもの。こうやって、じっと待っていればお兄ちゃんは絶対に見つけてくれるもの!
「どうしたんだい可憐?、急に立ち止まって」
わあっ! 突然後ろから話しかけられて可憐びっくりしちゃいました。
お、お兄ちゃん! やっぱり可憐を探しに来てくれたのね! お兄ちゃん大好き。
――えっ、最初からそこにいたの? 行く先は可憐しか知らないから可憐の後ろに回ったって……。
ぐすっ、ごめんなさい。変な勘違いしちゃって……、お兄ちゃんはいつも可憐の傍にいてくれているのに、先に行っちゃったのかも? なんて考えちゃって……本当にごめんなさい。
「ううん、可憐を不安にさせちゃったお兄ちゃんがいけないんだよ。……ここからは手を繋いで歩こう。そうすれば離ればなれになる心配なんてしなくてすむからね」
お兄ちゃんはにっこり笑って可憐の手を握ってくれました。お兄ちゃんの手は優しくてすごく気持ち良かったけど、これじゃあ甘えんぼの子供みたいです。向こうについたら頑張らなきゃ!
――というわけで遊園地につきました。楽しそうな乗り物がいっぱいあって可憐どれに乗るか迷っちゃいます。
……って、うわ〜ん、可憐のバカバカ、お兄ちゃんに大人っぽいって思われたいのに遊園地に来てどうするの〜〜。
でも、来てしまった以上、もうどうしようもありません。
頑張れば遊園地で大人っぽく遊ぶこともできる……よね?
う〜〜ん、どれに乗ったらいいのかな?。
メリーゴーランドやコーヒーカップはダメでしょ。ジェットコースターもちょっと違う気がするし……
……そうよ! お化け屋敷!
平気な顔でお化け屋敷に入れるのってすっごく大人っぽいよね!
さあ、お兄ちゃん。一緒に入りましょう。
…………
………
……
…
…ううっ、ぐすっ……ひっく…ぐすっ。
可憐は今、お兄ちゃんのお膝の上に座って泣いています。
夕焼け色に染まった景色はすごく綺麗だけど、可憐の気持ちは真っ暗です。
可憐からお化け屋敷に行こうっていったのに、怖がって泣いちゃって……
絶対にお兄ちゃんに子供だって思われちゃった。それどころかもしかして、可憐のこと嫌いだって思われちゃったかもしれない。
そんなことになったら可憐もう……
「可憐……」
でも、お兄ちゃんは可憐の頭を優しく撫でて、
「……今日は可憐のおかげでとっても楽しかったよ」
って言ってくれました。
でも、可憐は今日は失敗ばかりでお兄ちゃんに迷惑かけてたのに…
「そういえば、今日の可憐はいつもと少し違ったね。何かあったの?」
可憐はお兄ちゃんに説明しました。
お兄ちゃんに大人っぽく見られたかったこと。お化け屋敷も平気だって見せたかったこと。そして、お兄ちゃんの隣に似合うような素敵な女性になりたかったことを。
お兄ちゃんはちゃんと最後まで聞いてくれました。そして、「可憐は頑張りやさんだね」って笑った後、
ぎゅうっ、て可憐を抱きしめてくれました。
「そんなに急いで大人になる必要はないよ。僕だってまだ、ぜんぜん子供だしね」
でも、可憐はずっと怖かったの。いつかお兄ちゃんに好きな人ができて、可憐の傍にはいなくなっちゃうんじゃないかって。
だから、可憐は早くお兄ちゃんの大切な人になりたかったの。
「そっか、でも僕は可憐が大きくなるのを何年でも待っているよ。…これは約束のしるしだよ」
そう言うと、お兄ちゃんの顔がスッと近づいてきて……
……んっ…唇に……あったかい……感触……
えっと……お兄ちゃんの唇が…可憐の……
――可憐、お兄ちゃんとキスしてるの!、
そう思ったとたん、目をつむらなきゃいけないんだよねとか、可憐は初めてだけどお兄ちゃんはどうなのかなとか、どうやって息を吸えばいいのかなとか、そんな考えが頭の中でぐるんぐるんまわっちゃって、そして……ゆかりちゃんに教わったもう一つのことを思い出したの。
『大人の恋人どうしがキスするときはね……』
可憐はそっとお兄ちゃんの口の中に自分の舌を差込みました。
お兄ちゃんはちょびっとだけ驚いたのか、ピクッと体を振るわせた後、優しく可憐の舌に自分の舌を絡めてくれたの。
……くちゅっ、 ……くちゅっ
…なんか……体がふわってなっちゃって……とても良い気持ちで……。
んふ…んん、むんぅ……ぷはっ、
お兄ちゃんの唇が離れました。
お兄ちゃんはお顔を真っ赤にしてました。可憐のお顔はもっと真っ赤だったと思います。
その後はもう恥ずかしくなっちゃって、何も言えないままお家に帰りました。
今日は、お兄ちゃんに大人っぽく見てもらうことは失敗しちゃったけど、前よりももっと可憐のことを大切な人だって思ってもらえるようになれた……よね?
可憐はもっともっとお兄ちゃんのことを大好きになりました。
これからもずっとお兄ちゃんと一緒にいれたらいいなぁって思います。
後書き
どうも、とだゆです。かなりの駄作ですが、まあ、初作ってことで大目に見てください。
とりあえず第一弾は可憐の話です。とだゆは可憐の魅力は『お兄ちゃん至上主義』なところと思っているため、それを前面に出してみました。――が、実際は単なる電波っぽくなってしまいました〜〜。 ヽ(
゚∀゚ )ノ ダサクダ ダサクダ
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