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クリスマスイヴを明々後日に控えた12月21日、
俺にとってクリスマスは、去年まで格別得別な日でもなかった。
一人でそこらを放浪し、さ迷う。
そんな何もなかったクリスマスが、今年からはいきなり変わった。
それは、去年までと違うことが・・・・・、いや、俺の生活自体が変わったと言ったほうがいいのかもしれない。
去年の俺になく、今の俺にあるもの、それは家族だった。
今まで俺は1人でそこら中を旅して、どこか一ヶ所にとどまるなんて事はなかった。
だけど今年の初め、急に親父から連絡があり、いきなり、本当に唐突に12人の妹がいると告げられた。
そして、その時俺は、もう1つ重要なことをきかされていた・・・・・。
クリスマスプレゼント
作者 シャインさん
もう1つの重要なこと・・・・・。
それは、妹のうち1人は本当の妹ではないということだった。
いわゆる養子というヤツだ。
しかも、その子本人は、そのことをまったく知らない、親父には俺から言うように言われている。
時期をみて、俺の口から言えと・・・・・。
妹たちと会って、あと2ヶ月もすれば1年になる。
しかし、俺はその事を未だ彼女に伝えられないでいた。
・・・言えるはずもなかった、いつも一生懸命で・・・・・。
毎日他の妹たちとも仲良く楽しそうに暮らしている彼女を見ると・・・・・どうしても言えなかった。
言わない方がいいと思った、その方がきっと彼女にとっても幸せなことだろうとさえ思った。
花穂 「お兄ちゃま?」
不意に声をかけられビックリしたが、俺はゆっくり声のした方を向いた。
真 「あぁ、・・・・・なにか用かな?」
花穂 「・・・・・・・・・・・・・・。」
俺がそう言うと、少し彼女の表情が曇った。
・・・・・そう、この子が12人の妹の中で、唯一血のつながっていない妹・・・・・。
真 「???どうした?」
花穂 「・・・ううん、なんでもないの。あのね、お兄ちゃま、花穂ね、お願いがあるの。」
真 「お願い?」
花穂 「うん、あのねお兄ちゃま、明々後日って、何の日か知ってる?」
あまりにもわかりやすい質問に、俺は少し脱力してしまった。
真 「はぁ?明々後日?クリスマスイヴ以外になにかあるのか?」
花穂 「そう!クリスマスイヴだよ、お兄ちゃま!!」
真 「・・・・・・・・あのさ、俺がそれわからないと思ったの?」
花穂 「え?そんなことないけど・・・・・。」
真 「・・・・・・・・。」
花穂 「・・・・・・・・・。」
真 「・・・・・・・・・・・・。」
花穂 「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
真 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
花穂 「・・・お兄ちゃま?花穂なにか怒らせるようなこと言っちゃったかな?」
本当に悪気がなくて言ったんだとわかって、意識がどこかへ飛んでた俺は、ここまできてやっと我に帰った。
真 「へ?なにが?」
花穂 「・・・だって・・・・・お兄ちゃまずっと黙ってるから・・・・・花穂、なにか怒らせるような事言ったのかな?って・・・。」
彼女の目には、うっすら涙が浮かんでいた。
真 「(ヤベ!)い、いや、別に怒ったわけじゃないけど。」
花穂 「ううん、いいの、正直に言ってお兄ちゃま。
花穂、ドジッ子だから、気がつかないうちになにか言っちゃったかもしれないから・・・・・。」
その時の彼女は、もうちょっとでも傷つくような事を言ったらすぐにでも泣き出しそうだった。
真 「だから、正直に言ってるって・・・・・、本当になんでもないからさ。泣くなよ、な?」
花穂 「本当?」
真 「嘘ついてどうする・・・・・。」
花穂 「じゃあ、さっきなんで黙ってたの?」
真 「あぁ、それはな、本当に悪気があって言ったんじゃないんだなぁと思ってさ。なんかおかしくって・・・・・。」
花穂 「ふえ?」
そう俺が言っても、何の事だか全くわからないといった様子で、彼女はただ首をかしげていた。
真 「ハハハ、本当に何の事だかわかんないのか?」
花穂 「ん〜〜〜〜〜〜〜〜〜?」
真 「わかった、いいよ、もう考えなくって・・・・・。本当に面白いよな、お前は♪」
花穂 (ん〜?今のってからかわれたのかな?)
俺は、思わずうつむいてしまった。
本当に何もわかっていない、ただ純粋に俺にさっきの質問をしただけだという事を、彼女の行動が物語っていた。
そう、本当にこの子は純粋すぎる・・・・・。
そして俺は、そんな彼女の事を・・・愛しいとさえ思っている・・・・・。
そう、家族としての愛情や、友情なんかとは違った・・・・・特別な気持ち・・・・・・・・。
純粋で、一心で・・・俺が機嫌を悪くしたと思ってうろたえるなんてのも珍しくはないことだった。
そんな彼女に、本当の事を伝えるなんてできないと、俺はこのとき改めて思った。
伝えなければならない重要なこと・・・。
しかし、伝えれば彼女の心を深く傷つけてしまうかもしれないこと・・・・・。
いや、傷つけてしまうことは確実だった。
その傷が深かれ浅かれ、確実にそれを伝えた時、彼女は傷つく。
そしてそのとき、必ず俺も後悔する・・・・・本当の事を伝えてしまったことに・・・・・。
言えない、言いたくない、言えるわけがない、伝えるのが怖い・・・・・そんな思いばかりが俺の中を駆け巡っていた。
花穂 「・・・・・・お兄ちゃま?どうしたの?」
真 「え?!」
俺が顔を上げると、彼女が心配そうに俺の顔を覗き込んでいる。
俺はよほど沈んだ顔をしていたんだろうか、心配で仕方がないといった感じだった。
真 「あ、あぁ、大丈夫だよ。ちょっと考えごとしてただけだから。」
どうしたんだろう、お兄ちゃま・・・・・。
なんだか凄く悲しそうな顔をしてた・・・・・・・・。
何か嫌なことでもあったのかな・・・・・。
あ!それともやっぱり花穂が何か言っちゃったのかな!?
どうしよう・・・・・。
花穂 「お兄ちゃま、やっぱり花穂が何か・・・・・。」
真 「だから、違うって。」
お兄ちゃまは苦笑しながらそう言ったの。
でも、迷惑とかそういう時の苦笑のしかたじゃなくて、
「本当になんでもないから大丈夫だよ」って言ってくれてるような・・・そんな気がする笑い方だった。
真 「それで?何かお願いがあるんじゃなかったのか?」
へ?お願い・・・・・・?
なんだっけ・・・・・・・・・・。何か大切なこと・・・・。
花穂 「・・・・・あ!お兄ちゃまのこと心配してて忘れてた!!」
真 「おいおい。人のこと心配するのも大切だけど、自分のこともしっかりやれよ?」
ふえ〜ん、お兄ちゃまに笑われちゃったぁ・・・・・。
やっぱり、花穂がドジッ子だから笑われたのかなぁ?
花穂 「・・・うん。」
真 「ほら、それでお願いって?早く言わないとまた忘れるぞ。」
花穂 「あ〜、酷いよお兄ちゃまぁ・・・・・。いくら花穂だって、そんなに忘れんぼじゃないもん!」
真 「わかったよ、悪かった、謝るって。」
そう言いながらもお兄ちゃまは笑ってた。
でも、お兄ちゃまにこうやって笑われるの、花穂はあまり嫌いじゃないの。
だって、お兄ちゃまは、なんだかとっても暖かい気持ちになれるような顔で笑うから。
だから花穂は、お兄ちゃまに笑われたことがちょっと嬉しかった。
・・・・・お兄ちゃまの笑った顔見るの、大好きだから。
花穂 「あのね、お兄ちゃま、お願いなんだけどね。」
真 「あぁ、俺にできることなら何でも聞いてあげるけど。」
花穂 「本当?」
俺が出した答えに、彼女はぱっと表情を明るくした。
真 「だから、嘘ついても何の得にもならないって。」
花穂 「そうだよね、じゃあ、花穂のお願い聞いてくれる?」
真 「ん〜、内容によるな、言ってみな?」
花穂 「うん、あのね、花穂ね、クリスマスイブの夜、お兄ちゃまと2人でお出かけしたいの。・・・ダメかな?」
真 「・・・は?」
俺はもっと難しいものだと思っていたので無意識に声が出てしまった。
花穂 「・・・ダメ・・・・・かな?」
真 「そんなこと?」
花穂 「うん。」
真 「・・・く・・・はははははははは。」
俺は思わず笑い出してしまった。彼女らしい、なんとも簡単で、でも彼女にとってはこの上なくかなえて欲しい願いなんだろう。
俺が答えを出すのを真剣な表情でじっと待っている。
花穂 「お兄ちゃま、笑ってたらわからないよ。」
真 「ごめんごめん。いや、なんか、君らしいお願いだなと思って。」
花穂 「・・・・・・・・・・・。」
心なしか彼女の表情が曇る。
笑いすぎたかな?
真 「悪い、ちょっと笑いすぎたかな?」
花穂 「ううん、そんなことないよ。」
そう言ったとき、彼女の表情はいつもの明るい表情に戻っていた。
真 「そうか。」
花穂 「それで、お出かけだけど・・・・・お願いできるかな?」
真 「OK、いいよ、それくらい。」
花穂 「本当?!」
真 「だから・・・。」
花穂 「『嘘をついても何の得にもならない』でしょ?」
俺が言う前に言われてしまった・・・・・。そんなに覚えられるほど言ったかな?
真 「そ、わかってるなら確認しなくてもいいだろ?」
花穂 「うん、そうだね。」
真 「それで?どこ行きたいんだ?」
花穂 「え?!・・・う〜んと・・・・・え〜っと・・・・・・。そこまで考えてなかった。」
真 「そうか、わかった、それじゃあ、どこか適当に決めておくよ。」
花穂 「うん。ありがとう、お兄ちゃま。」
こうして、イヴの3日前、12月21日の夜、俺と彼女の外出が決まった。
ーー時間が立つのは早いもので、あれからすでに3日、今日が彼女との約束の日、クリスマスイヴだ。
行く場所も一応決めた、しかし、9時の夕食には帰ってこなければならないので、そんなに長時間は外出できない。
その事もきちんと計算に入れて場所は決めた。
真 「よし、あとは上着を着ればよしっと。」
俺は出かける準備を整え、あとは上着を着るだけだった。
花穂 「お兄ちゃま、早く早く!」
お願いしてきた本人はというとさっさと準備を済ませ、すでに玄関で待っていた。
真 「あぁ、ちょっと待って。・・・あれぁ?上着どこに置いたかな?」
花穂 「先に外で待ってるよ?」
そう言うと、彼女はとっとと外へ出て行ってしまった。
真 「はいよ・・・・・って、外?!」
さすがに驚いた。
外は、雪は降っていないものの、降ってもおかしくないような寒さだった。
真 「ん〜、これは長く待たせると可愛そうだな・・・・・。早く見つけよう。」
真 「ん〜、どこだったかな・・・・・あ!そうだ、部屋のクローゼットにしまったんだった!!滅多に着ないから忘れてた。」
着るべき物のありかを思いだして、俺は急いで自分の部屋まで戻った。
思ったとおりの場所に上着はしまわれていたからすぐに見つける事が出来た。
真 「よし、これを着てっと・・・。よし、これで完璧。さて、あまり待たせると冷えちゃうからな、急いでいくか。」
そうして、俺は部屋をでようとした。が、それは携帯電話のアラームによって邪魔されてしまった。
真 「なんだよ、こんな忙しい時に誰から・・・!!?・・・・・親父・・・・・。(ピッ)もしもし?」
父 「おぉ、真か?」
真 「俺以外に誰がでるんだよ。」
俺は半ば怒ったような声で言った。
父 「まぁそう怒るな、今日はお前に話があって電話したんだ。」
真 「あたり前なこと言うなよ、用事がないんだったらかけてこないだろ?」
父 「そうだな・・・・・。話というのは、花穂の事なんだが。」
真 「(ピクッ)・・・あの子がどうした?」
父 「あの子?・・・あぁ、花穂のことか?」
真 「そうだよ。」
父 「ふむ、・・・・・もうそろそろ話してもいい頃じゃないかとおもってな。」
真 「俺から話せって言うんだろ?」
父 「そうだ。」
・・・・・だからこの親父は好きになれない・・・・・まぁ嫌いじゃないけど。
う〜ん、お兄ちゃま遅いなぁ・・・・・。
花穂、寒くなってきちゃったよ・・・・・。
花穂 「お兄ちゃまの事呼んでこようっと。」
玄関から中に入ると、外とは全然違ってとっても暖かかったから、花穂、しばらくその場でボ〜っとしてたんだけど、
お兄ちゃまのこと呼びに行かなきゃって思って呼びに行ったの、
でも、お兄ちゃまのお部屋の前まできて、お兄ちゃまを呼ぼうと思ったら、中から話声が聞こえてきたの。
なんだかお兄ちゃま怒ってるみたいだった、聞こえるのはお兄ちゃまの声だけだから、多分電話だと思うけど・・・・・。
ん〜、なんて言ってるんだろ?
真 「あたり前なこと言うなよ、用事がないんだったらかけてこないだろ?」
真 「・・・あの子がどうした?」
あの子?誰のことだろう?
真 「俺から話せって言うんだろ?」
話す・・・・・・?
真 「親父、あの子の事を少しは考えてるのかよ?」
お父さん?
真 「・・・考えてる?・・・は?あの子が今学校で何やってるか?聞いてどうするんだよ?
・・・・・部活?チア部だよ俺の事を応援したいって言ってた。」
???花穂の事を話てるのかな?
・・・・・・・・・お兄ちゃまはやっぱり、花穂の事・・・・・・・・・・・・・・。
真 「あぁ、いつも一生懸命だよ、一生懸命すぎるくらい・・・・・。
親父、あれだけ俺の事を慕ってくれてるあの子に、
いつも元気づけらてくれるあの子に、そんなつらい事をそんなに簡単に話せるわけないだろ!」
お兄ちゃまの口調がさらに厳しくなった、・・・つらいことってなんだろう・・・?
真 「・・・じゃあ親父はこう言えってのか?
面と向かってあの子に、『お前だけ本当の妹じゃないんだ』って、
『お前だけは兄妹じゃないんだ』って、言えっていうのかよ!!」
花穂 (!!!・・・・・・・・花穂は・・・・・本当の妹じゃ・・・・・。)
親父の言い方にちょっと腹を立てた俺は、思わず大きな声を出した。
そのとたん、部屋の外から音がした。
真 「!!誰かいるのか?!」
俺は急いでドアを開ける、でもそこには誰もいなかった。
真 (気のせいかな?)
俺は部屋の中へ戻り、ふと窓の方へ目をやった。
すると窓から、はしっていく彼女の姿が見えた。
真 「(な?!・・・・・まさか、さっきの音は・・・!)親父、その話はまたあとでな!(ピッ)」
電話の電源を切り、俺は大急ぎで彼女の後を追いかけた。
俺が家を出たとき、すでに彼女は追いつける範囲ギリギリのところまで走って行っていた。
いつもはちょっと走るといつも転ぶ彼女だが、こんな時に限って転ばない。
転ばないのは良いことだが、そうでもしてくれないと早く追いつけない。
・・・・・・・・なんとも奇妙な気分だった。
しかし、そんな余計な事を考えるのに時間を使えないので、俺はさっさと追いかけ始めた。
距離の差が30メートルくらいなら簡単に追いつけるが、
このときはすでに70メートルは先にいた。
が、迷っている暇はなかった、いや、迷う余地さえなかった。
それに俺に迷っている権利なんてなかった。
本来今日、クリスマスイヴは、プレゼントなどを相手にあげて喜んでもらうというようなものがある。
いや、クリスマスに限らず、プレゼントというのは相手を喜ばせるためのもの・・・。
しかし俺は、とんでもない物をプレゼント・・・・・、
いや、とてつもなく深い傷を彼女に与えてしまった・・・・・・・・。
その傷を少しでも和らげるのが、今の俺にできるせめてもの償い・・・・・・・。
俺は必死に走った。
途中、何度か見失ったが、それでも必死に追いかけて見つけた。
はじめに70メートルはあった差も、あと20メートルくらいまで縮まっていた。
しかし、さすがに時間がかかった。
家を飛び出したのが6時ちょっと前、すでにかなり暗かったのに、今は6時10分。
夏で10分ではそんなに変わらないが、冬で10分というとかなり暗くなる。
ただでさえ暗いのに、近くに店やなんかのない公園の近くまできていたので、いっそう暗かった。
しかし、近くに店がないのと、今夜がクリスマスイヴだけあって、この公園の付近には人がいなかった。
そのおかげで俺は、人ごみに邪魔されることなく、一気にスピードを上げた。
しかし、視界のせいもあってか、公園に逃げ込もうとした彼女は、公園の入り口付近で転んだ。
転べば簡単に追いつけるとは思っていたが、
さすがに本当に転ぶと、可愛そうになってくる。俺は、なんだか自分が転ばせたような気がしてしょうがなかった。
しかし、普通、こういうときは、すぐに起き上がってまた走り出すものだが、
この時彼女はその場にうずくまって立ち上がらなかった。
やっとすぐそばまで行き、彼女の前にしゃがみこむ、
よく見ると、右足を抑えているし、なんだか痛そうな顔をしている。
真 「・・・・・足、ひねった?」
俺はまだ肩で息をしていたが、なんとか呼吸を整え、話し掛けた。
真 「立てなさそう?」
花穂 「・・・・っく・・無理かも・・・グス・・しれない・・・・・。」
そう答えてくれはしたものの、その答えは涙に濡れていた。
真 「じゃあ、肩貸すすからブランコのところまで行こう?」
花穂 「・・・・・・・うん・・・・・。」
花穂は、自分が本当の妹じゃないってわかって、
なんだか頭の中がぐちゃぐちゃになっちゃって・・・・・、気がついたら走り出してたの。
なんだか涙が止まらなくて・・・・・、でも、何が悲しいのか・・・何が怖いのか全然わからなかった・・・。
そんな状態のまま、ずっと街中を走り抜けて公園まできた時に、入り口で転んじゃった・・・。
その時に足をひねっちゃったみたいで、凄く痛くて・・・全然立てなかった・・・・・。
その時に、お兄ちゃまがきてくれて、嬉しかったのに・・・・・。
なんだかもっと涙が出てきちゃって・・・。
ひとまずお兄ちゃまの肩を借りてブランコのまで行って、花穂はブランコに座ったの。
真 「確か、ひねったの右足だよな?」
花穂 「・・・・・うん・・・。」
真 「ちょっと右足の靴と靴下脱いでくれる?」
花穂 「・・・・・・・うん・・・・・。」
お兄ちゃまは、
花穂が靴と靴下を脱いでる間に、自分がしょってリュックからシップと包帯を取り出して、花穂の足の手当てをしてくれたの。
足が外に出て冷たかったけど、なんだか、心はさっきより暖かいのがわかった。
真 「なぁ・・・・・。」
花穂 「・・・・・何、お兄ちゃま?」
真 「・・・・・聞こえちゃったんだ?・・・・・本当の妹じゃないって・・・・・。」
花穂 「・・・うん・・・。」
真 「ビックリしただろ?」
花穂 「・・うん・・・・・。」
真 「ゴメンな、本当はもうちょっと早く言わなきゃいけなかったんだけど、
普段一生懸命な君を見ると、どうしても言い出せなくて・・・。・・・よし、これでいい。」
・・・・・お兄ちゃま・・・・・やっぱり・・・花穂は・・・・・・・ずっとこのままなのかな?
これからもずっと・・・・・呼んでもらえないのかな?
真 「・・・本当にゴメンな、本当は今日、いつものお返しに楽しんでもらうはずだったのに・・・傷つけちゃって・・・・・。」
花穂 「ううん、花穂こそごめんね、自分で逃げ出したのに、結局またお兄ちゃまに迷惑かけちゃって・・・・・。
花穂、ドジッ子だから・・・・・、お兄ちゃまに・・・ック・・迷惑・・ばかり・・・かけて・・・・・。」
やっとさっき涙が止まったのに、なんだかまた涙が出てきちゃって・・・・・、止まらなくって・・・。
真 「・・・・・・本当だな。」
花穂 「!!!」
真 「・・・・・確かにいつもドジをしてるよな・・・。」
・・・・・やっぱり、お兄ちゃまは花穂の事嫌いなんだ・・・・・。
真 「でもな、花穂。」
花穂 「!!!!?」
え?・・・・・今、お兄ちゃま、花穂の事・・・・・。
真 「確かにドジは多いけど、ドジばかりじゃないだろ?花穂は何事にも一生懸命すぎてるんだよ。
だから失敗する。たまには肩の力を抜いていかないと、そのうちもたなくなるよ?」
花穂 「・・・・・・・・・・・。」
真 「?どうした?花穂。」
花穂 「・・・夢じゃないよね?」
真 「は?なにが?」
花穂 「今、お兄ちゃま、花穂の事『花穂』って・・・・・。」
真 「???」
花穂 「・・・・・名前で・・・呼んでくれたよね?・・・・・初めて・・・・・。」
今までお兄ちゃまは、他の皆は名前で呼んでるのに、花穂のことだけ名前で呼んでくれたことがなかった。
だから、今こうして名前で呼んでくれたのが、とても嬉しくて・・・・・。
なんだか今度は、嬉しすぎて涙が出てきちゃった。
・・・・・・・・・・なんだか花穂、今日は泣いてばかりだよね。
真 「名前で呼んだことなかったっけ?!」
花穂 「ふえ?・・・お兄ちゃま、自分で気がつかなかったの?」
真 「全然・・・・・。」
花穂 「そっかぁ、別に何か意識して呼んでくれないわけじゃなかったんだね?」
真 「あぁ・・・・・。
(そういえば、伝える時のこと考えると、名前で呼ぶのが怖かったような気もする・・・・・ゴメンな、花穂。)」
しばらく花穂とお兄ちゃまはそのまま話を続けてたけど・・・、
花穂 「(クゥ〜〜・・・・・)・・・あ・・・。(/////)」
さっきからなんとなく気になってたんだけど、
お兄ちゃまとお話してたからあまり気にしないようにしてたお腹がなっちゃって・・・・・。
真 「・・・・・・・腹、減ったのか?」
花穂 「・・・う、うん・・・・・。」
真 「はは、わかった、じゃあ、帰ろうか?」
花穂 「え〜、まだもうちょっとだけ・・・。」
真 「でも、腹減ったんだろ?・・・それにこのままここにいて風邪でもひいたら大変だし。」
花穂 「・・・うん、わかった。」
もうちょっとお話したかったけど、これ以上お兄ちゃまに迷惑かけられないから。
今日はこれで帰ることにしたの。
真 「立てそう?」
花穂の座ってるブランコの前に立ってお兄ちゃまが、花穂にこう言って、花穂は立とうとしてみたんだけど・・・。
花穂 「ん〜、分からない・・・・・・・・痛っ!!」
頑張って立とうとしたんだけど、やっぱりまだ痛くてそのままよろけちゃったの、
だけど、お兄ちゃまが支えてくれたから転ばなかったんだ。
真 「あんまり無理するなよ。」
花穂 「うん。」
真 「・・・凄く痛い?」
花穂 「今は大丈夫だけど、体重かけると痛いかな。」
真 「しょうがない、痛くなくなるおまじないかけてやるか。」
花穂 「え?」
真 「花穂、ちょっとの間、目つぶっててみな?」
花穂 「なんで?」
真 「いいから。」
花穂はお兄ちゃまに言われたとおり目をつぶったんだけど・・・・・。
しばらくして、花穂の唇に何かがくっついたから、ビックリして目を開けてみると、
お兄ちゃまの顔がすぐ目の前にあって、もっとビックリしちゃった。
実際には2,3秒だったと思うんだけど、花穂にはそれが凄く長い時間のような気がしたんだ。
それに、なんだかまた頭の中ぐちゃぐちゃになっちゃって・・・。
花穂 「え?え?!・・・い、今、お兄ちゃま、花穂と・・・・・、あれ?花穂お兄ちゃまと・・・・・あれ???」
真 「・・・・・嫌だったか?」
花穂 「ふえ?!!」
真 「・・・キス・・・・・。」
花穂 「え?じゃあやっぱり、今のって・・・?!」
真 「・・・嫌だった?」
花穂 「え、嫌じゃないけど・・・。」
ううん、嫌なわけは全然なかった。
花穂、お兄ちゃまのこと大好きだから・・・。
真 「・・・俺じゃあ、不服だったかな?・・・・・今の俺のファーストだったんだぞ。(/////)]
花穂 「え?!今の、お兄ちゃまのファーストキス?」
真 「・・・だから・・・・・そうだよ・・・・・。何回も言わせるな、恥ずかしい・・・・・。」
え?ファーストってことは、お兄ちゃまの初めてのキスって事で、その相手が・・・・・花穂だったって事?!
ど、どうしよう、花穂は嬉しいけど、お兄ちゃまは良いのかな?
真 「・・・・・花穂は?」
花穂 (//////////)
真 「???花穂?」
花穂 「え?・・・は、はい!何、お兄ちゃま?」
真 「だから、花穂は初めて?」
花穂 「なにが?」
真 「だから・・・・・キスだよ。」
花穂 「ふえ?・・・・・・あ、よく考えると花穂も初めて・・・・・。
・・・・・!!え?そうすると、花穂のファーストキスってお兄ちゃま?!!」」
真 「俺じゃあ嫌だったかな?」
花穂 「う、ううん、全然嫌じゃないよ。・・・お兄ちゃまは?」
真 「・・・嫌だったらやらないって・・・。」
花穂 「え?それって、お兄ちゃまは花穂の事・・・・・。」
真 「・・・・・好きだよ・・・・・妹としてじゃなくって・・・上手く言えないけど・・・普通に・・・。」
そのとき、きっと花穂の顔、湯気が出そうなくらい熱かったと思うの。
でも、お兄ちゃまの顔も少し赤かったんだ。
真 「・・・・・歩けそう?」
花穂 「う〜ん・・・・・。まだ痛い・・・。」
真 「そりゃあそうか。・・・わかった、おぶっていくよ。・・・ほら。」
お兄ちゃまはそう言って、花穂の前にしゃがみこんでくれたの。花穂がお兄ちゃまの背中におぶされるように・・・。
花穂 「え?でもお兄ちゃま・・・。」
真 「いいから、のれよ。」
花穂 「・・・うん。」
花穂が背中におぶさると、お兄ちゃまはゆっくりお家に向かって歩き出したの。
それで、おうちに帰る途中、
真 「・・・あ〜、本当はクリスマスプレゼントの1つもあげないとしょうがないんだけどな・・・。」
花穂 「でも、花穂はもう2つももらってるよ?」
真 「2つ?」
花穂 「うん。え〜っとねぇ、・・・・・キスと、名前で花穂のこと呼んでくれたこと。」
真 「あぁ、それで2つか。」
花穂 「でも残念だなぁ・・・。」
真 「なにが?」
花穂 「え〜、だって、これで雪が降ってればもっといいのになぁと思って・・・。」
真 「降らせてやろうか?」
花穂 「え?!できるの?お兄ちゃま!」
真 「あぁ、俺に任せなさい。」
お兄ちゃまはそう言うと、右手を上に上げて、「パチン!」って、指をならしたの。
花穂 「何やってるの、お兄ちゃま?」
真 「まぁ、もう何秒か待ってなって。」
花穂 「???・・・・・・・・!・・・わぁ・・・雪が降ってきた・・・。」
そう言われて待ってたら、本当に雪が降ってきて、花穂ビックリしちゃった。
真 「な?言ったろ?」
花穂 「うん!・・・すご〜い、どうやってやったの?」
真 「さぁ?偶然かもね。」
お兄ちゃま、そう言ってたけど笑ってたから、
本当に偶然か、それとも本当にお兄ちゃまが降らせたかはわからなかったけど、雪が降ってるっていう事は変わりなかった。
花穂 「えへへ・・・・・3つもプレゼントもらっちゃった。」
真 「ん?なにか言ったか?」
花穂 「ううん、なんでもない」
ありがとう、お兄ちゃま。
真 「ん〜、困ったな・・・。」
花穂 「どうしたの?」
真 「さすがにこのままだと、人前に出るのは恥ずかしいな・・・。花穂だって、おぶられてるの誰かに見られたくないだろ?」
花穂 「うん。」
真 「しかたない、時間かかるけど、裏道通ってゆっくり帰るか。」
花穂 「!!・・・うん!!!」
お兄ちゃまは何も言わなかったけど、花穂にはそれが、「もう少し、このままでも良いか?」って聞かれてるように思えたんだ。
真 「よ〜し、家につくまで腹が減ってるのは我慢しろよ〜。」
花穂 「は〜い。」
お兄ちゃま、今日は本当にありがとう。
それと、メリークリスマス、お兄ちゃま。
〜FIN〜
あとがき
あ〜!!またわかりにくい物を・・・・・。
本当にすいません。反省しております。しかも最後の名前の落ちやるためにずっと花穂を彼女とかあの子とか・・・・・。
全国のお兄ちゃま、すいませんでした。m(−−)m
でも、多分今まで俺が書いた中で1番ましだと思うけどなぁ・・・・・。
あ〜、感想頂けるとありがたいですよ。
もちろん「ここはせめてこうだろ?」とかでもかまいません。
ウィルス以外ならOKです。では。
シャインさんへの感想はこちら
ks@jptrad.com
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