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ある雪の日

作 雄一さん


「ううううう寒い・・・」
悠は震えながら廊下を歩いていた。夜になるとこの廊下はかなり冷え込むが今日は格段と寒さが増していた。
それもそのはず、外では真っ白な雪が降ってるのだ。寒いはずである。
「明日積もるのかな・・・」
ふと窓の外を見る。かなりの量の雪が降っている。
寒さに耐えながらもリビングに入る。入ったとたんそこは南国の国に変わった。
暖房が良く効いている証拠だ。リビングでは雛子と亞里亞、咲耶、衛が外を見ていた。
「うわー・・・スッゴーい」
「明日積もるかな?」
「真っ白でお砂糖みたいです・・・」
「ロマンティックな光景ね・・・」
「この調子だと積もるかもな・・・」
雪はやむことなくその勢いを増して降っている。これくらい降るならかなりの積雪が予想される。
「まあ・・・・明日のお楽しみだな、みんなもう遅くなるから早く寝なさい」
「そうだね・・・」
「楽しみだね・・・」
「雪さん・・・また明日」
そういうと衛と亞里亞と雛子は「おやすみなさい」をいうと自分の部屋に戻っていった。
悠はガスの元栓を確認して暖房を止める。すると・・・・
「お・に・い・さ・ま(はあと)」
「のわ!!」
いきなり後ろから咲耶に抱きつかれてびっくりする悠。
「な・・・咲耶、離れろ」
「い・や・よ・・・だって寒いんですもの・・・・ねえ一緒に寝ていい?」
「だめ」
「えええ・・・だってこんな夜は人肌で暖めあったほうがいいって・・」
「・・・・誰がそんなことを・・・」
「私が考えたの・・・」
「おい・・・」
ようやく咲耶を離し、自分の部屋に戻る。布団の中に入ってもまだ寒い。
暖房をつけたがまだ暖かくならない・・・・・・・一瞬咲耶の言葉が蘇る。
「人肌で暖めあったほうがいいのかな・・・」
悠は一瞬咲耶を呼びに行こうとしたが他の妹達の怒る顔が浮かびやめることにした・・・・。
そして寒さをこらえながらも眠りの世界に入っていった。

次の日・・・・外は一面真っ白なじゅうたんに変わっていた。どうやら雪はもう止んでるらしい。
しかし朝はとてつもなく寒い・・・。悠は急いで着替えるとリビングへ降りていった。
リビングにはまだ誰もいなかった・・・まあこんなに寒いのだからなかなか起きられないのだろう。
悠は暖房の電源を入れると台所に入り朝食の準備をはじめる。
リビングが暖かくなり朝食が出来始めたころようやく妹達が起きてきた。
初めに入ってきたのは雛子と亞里亞。
「わーすごーい」
「ホントに綺麗・・・」
次は白雪と四葉
「おはようございます、にいさま(はあと)・・・・まあ雪ですの・・・こんなに積もっています・・・」
「兄チャマおはようございます。おお!!雪がこんなに!早速チェキしなければ」
次におきてきたのは咲耶、千影、可憐
「・・おはよう兄くん・・・ほお・・・雪か・・・昨日水の精霊の活動が活発だったけどこういうことだったわけか」
「まあ綺麗な景色・・・・こんな景色をバックにお兄様とキスできたら・・・・・(ものすごい威圧がある視線を浴びて)
おほん・・・久しぶりねこんなに降ったのは・・ねえお兄様食事が終ったらみんなで遊びましょうよ」
「あ、それいいね。ねえお兄ちゃんいいでしょう?」
「ああ」
次は花穂、衛、鞠絵
「わあぁ!!すごーい」
「こんなに積もってる」
「ホント・・・幻想的な光景ですね・・・」
そして最後に鈴凛と春歌
「まあ、こんなに・・・・綺麗ですわ」
「すっごーい・・こりゃメカ鈴凛を寒冷地仕様にしなきゃ・・・だからアニキ・・・援助・・・」
「却下」
と全員揃ったところで賑やかな朝食が始まる。特に雛子は一番に足跡をつけようと急いでトーストを詰め込んでいる。
「むぐ・・・むぐ・・・」
「ヒナ・・・そんなに急いで食べなくても・・」
「むぐむぐ・・・ふう・・・だってぇ早く食べないと衛おねえたまにさきこされちゃうもん」
「大丈夫だよ、食べ終わったら一緒に行こうか雛子ちゃん」
「ほんと?わーい一番乗り!!」
「いいなぁ・・・ヒナちゃん・・・花穂も急いで食べようっと・・・・ふにゃあ!!」
突然コーンスープを飲んだ花穂が悲鳴をあげる。
「どうした花穂?」
「ふえーん・・お兄ちゃま・・・舌がめろめろだよぉ・・・」
「大丈夫、花穂?・・・ほら水」
「ありがとう咲耶お姉ちゃま・・・」
「・・・みんなあせるなよ・・雪は逃げないんだから・・・衛、雛子、みんなが食べ終わるまで待ってくれないか?」
「うん、ヒナ待ってる」
「いいよ」
「そうか・・・咲耶、千影、食べ終わったらソリとスコップを持ってきてくれないか?」
「いいわよ」
「・・・・わかった」
やがて朝食が終り、みんなはそれぞれの部屋で防寒着に着替えてくる。その間に悠は台所で何かを作っていた。
「お兄ちゃん!!早く早く」
「ああ今行く」
玄関に向かうと全員が防寒着を着て待っていた。
「よし・・・出るぞ」
「うん」×12
ドアを開くと・・・雪が一面に敷き詰められていた。まだ誰も足跡をつけていない。
「よーしヒナが一番!!」
「ボクも!!」
雛子と衛が同時に足跡をつける。それが合図になり全員が外に飛び出す。
26の足跡が次々に雪の上に刻まれていく。庭に向かいみんなは早速遊び始める。
一番はしゃいでいたのは雛子だった。早速雪だるまを作りはじめた。
鞠絵はそんなに激しく動く事ができないので雛子の手伝い。
衛、花穂、可憐は咲耶の持ってきたスコップでかまくらを作り始める。
亞里亞と四葉、白雪はソリで斜面を滑ってる。
鈴凛はなにやら怪しい機械を持ってきて何か実験している。どうやら小型の除雪機らしい。
千影もなにやら実験をしていた。
そんなほほえましい光景を見ているとふと殺気らしきものを感じる悠。
「なっなんだ?」
恐る恐るその方をむくと・・・・・咲耶と春歌がにらみ合っていた・・・
「・・・咲耶姉様・・・昨日兄君様に何をしました?」
「あら・・見ていたの・・・見てのとおりよ・・お兄様と「愛」を語りあっていたの」
悠はその会話を気づかれないように聞いていた。
「・・・・昨日のことか・・・」
どうやら昨日の夜の事を言ってるらしい。悠は遠くからそれを見つめる。
「もう許せませんわ・・・今日こそ決着をつけましょう」
「あらいいわね・・・どうせならこの雪を使って決着をつけない?
雪合戦で、そして勝ったほうが今日、お兄様の肉蒲団(?)になってあげるってのはどう?」
「良い考えですね・・・負けませんわ」
「こっちこそ」
どうやら女同士の闘いが始まるらしい。さっきにも増して殺気が漂ってくる。
「あー咲耶おねえたま!!ずるい!!ヒナも雪合戦やる!!」
「雛子!!」×2
「私達も!!」×9
どうやら感づいたのか雛子をはじめ、全員がこの気配を察知してきたらしい。
「ねえあにぃもやろうよ」
悠に気がついた衛が誘ってくる。
「・・・・いや俺は・・」
「ダメよ!!」
「ダメですわ」
「えーなんで?」
「お兄様は審判をやっていただくのそれに・・・」
「それに?」
「兄君様は賞品ですから」
「おい!!俺は物か!!」
「それって・・・にいさまを独占できるってことですの?」
「そ・・・そういうことね」
「・・・・燃えてきましたですの」
その時悠は白雪の背後に火が見えた気がした。こうして
「お兄ちゃん争奪雪合戦」
がはじまった。

ルールは簡単、チームを二つに分け雪合戦を行う、お互いに投げあい当たったらその場でアウト。
判断は兄である悠が判定する。
最終的には優勝者は一人しか許されないので、第一回戦でより多く生き残っていたチームが二回戦でまた二手に分かれ戦うことになる。
「まあ・・・第一回戦で決まればいいけど・・・」
そして熱き闘いの火蓋が切って落とされた・・・。
まずチーム咲耶、リーダーの咲耶、白雪、雛子、花穂、鈴凛、四葉
そしてチーム春歌、リーダーの春歌、可憐、衛、鞠絵、千影、亞里亞
互いに壁を作り、防御を固める。
そして
「はじめ!!」
兄の合図により決戦が始まった。



「きゃあああああ!!」
最初の脱落者は花穂だった・・・・。
春歌の激しい攻撃をかいくぐりゆっくりと前進していた咲耶と花穂と四葉だったが衛の奇襲攻撃にあってしまった。
急いで退却する三人だったが滑って転んでしまった花穂が逃げ遅れて雪だまの餌食になってしまった。
「・・・ふふふまずは先制点」
春歌が不敵な笑みを浮かべる。しかし次の脱落者は春歌のチームから2人も出てしまった。
亞里亞と鞠絵である。
鞠絵は咲耶のチームの流れ弾を受けてしまいアウト、亞里亞はとことこと咲耶たちの前にでて雪だまを投げていて当たってアウト。
「あーらこっちのほうが腕は上よ」
咲耶が春歌を挑発する。さらに攻防が激しくなる。
「ふえーん!!おにいたまぁ・・・・」
雛子の悲鳴が聞こえる。どうやら雪だまに当たってしまったらしい・・・・雛子アウト。
雪だまの中をかいくぐり雛子を戦場から助け出す悠。
「いっけぇ!!雪だま君一号!!」
鈴凛が秘密兵器雪だま君一号で春歌たちを追い詰める。
「負けませんわ!!」
春歌が負けじと大きな雪だまを投げる。大きな雪だまが鈴凛に直撃、鈴凛と雪だま君一号アウト。
「チェキチェキチェキチェキ!!」
四葉が小さな雪だまを連続して投げる。その球速はまるでガトリングガンの弾のよう・・・
「負けないもん!!」
可憐がその弾をよけながら前進をかける。
「チェキチェキチェキチェ・・・・しまった!!弾が切れてしまいました!!」
「今のうちに!!」
弾切れの隙を突き一気に突撃する可憐・・・・が
「嘘なのデス」
四葉が攻撃を再開する。
「きゃあああああ」
反撃をする暇もなく四葉の攻撃を受けた可憐アウト・・・・が
当たる瞬間にやけくそで投げた雪だまが四葉にクリティカルヒット、四葉もアウト。
「えいえいえい!!」
衛が前進して咲耶と白雪に攻撃を仕掛ける。
白雪たちも負けじと反撃をする。さすが運動神経抜群の衛、次々に弾を避けていく。
「負けないですの!!」
白雪も衛の攻撃をかわし攻撃をする。
「にいさまの夜のお相手は白雪がいたしますの!!」
また白雪のバックに炎が現れる。どうやらかなり本気のようだ
「ボクだってあにぃと一緒に寝たいもん!!」
白雪の攻撃をかわし咲耶の陣営へ一直線・・・が
「うわああああ」
突然足元が崩れ衛の姿が消える。どうやら・・・・白雪が作った落とし穴にはまったようだ。
「・・・いつの間に・・・」
落とし穴に向かって集中砲火をくらわす白雪と咲耶・・・・衛アウト・・・悠は急いで落とし穴から衛を救出する。
残るは咲耶チームの咲耶と白雪、春歌チームの春歌と千影。互いに一歩も譲れない状況だ・・・・
「・・・そろそろだな・・」
今まで沈黙していた千影が動き出した・・・雪だまを抱え咲耶陣営にゆっくり前進する。そして・・・
「吹雪よ!!」
突然吹雪が吹き荒れる。
千影が黒魔術を使ったのだ。吹雪に驚き壁に隠れる咲耶と白雪。
しばらくして吹雪が止むが千影の姿がない。いそいで千影を探す二人・・・が
「・・・・もらった!!」
千影の姿が二人の後ろに現れる。
「きゃああ」
「しまった!」
千影の雪だまが炸裂する。決着がついたのか・・・
「なっ!!」
突然千影に雪だまがぶつかる。どうやら咲耶がとっさに白雪を盾にして防いだらしい。
攻撃が止むのを待って反撃、白雪、千影アウト。残るは咲耶と春歌・・・・
「負けませんわ・・・兄君様にこの体ささげるためにも」
「私だって・・・お兄様とこの雪を溶かすくらいあっつーい夜を過ごすんだから」
「・・・・・体をささげるって」
闘いは激しさを増していた。防御用の壁が壊れるくらいに・・・・
「壊れる?」
悠は目を疑った、雪だまがぶつかるたびに壁が崩れ始めたのだ・・・・
「某ビールのCMか・・・・」
どちらも負ける気はないらしい・・投げられる雪だまの数が増えてきている。本当に一人で投げてるのか?
「このこのこのこのぉ!!」
「負けてないわよ!!」
挙句の果てには両者、雪だまに石を詰めて圧縮、水につけて凍らせた雪だまを投げ合ってる。
「ヤバイな・・・・これ・・どっちか怪我しちゃうな・・・それにこれ以上闘いが長引けばみんな風邪をひいてしまうし・・・・」
そう判断した悠は二人を止めることにした。
「どうやって・・・?」
それが問題になった・・どうやって止めようか・・とりあえず悠は戦場の中に飛び込む。雪だまを避けつつやめるように叫ぶ。
「やめろ!!引き分けだ!!怪我するぞ!!」
・・・・聞こえないらしい・・・攻撃が止まない。
「・・・・非常手段だ・・・」
悠は覚悟を決めて叫んだ!!
「咲耶!!春歌!!やめないといっしょに寝てやんないぞ!!嫌いになるぞ!!」
・・・・・・・止まった・・
「・・・・なんて安易な・・」
こうして雪合戦は引き分けに終った。



 
 
 
「おいしい!!」
「本当に美味しいですの」
雛子と白雪が絶賛の声を上げる。あのあと部屋に戻り悠が用意していたおしるこで暖まっていた。
「ああ・・・体が温まる・・・」
「本当ですね・・・」
「さすがあにぃ、用意がいい」
みんながおしるこで温まってるころ・・・・・
「さあ兄君様・・・あーんして」
「お兄様・・・あーん」
「ははははは・・・」
咲耶と春歌に挟まれていた。
「お・に・い・さ・ま(はあと)今日は私と一緒に寝てくれるの?」
「それとも私ですか?兄君様?」
どうやら二人の間では決着はついてないらしい。二人の目が合うたびに殺気が・・・・
「ねえ春歌?次はお風呂で決着をつけない?」
「いいですわねそれ・・」
「はあ・・・・・」
その後・・・お風呂で悲鳴あげてる悠と悠の背中を巡って激しい戦いを繰り広げている咲耶と春歌の姿があった。






あとがき
主人公と妹達との何気ない日常を書いてみました
あと絶対に雪だまに石を詰めて圧縮、水につけて凍らせた雪だま
を投げないで下さい。


雄一さんへの感想はこちら
yuuiti53@hotmail.com
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