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目覚めのKISS

作 雄一さん



「ただいま・・・」
結構遅くなっちゃったな・・今日は早く帰って白雪と一緒に食事をするって約束していたのに。
俺は靴を脱ぐとリビングに入る。
そこには・・・・・
「白雪・・・?」
テーブルに俯せて寝ている白雪の姿があった。
テーブルの上には白雪の手料理が所狭しと並んでいる。
湯気が上がってるところを見るとどれも出来たてらしい。
俺は料理の一つをつまんでみる。
「・・・うまい」
白雪の作る料理は個性的な料理が多いがとても美味い。
将来はいいお嫁さんになりそうだ・・。
こんな料理を食べられる旦那さんは幸せだろうな。
「・・・でも・・なあ・・」
正直言って白雪の花嫁姿ってあまり想像したくないな。
白雪はいつも俺の為に料理を作ってくれる。
学校に持っていく弁当だって、試験勉強の時の夜食だっていつも白雪が作ってくれた。
いつの間にか白雪は俺専属の料理番になっていた。
俺のために一生懸命に料理を作ってくれる白雪、そんな彼女がとてもいとおしかった。
「・・・なあ白雪・・・これからも俺の為に料理作ってくれるか・・・?」
すやすやと眠っている白雪の頭を撫でながら俺はそうつぶやく。
「にいさまぁ・・・」
「!!白雪?」
どうやら寝言のようだ・・・ビックリした・・。
俺の夢でも見てるのだろうか、白雪の表情はとても幸せそうだ。
可愛いな・・白雪は・・・。
いつも俺のために料理を作ってくれて
いつも俺の隣にいて・・・
そしてその笑顔を俺に振り撒いてくれる。
こんな白雪もいつかは大人になって俺のことなんて忘れちゃうのかな?
俺のために作ってくれる料理もいつかは他の人に食べてもらうのかな。
「・・・白雪・・俺・・・」
白雪の顔をじっと見つめる。
そして・・・・唇に暖かい感触が広がる。
気がつけば俺は白雪にキスをしていた。
「っ!!」
唇が離れたとたん俺ははっと我に帰る。
・・・俺・・・寝てる白雪に・・・なんて卑劣なことを・・・
俺は逃げるようにリビングを飛び出し、自分の部屋に向かった。






「・・・・・」
まだ・・・感触が残ってますの。
にいさまの唇の感触が・・・・。
あまりにも帰りが遅いにいさまを驚かすために寝たふりをしていたのに、いつの間にか本当に寝てしまって・・・
気がついたらにいさまが姫の頭を撫でてくれて・・そして・・。
にいさま・・・姫はにいさまのことが大好きですの・・・。
ずっとずっとにいさまの傍にいて、にいさまの為に料理を作っていたいのですの。
にいさまは姫がいなきゃがりがりにやせ細って死んでしまいますの。
だから姫・・・にいさまのお嫁さんになるって決めたのですの。
「だから・・あの時のキスは・・とても嬉しかったですの・・なのにどうして・・」
どうしてにいさま自分の部屋に戻ってしまったのですの。
姫はそのキスをずっと待っていたのに・・・。
にいさま・・・どうしてあの時姫を好きにしなかったのですの・・・。
姫・・・にいさまなら・・・。
「きゃあああああんにいさまったら」
・・・・・さっきまでシリアスだったのに・・・・姫ったら・・。
妄想モードに入ってしまいました。
てへ(はあと)。
でも姫はそれほどにいさまのことを思っていますの。
姫はにいさまが望むのだったらあんなことや・・・こんなこと
・・・にいさまの部屋のベッドの下に隠してある本に載ってる事と同じことだって・・。
なんでそんなことを知ってるかって?それはひ・み・つですの。
とにかく、今はにいさまの気持ちを確かめなくてはですの。
まだにいさまお部屋にいるのかしら?
急がなくてはですの!!
あっ!!その前に料理が冷めないようにしなくちゃですの。






「はあ・・・なんてひどいことを・・」
へこむわ・・・ものすごく・・・寝ていたとはいえ白雪の大切(なのか?)なファーストキスを奪ってしまった。
しかも相手は兄ときたもんだ・・。
「・・・まあ寝てたから・・ばれてないよな・・」
・・・でも・・俺は・・・
自分が嫌になっちゃうな・・・可愛い妹を独占したいなんて・・。
でもせめて白雪が俺の手の中から飛び立つまで彼女の傍にいたい。
でも・・・白雪にはいつまでも俺の傍にいて欲しい・・・。
結局俺は、白雪を独占したいんだな・・・。

こんこん・・・

「白雪?」
さっきあんな事したからちょっと顔合わせずらいな・・・。ここは寝たふりをしようっと。
俺はベッドに寝転がると目を閉じる。
しばらくすると白雪が入ってきた。
俺はその様子を薄目で見つめる。
やっぱり気がついてないみたいだ・・・。
「にいさま?寝てますの?」
「・・・・」
「にいさま、いつ帰ってらいしゃったのですの?」
「・・・・・」
「にいさま起きて」
「・・・・」
「もう・・にいさまったら・・・」
「・・・・・・」
「にいさま・・姫のこと嫌いになったですの?」
「・・・・・」
白雪は何度も俺の体をゆする。
・・・そろそろ起きてやった方がいいかな。
「にいさま・・・」
その時だった。
白雪の顔が俺の顔に近づく・・・そして白雪の唇が・・・
「白雪!!」
「うふふふ・・・やっとお目覚めですのにいさま」
「白雪・・・今・・」
「ええ、キスしましたの・・・逆白雪姫ですの・・・」
「・・・・・」
「にいさま・・・どうして逃げたのですの?」
「え・・?」
「知ってますの・・にいさまが・・姫にキスをしたの」
「・・・・・・」
「姫・・ずっと待っていたのですの・・・にいさまのキスを・・」
「白雪・・・」
「姫は・・にいさまが好きですの・・にいさま・・姫の王子様になってくださいませんか?」
「白雪・・いいのか・・俺は・・・」
「いいですの・・それに・・」
「それに?」
「にいさまは姫がいなくちゃがりがりにやせて死んでしまいますの」
「・・・・」
「姫、一生懸命に頑張ってにいさまにふさわしいお嫁さんになりますの、だから・・」
俺は白雪の告白を聞いていた。
嬉しかった・・こんな俺でも白雪は好きでいてくれている。
あんな卑劣なことをしたのに・・・・白雪は許してくれた。
許してくれたと言うよりも・・・喜んでいるな。
白雪らしいや・・・・






きゃあああああああああですの!!
ついに・・ついに・・言ってしまいましたの。
姫は・・にいさまが好きですのって・・・・
きゃあああああああああ恥ずかしいですの!!
これで二人は・・・・きゃああああああですの
「し・・・白雪?」
あ・・・いけないですの・・また暴走してしまいましたの・・。
まだお返事を聞いていなのに・・・・姫ったら・・・
でもでも・・・これで姫とにいさまは相思相愛、恋人になったんですの!!
これで・・・これでにいさまは姫を・・
「白雪・・おいで・・」
「にいさま・・」
「俺腹減っちゃってさ・・・」
「じゃあ早速お食事を・・」
「我慢できないんだ・・・」
「そんな・・え・・・にいさま?」
「姫を食べたい・・・いいね・・」
「にいさま・・・はい(ポ)」
「大丈夫・・・痛いのは最初だけ・・」
「はい・・・」
「いくよ・」
いやあああああんにいさまったらそんな事!!
でもでも姫・・・にいさまのためなら・・・
「おーい白雪、戻ってこーい」
「はっ」
さっきまでシリアスだったにいさまの顔がいつものにいさまの顔に戻ってる・・。
姫ったら・・・妄想のしすぎですわ・・・。
「あの・・・返事聞いてくれるかい?」
「はいですの」
「本当に俺なんかで言いのか・・・」
「いいですの・・姫は・・・にいさまと一緒にいたいですの」
「わかった・・・じゃあこれからも一緒にてくれるね・・」
「はい・・・」
にいさまはそう言うと姫を抱きしめて・・・キスしてくれましたの。
これで・・これで姫とにいさまは恋人同士・・・
にいさま・・・姫はうんと急いで大人になってにいさまにふさわしい白雪姫になって見せますの。
そして・・・これからも姫の料理をたくさん食べてくださいね


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yuuiti53@hotmail.com
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