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罪深き恋人達
作者 小野澤健一さん
「いい天気ね・・・」
「ああ・・・」
「早く行きましょうお兄様」
「咲耶・・・」
「え?」
「お兄様じゃないだろう・・」
「そうだったね・・悠」
俺と咲耶は旅行にきていた・・・・・・
俺と咲耶は兄妹だ・・・・血の繋がった・・・。
しかし咲耶は俺のことを慕っている・・・・俺も・・同じだ・・でもそれは許されない恋。それは俺も咲耶もわかっていた・・・・。
いつかは離れ離れになってしまう・・・でも離れたくない。
その思いを断ち切るため・・俺と咲耶はある約束をして旅行にきた。
「今日一日だけ・・・恋人として過ごそう」
たった一日だけ俺たちは恋人になった。
「きゃああ!!凄い・・・」
「ああ・・・」
間欠泉の噴出す音に驚いて咲耶が抱きついてくる。いつもならすぐ離れろと言うが・・・今日は違うからな。
「うふふふ・・・悠の胸の中って暖かい」
「・・・・まあ生きてるからな」
「・・・次行こう」
「ああ」
俺たちは先を急ぐ・・・より長く恋人でいられるために・・・・。
咲耶の行動にはいつも驚かされた・・・・
同級生に咲耶を紹介した時だって・・・
「私達、義理の兄妹なんです。仲が良くて・・・将来は婚約だって・・・」
「そうそう仲良くてなかなか兄離れしなくって・・・婚約?・・・いい!!」
本当に驚いた・・・咲耶があんなことを言うなんて・・・。
危うく同級生に誤解されるところだった・・。
他にも最近電話しなくなったという理由で家出をするわ・・
一緒に出かけた時だって・・・いつも俺にくっついてばっかりだった・・。
昔から咲耶は俺と一緒にいた・・
「うあっ熱い・・・」
「本当・・・でも美味しいよこの温泉饅頭・・・」
近くの茶屋で出来たての温泉饅頭食べる・・・・それにしても熱いなこれ・・
「あら・・悠ったら頬にあんこがついてる・・・」
「そうか・・・」
「とってあげる」
ちゅ・・・
「・・・・さんきゅう・・・」
「へへへ・・・どういたしまして」
時々咲耶が泣いているところを良く見る・・・・
「どうして・・・神様は意地悪なの・・・・どうして他の女の人とお兄様が結婚する夢ばかり見せるの・・・お願い・・・私を・・・ずっとお兄様のそばにいさせて・・・」
・・・心が痛くなった・・・あんなに俺のことを思ってるのに・・・俺は答えること出来ない・・・何故だ・・・兄妹だからか・・・・
「お願い・・・そばにいさせて・・・」
「悠!!こっちのお風呂広いよ!!」
壁の向こうから咲耶の声が聞こえる。
周りに誰もいないから恥ずかしくないが・・・・
少しは大人になれよ・・・・
「こっちのほうが広いぞ!!」
・・・俺も似たようなものか
俺の胸にはハートと天使の翼がくっついたペンダントがかかってる。俺の誕生日に咲耶がシルバークレイで作ってくれた物だ・・・・裏にはI LOVE YOUと刻まれている。
彼女の思いが詰まった大切な宝物だ・・・・
そして彼女の指にはビーズの指輪がはまってる・・・・
昔俺がプレゼントした指輪だ・・・・彼女もそれを大切に持っている・・・
捨てられない・・・大切な宝物・・・
俺たちは海にきていた・・・・季節はずれの海だが景色は最高だ・・・
「綺麗ね・・・・」
「そうだな・・・・」
周りには誰もいない・・・俺たちだけのプライベートビーチだ・・・
「・・・・寒い」
咲耶が少し震えながら俺に寄り添う・・・・俺はその肩にコートをかけてやる。
「・・・悠・・・」
「ん?」
咲耶がキスをする・・・柔らかい感触が唇に広がる
「あったかいね・・・」
「・・一緒だからな・・」
「うん・・・」
地平線の向こうでは太陽が沈もうとしていた・・・
時間が・・・・過ぎていく・・・
一緒に寝たときもあった・・・・朝起きたら咲耶が隣にいて何度も驚いた・・・
「いつかは・・・・離れちゃうかな・・・」
「一緒にいたいよ・・・」
「あなたの一番好きな人は・・・ちゃんよ」
うたたねしながら・・咲耶の言葉を聞いていた・・・。
胸が・・・苦しい・・・・
俺たちは喫茶店にいた・・・外は真っ暗になっている
「・・・・そろそろ・・ホテル行かなきゃ・・・」
「そうだね・・・」
「もう行くか・・・」
「まだ・・・ここにいたい」
ホテルの部屋に入った瞬間・・・俺たちは兄妹に戻らなければならない・・・そして咲耶は俺への思いを断ち切り・・・普通の妹に・・・・俺も・・・・咲耶を妹として見なければならない。
それが約束・・・・・
「お兄様と私は・・・赤い糸で繋がってるんだから」
「それがたとえ血の繋がった兄妹でも・・・」
「私たちはきっと結ばれる運命だから・・・」
「私・・・お兄様の妹に生まれてよかった・・」
咲耶の言葉が何度も蘇る・・・・
咲耶は自分の気持ちに正直に答えてるのに・・・
俺は・・・ただ聞いてるだけ・・・
答えを出さずに・・・・・
出すべきなのか・・・・出さないべきか・・・・
俺は・・・・咲耶を・・・・
タクシーがホテルについた。ロビーに行き手続きを済ませる。
部屋は・・・別々に取ってある・・・
朝起きた時に・・・兄妹であるように・・・
「本当にそれでいいのか」
自分の心の奥底でもう一人の自分が語りかける
「いいんだ・・・これで・・・」
「きっと後悔するぜ・・」
「後悔はしない・・・・このまま咲耶が一緒にいたら・・・彼女の将来を閉ざしてしまう」
「本当にそう思ってるのか・・」
「わからない・・・でも」
「お前はそうやって自分を抑える」
「・・・・・」
「本当は決まってるんだろ・・・・気持ちは・・・後は勇気を出すだけなのに・・・」
「そんな事・・・・」
「彼女も本当はそう思ってるんだ・・・お前はそれに気がついている」
「・・・・・俺は」
「後悔するぜ・・・・このまま部屋に入ったら・・」
「・・・・・・・・」
同級生の女の子といる時間よりも・・・・咲耶と一緒にいる時間が多かった・・・
両親と過ごすよりも・・・・咲耶と過ごした時間が多かった・・
他の女のこのことを考えるよりも・・・咲耶のことを考えていた・・・
喧嘩した時だって・・・・怒ってない時でも咲耶のことを考えていた
告白された時も・・・・咲耶の悲しむ顔が真っ先に浮かんだ・・・・
やっぱり俺は・・・・・咲耶のことが・・・・・
エレベーターが止まった・・・俺たちはエレベーターを降りるとそれぞれの部屋の前に立つ。この部屋に入ってしまったら・・・兄妹に・・・
「咲耶・・・入らないのか・」
「悠こそ・・・」
お互いにためらっている・・・もし・・・ここで入ってしまったら・・・
「先に入るよ・・・悠」
「ああ・・・」
ドアを開ける咲耶・・・・その目には・・・涙が光っていた・・・
俺もドアを開ける・・・・・やっぱり俺は・・・・
「咲耶!!」
「え?」
気がつけば俺は咲耶を抱きしめていた・・・・そして乱暴に唇を塞ぐと部屋の中に連れ込む。
「やめて・・・お兄様・・・」
咲耶は抵抗していた・・・・俺はそれを無視して・・・・鍵を閉め・・咲耶を抱きしめてキスをする。
「お兄様!!お願い・・やめて・・・・・おね・・が・・い」
咲耶の声が涙声になる・・・俺はそのまま咲耶をベッドに連れて行き押し倒す。
「・・・・お兄様・・」
そしてもう一度キスをする・・・・咲耶は・・・抵抗してない・・・
「悪い・・・俺・・・・もう限界だ・・・」
「お兄様・・・」
咲耶は目を潤ませて俺を見つめる
「俺が言い出したことなのに・・・・・俺から破っちまった」
「・・・・・・・」
「・・・何で押しのけないんだよ・・・」
「私も・・・・・・・こういうことを望んでいた・・・」
「咲耶・・・」
「やっぱり私・・・・お兄様のことが好き・・・」
「俺も咲耶のことが好きだ・・・・」
もう一度キスをする・・・・今度は長く・・・・そして激しく・・・
「はぁ・・・」
「・・・・いけないことしてんだな・・・俺たち・・」
「うん・・・」
「後悔しないか・・・・きっと・・・こっから先の行為をするともう元の兄妹に戻れなくなっちまう・・・」
「後悔・・・しないよ・・・」
「・・・・・咲耶・・・俺・・・・咲耶のこと絶対に守るからな・・・・世間から冷たく見られたって・・・・かまわない・・・咲耶のためなら神様だって喧嘩を売ってやる」
「お兄様・・・・」
「だから・・・俺から離れないでくれ・・・・咲耶・・・」
「うん・・・私・・どこにも行かない・・・」
「咲耶・・・愛してる・・」
「悠・・・愛してる・・」
そして俺はベットの横にある電気のスイッチを切る・・・・。
次の日・・・・俺たちは朝早くチェックアウトした・・・・
「・・・・わかんないな・・・」
「え?」
「どうして昨日あんなこといったんだろう・・・」
「え〜ちょっとお兄様!!あんな事しておいてそんなこというの?」
「・・・・冗談だよ・・・」
「も〜」
・・・・変わらないな・・・・俺たち・・・・それどころか昨日の胸の痛みが跡形もなくなくなっている。
「・・・・・咲耶」
「なに?」
「・・・・・もし俺があの時、部屋に連れ込まなかったら本当に俺のこと諦めていたか?」
「ううん・・・」
「へ?」
「だって好きなんだもん・・・」
「それだけ?」
「うん・・・」
「・・・・・・・」
「・・・・・・」
「やっぱ・・・いつもの咲耶だ・・」
「・・・どういうことよ・・・」
いつもと変わらない会話・・・いつもと変わらないしぐさ・・・その一つ一つが大切に思えてくる
「なあ咲耶・・」
「なに?」
「俺の妹に生まれて後悔してるか?」
「・・・お兄様の妹じゃなきゃこうやってお兄様と出会うことが出来たんだもん・・・後悔していないわ」
確かにそうだ・・・・
「この先どうなるんだろうな俺たち・・・」
「決まってるじゃない・・・幸せになるのよ・・」
咲耶の言うとおりだ・・・・確かに世間から見れば異常に見えるけど・・・・俺は咲耶を愛している・・・。これからも咲耶と一緒に人生を歩んでいくんだな・・・。
「そういえば叔父さんがお兄様を養子に迎えたいってお父様に言っていたわよね」
「なっ俺に家を出て行けと?」
「そうよ・・・そうしない限り私達結婚も出来ないのよ・・・」
「・・・・・そりゃそうだけど・・・子供は・・」
「それなら確か・・・兄妹でも子供はできるのよ・・・兄妹婚が遺伝上重大な疾患を産む可能性があるって話があったけど全くの俗説なんだって。だから・・・」
「そ・・・そんなんでいのか?」
もしこの世に神様がいるんなら・・聞いてくれ・・・どうか・・見守ってやってくれないか・・・静かに・・・そして・・・永遠に・・・。
あとがき・・・・
咲耶の血の繋がりがあるバージョンでした・・
ちょっと18禁になったかな?
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