|
前 戻る 次 |
夜這い大決戦
作 雄一さん
深夜・・・少女が一人、廊下を気配を消して歩いていた。
彼女の名は咲耶・・目的はもちろん兄に夜這いをかけるためである。
妹が兄に夜這いをかけるなんて・・他人が見れば「間違ってる」という意見が出そうだが咲耶本人そんな事は気にしていないようである。
「今日こそは・・お兄様と・・」
細心の注意を払い、音を立てずに目的地の兄の部屋に近づく。
(ちゃんと勉強もしたし、下着も新しいし完璧よ!!)
兄の部屋のドアの前までたどりついた咲耶は周りを確認する。
周りに誰もいない事を確認した咲耶はドアノブに手をかけた、その時・・
『パカ』
「え?っきゃああああああああああああああああ!!!」
床が開き、咲耶は一階の廊下に落ちていった。
「ふふふ・・咲耶さん・・油断は禁物ですわ」
床が閉じると天井から忍び装束に身を包んだ春歌が降りてきた。
どうやらこの仕掛けは事前に春歌が仕掛けておいたトラップのようだ。
春歌はドアに耳を当て兄の部屋の様子を探る。
中では兄がいびきをかいて熟睡していた、咲耶の悲鳴で目を覚ましたという様子は無い。
「兄君様・・・今夜こそは・・」
春歌は忍び装束を脱ぎ捨て、いつも着ている寝巻き姿に戻る。
そして兄の部屋のドアノブに手をかけて・・・
「春歌おねえたま?おにいたまの部屋で何やってるの?」
「(びくっ!!)ひ・・ヒナちゃん」
いつの間に起きたのか、パジャマ姿の雛子がクマさん人形を抱えて立っていた。
「おねえたま?もしかしておにいたまと一緒に寝るの?」
「え・・えっと・・」
「ヒナも一緒におにいたまとねる〜、春歌おねえたまもいっしょに寝よ〜」
「ダメよヒナちゃん、今兄君様は勉強中なんだから」
「?でもおへやまっくらだよ〜」
「いいのいいの・・明日プリン三つ買ってきてあげるから」
「ほんとお?」
「本当よ」
「わーいプリンだプリンだ〜」
「それでヒナちゃんは何をしていたのですか?」
「あ・・そうだ・・ヒナね、おトイレいくとちゅうだったの」
「そうだったの・・じゃあ早く行かなくてはいけないんじゃないですか?」
「でも・・真っ黒お化けさんが出てくるかもしれないし・・・春歌おねえたま・・一緒に行ってくれる?」
「え・・あ・・(滝汗)」
「ダメ?(涙目)」
「・・わかりましたわ・・じゃあ行きましょうか」
「うん、ありがとう春歌おねえたま〜」
泣く泣く春歌は兄の部屋の前から離れ、雛子をトイレに連れて行った。
その様子をじっと見つめる一つの影・・彼女の名は白雪・・。
「ふふふ・・ヒナちゃんにジュースいっぱい飲ませて正解ですの」
白雪は兄の部屋のドアの前に立つといろいろと調べ始める。
「ふんふん・・どうやら仕掛けはもう無いみたいですの」
トラップがない事を確認すると白雪はパジャマを脱ぎ捨て下着姿になる、そしてどこから取り出したかエプロンドレスを取り出し下着の上から着る。
「本当は裸にエプロンがいいらしいんですけど・・ちょっと恥ずかしいからこれで・・ふふふ〜にいさまぁ・・覚悟してくださいですの」
ドアノブに手をかけドアを開けた瞬間、白雪の表情が凍った。
「あら・・・?ここは・・・」
ドアの向こうには見知らぬ世界が広がっていた。
見た事も無い木や植物、そして不気味な鳴き声・・どう見ても人間のすんでる世界だとは思えない世界だった。
「ええっと・・ですの・・・」
予期せぬ出来事にそのまま固まる白雪・・
その時、正体不明の植物のツタが白雪の体に巻きついてきた
「きゃあああああああにいさあまああああああああ〜」
そのままドアの向こうに引きずり込まれ、白雪の悲鳴が遠のく。
「・・・安心して・・・朝になればベッドの上で目を覚ますから」
壁紙がはがれ、千影が姿をあらわす・・何故か体操着とブルマの姿で。
どうやら千影もまた兄に夜這いをかけようとしているようだ・・。
千影はドアを閉め、ドアにかけた術を解く。
そして、ドアを少し開け、部屋の中に香を焚き始める。
「これで・・・しばらくは目覚めないだろう・・・・・今日こそ兄くんと・・」
千影はドアを開け、急いで部屋の窓を開ける。
部屋に充満していた香の香りが薄れていく。
香の香りがほとんど消えると千影は兄の寝てるベッドに近づいていく。
兄は気持ち良さそうに寝息を立てている。
「さあ・・兄くん・・」
千影が兄の唇にキスをしようとしたときだった。
「!殺気!!」
「はっ!!!!」
『た!た!た!た!た!』
千影はとっさに兄から離れる、千影がいた場所に数枚の手裏剣が刺さる。
「よく避けましたね・・・千影さん」
「春歌くんか・・」
手裏剣を投げたのは春歌だった、春歌は薙刀を構え千影に向ける。
「兄君様は渡しませんわ!!」
「私だって・・・兄くんは渡さないよ・・」
「丁度いい機会ですわ・・武道が強いか、魔術が強いか・・決着をつけましょう」
「望むところだ・・」
千影もどこから取り出したか杖を取り出し、戦闘態勢に入る。
「・・行きます!!!」
「・・・風の精霊よ・・」
その時だった、窓から何かが投げ入れられ春歌と千影の足元に落ちた。
「!!これは・・」
「しまった!!!」
『ボン!!!!!!!!!』
爆音と爆風が部屋に広がる。
二人はとっさに避けたので無傷でいた。
「ふふふ・・・どう、鈴凛の特製爆弾は・・」
ベランダからレオタード姿の咲耶が入ってくる。
手には鈴凛から買った爆弾が握られており、いつでも投げられる状態だった。
「咲耶くん・・」
「忘れてましたわ・・」
「お兄様は渡さないんだから・・」
「ワタクシだって・・・今日こそは兄君様と契りを・・」
「兄くんと新しい媚薬の実験を・・・」
「お兄様の初めては私のものよ!!!」
まさに兄をめぐる死闘がはじまる・・・その時だった。
「兄や・・一緒に寝ていい?」
「(ビクっ!!!!)あ・・亞里亞ちゃん・・」
部屋の入り口にウサギさん人形を抱えた亞里亞が立っていた。
「あ・・咲耶姉や・・春歌姉や・・千影姉や・・」
「ど・・どうしたんだい?亞里亞くん・・」
「あのね・・夢でね・・大きな白いお化けに追いかけられてね・・・くすん・・だから兄やと一緒に寝たらお化けなんか出ないと思ったの・・」
「そ・・そうなんだ・・そうだ、お化けといえば千影ね」
「え・・それはどういう・・」
「そうですわ、千影さんならお化けを追い払ってくれますわ・・」
「ほんとお?千影姉や・・?」
「・・まあ・・ね・・」
「じゃあ千影姉や・・一緒に寝てくれる?」
「・・あ・・いや・・」
「だめ?くすん(涙目)」
「・・わかった・・じゃあいこうか・・亞里亞くん・・」
「ありがとう・・千影姉や・・」
千影は咲耶と春歌を恨めしそうに睨みつけると亞里亞を引っ張って部屋を出て行った。
「まずは・・一人・・」
「手加減はいたしませんわ・・」
「望むところよ・・・行くわよ!!!!!!」
「行きます!!!」
咲耶と春歌の激闘が始まる・・その時だった。(←このパターン2回目・・(汗))
『ガバ!!』
「んが・・・」
「(ビクッ!!)お・・お兄様?」
「(ビクっ!!)兄君様・・・」
突然ベッドから兄が起き上がったのだ。
驚いた咲耶と春歌は思わず武器を背中に隠す。
「お・・お兄様・・おはよう?」
「おは・・ようござ・・います兄君様」
「・・・・・の・・・は・・」
「え?」×2
「俺の・・・・・・・・る」
「寝ぼけてる?お兄様?」
「何か様子が・・」
すると兄はどこからか取り出したか「100万t」と書かれた大きなハンマーを取り出す。
「・・・え?(滝汗)」
「・・まさか(滝汗)」
「・・・俺の眠りを妨げる奴は・・ゆるさん・・・どおおおおおおりゃああああああああああ!!!!!!!!!」
兄は100万tハンマーを大きく振りかぶり、そして・・・・
『ドン!!!!!!!!』
「きゃああああああああ」
「あ〜れええええええええ」
「ふ・・ナイスショット・・・ぐう・・・・・・」
ハンマーで咲耶と春歌を吹き飛ばした兄はそのままベッドに倒れ、寝息を立て始めた。
翌日、朝食の風景には包帯でぐるぐる巻きになった咲耶と春歌の姿があった。
雄一さんへの感想はこちら
yuuiti53@hotmail.com
前 戻る 次