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お兄ちゃん風邪をひく 後編

作 雄一さん


「ふう・・・だいぶ落ち着いたな」
兄は読みかけの本を枕元に置き水を一口飲む。
ベッドの上には雛子と亞里亞が持てきたお人形が所狭しと置かれている。
そのうちいくつかは四葉と鈴凛が持ってきた・・何かが仕掛けられてるのは言うまでもない。
あれから妹達は大人しくしてるらしい、兄の病気を気遣ってるのか他に何か企んでるのかわからないが。
「にいさま〜お昼ですの〜」
「をを!!待ってました!!」
白雪が小さな土鍋をもって入ってきた。
できたてらしく、土鍋から白い湯気がほんわか出ている。
「さあ召し上がれ」
白雪が土鍋の蓋を開けたとたん、兄の顔が凍りついた。
「・・・なにこれ?」
「姫特製、ファイヤーお粥ですの」
「ファイヤー・・って」
土鍋の中には真っ赤に染まっているお粥がなみなみと入っていた。
しかも奇妙な匂いを出している、兄は恐る恐るレンゲで一口食べてみる。
「・・・・・・・ふぁいやあああああああああああああああああ!!!!」
絶叫とともに兄の口から炎が上がる。
「唐辛子をたっぷり入れましたの・・・おいしくないですの?」
「何故に・・唐辛子?」
「風邪を治すには汗をかくのが一番かと・・」
「な・・なるほど・・・・み・・水くれ・・」
「はいですの」
白雪は奇妙な色をした液体の入ったジョッキを兄に手渡す。
ジョッキに入っている物を確認せずに兄は一気に喉の中に流し込む。
「!!!!!!!があああああ!!!!!何これ・・?」
「姫特製ヒールジュースですの、栄養ドリンク各種に風邪によく効く漢方薬、それに体を熱くするためにテキーラを入れましたの」
「・・・そう・・とりあえずお水頂戴・・」
「まだお代わりたっぷりありますのに」
「結構です・・・うえええ」
その後も炎を吐きながら兄は白雪特製ファイヤーお粥を全てたいらげた。
「・・・があ・・・まだ喉の奥と舌がひりひりする・・」
『トントン』
「兄くん・・いいかな?」
「ん?千影が?」
今度は千影が入ってきた、手には無色の謎の液体が入ったコップが握られてる。
「エリクサーを作ってみたんだ・・これを飲めばすぐに治ると思うけど」
「ほほう・・・頂こうか・・・」
兄は千影からエリクサー(?)をもらうと何の迷いもなく一気に喉に流し込む。
「・・ぷはあ・・・なんか効きそうな感じの苦さだな・・まさに良薬口に苦し・・がああ!!!!」
「・・・・どうしたんだい?」
「か・・体がしびれる・・・しかも何か寒くなってきた・・・」
「やっぱり・・失敗か・・・じゃあ兄くん・・また来世・・・」
「やっぱりっておい!!!・・・おえでひっけんひゅるな!!(痺れてうまく喋れない「俺で実験するな」といってる)」
千影はしびれて動かない兄にキスをすると(本人は詫びたつもり)そのまま部屋を出て行った。
彼女の失敗作のおかげでさらに病状の悪化した兄は蒲団の中で「うーんうーん」とうなされていた。
「・・俺・・・明日の日の出拝めるかな?」
『トントン』
「やっほ〜アニキ〜」
「ん?鈴凛か?」
次に入ってきたのは鈴凛だった、手には何故か懐中電灯が握られてる。
「元気ないね・・でも大丈夫!!この治療光線マシン「ナースちゃん」にかかればすぐに治るよ」
「・・・ほんとか?」
「うん、これはね人間の治癒能力を高めるマシンなんだ」
「へえ・・・」
「じゃあいくよアニキ!!」
鈴凛はナースちゃんを構えると兄に向かって照射した。
「ほお・・なんかあたたかい光だな・・」
次第に兄の顔色が良くなってくる・・が・・
「あれ?・・なんかまた頭が痛くなってきた・・」
「え?」
ここで解説・・・鈴凛の「ナースちゃん」は人間の持つ治癒能力を高めるマシンである。
それは同時に人間の体内に潜んでるウイルスも活性化させるということにもなる。
怪我ならすぐに治るかもしれないが・・どうやら風邪には逆効果のようである。
「げほ・・げほ・・・うおい・・鈴凛・・・」
「あ・・あはははは・・じゃあアニキお大事に、治療代はアニキの口座から引き落とされるから」
「・・悪化させておいて金取るのか・・・後で覚えてろ・・」
鈴凛は逃げるようにして部屋を出て行った。
さらに風邪が悪化した兄は死にそうな顔をして天井を見つめていた。
「・・・ああ・・・時が見える・・・」
と意味不明なことを言う事もしばしば・・。
『トントン』
「あにぃ・・大丈夫?」
「ん・・衛か?」
次に入ってきたのは衛だった。
「なんか前よりも顔色がひどいみたいだね」
「うん・・いろいろあってね」
「じゃあボクいい物持ってきてあげるね」
「いいもの?」
衛はそう言うと部屋を飛び出していった。
しばらくすると衛が戻ってきた、手には何かを巻いたタオルが握られてる。
そのタオルからはかいだ事のある匂いが漂っていた。
「なんかバーベキューを思い出す匂いだな・・なんだそれ?」
「あのね・・本で読んだんだけど風邪にはネギを焼いて首に巻くのが一番なんだって」
「へえ・・俺も聞いたことがある・・」
「よいしょ・・これでだいぶよくなると思うよ」
「ありがとう衛」
「えへへ・・・早く良くなってね」
「ああ・・」
そう言うと衛は部屋を出て行った。
部屋には焼きネギのおいしそうな匂いが充満する。
ネギのおかげか、兄の顔色が少しづつ元に戻っていった。
『トントン』
「お兄ちゃん・・いいかな?」
「可憐・・なんだい?」
次に入ってきたのは可憐だった、可憐の持ってるお盆には兄がよく使っている湯飲みが置いてあり生姜のいい香りを出している。
「生姜湯を作ったんだ・・飲みますか?」
「ああ・・・ありがとう可憐・・」
可憐から生姜湯の入った湯飲みをもらうと冷ましながら少しづつ喉に流し込んでいく。
「うまい・・おいしいよ可憐」
「ありがとうお兄ちゃん・・これね、美咲お姉ちゃんに習ったんだよ」
「へえ・・・姉ちゃんが・・後でお礼言わなきゃな・・」
「うん、そうだね・・それじゃあ可憐・・そろそろいくね、お大事に」
「ああ・・はやく治すよ」
可憐は空になった湯飲みを持って部屋を出て行った。
衛と可憐の適切な治療のおかげで、だいぶ調子がよくなった兄は読みかけの本をまた読み始めた。


「もうこんな時間か・・・病気を治すには寝るのが一番と・・・そろそろ寝るか」
気がついた時にはすでに時計の針が十時を指していた。
兄は雛子と亞里亞が運んできてくれた薬を飲むと部屋の電気を消そうとした。
その時・・・
『トントン』
「ん?」
「お兄様、入るわよ」
「咲耶・・こんな時間にどうしたんだ?」
「お薬を持ってきたんだけど」
「薬?もう飲んだけど・・」
「うふふふ・・そんな市販のお薬じゃないわよ」
「?・・まさか・・服脱いで「私がお薬よ」って言うんじゃないだろうな」
「まさか・・それも考えていたけどね」
「じゃあなんだよ」
「これよ」
咲耶の手には何故かネギが握られていた。
「?焼きネギ療法なら衛にやってもらったぞ」
「そんなんじゃないわよ」
「???」
「うふふふ・・さあお兄様、ズボン脱いで?」
「やっぱりそっち方面じゃないか!!」
「違うわよ・・知らないのお兄様、ネギをお尻に入れると風邪が治るのよ(←本当です)」
「・・・・は?まさか咲耶・・」
「そのまさかよ、大丈夫よ座薬と思えば・・」
「いやじゃあああああああああ!!!!!!!!」
兄は飛び起きると速攻で部屋から飛び出した、後を全速力で追う咲耶。
結局その騒ぎを聞きつけた妹達によって阻止された。
次の朝、兄の風邪が悪化したというのは言うまでもない。

 

 

 

 

あとがき(久方ぶり)

うーん・・いまいちなかんじっすね・・
文のテンポも速すぎるし、内容もなんか・・
まあ気にしないで下さい。
次回、シリアス編で咲耶いってみよう〜
ではこの辺で。


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