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可憐の誘惑
作 雄一さん
可憐は真剣に悩んでいた・・・
「どうしたらいいのかな?」
長い間悩んでいた・・・
「どうしたらお兄ちゃんを喜ばせることができるかな?」
学校の教室で可憐は一生懸命に考えていた、そこへ可憐のお友達の裕子ちゃんが近づいてきた。腕に何冊かの本を抱えてながら可憐に話し掛ける。
「ねえ可憐ちゃん・・」
「わっ!!・・裕子ちゃん・・」
「またお兄ちゃんのこと考えてたんだぁ」
「うん」
裕子はただ一人、可憐の恋を応援してくれる優しい女の子。悩んでる可憐に色々とアドバイスをしてくれるとても頭がいい(ある世界では)子なのです。
「何を悩んでたのかな?この裕子お姉さまに教えてごらん?」
「えっとね・・・どうしたらお兄ちゃんを・・喜ばせることができるかな・・って」
質問を言い切ったとたん顔を真っ赤にしてうつむく可憐。その質問を聞いた裕子はニッコリ笑うと持っていた本を可憐の目の前に置く。表紙にはメイドの格好をした女の子や、看護婦の格好をした女の子の姿が載っていた。
「これは?」
「あのね可憐ちゃん、男の人ってこういうのが好きなんだよ」
裕子は一冊の本を取り出すと可憐の目の前でページを開いていく。
そのページを見て顔をさらに真っ赤にする可憐、時々「きゃ・・」「すごい・・」「こんなことまで」「可愛い」とつぶやく可憐。裕子が本を閉じた頃には可憐の顔は林檎のように真っ赤になっていた。そして、さっき読んだ本の内容をもう1度反芻する、とたんにさらに顔を真っ赤にする可憐、可憐には刺激の強すぎた本だったらしい。
「・・・そっか・・・でも可憐こういうお洋服持ってないし・・」
「大丈夫、私が全部貸してあげるから」
「本当?」
「うん、帰りに家によりなよ、いっぱいあるから」
その後、兄は大きな紙袋を持って家路についてる可憐の姿を見かけた。
次の日、いつものように兄は鼻歌交じりに掃除をしていた。
「お兄ちゃん」
「ん・・・のわぁ!!!!!!!!」
可憐の声が聞こえ、振り向くとそこには可憐の姿が・・・いつもと違う可憐の姿があった。
「どうしたんだそれ・・・」
「えへへ・・・似合うかな?」
いつもと違うのは・・・メイドさんの姿であること・・なおかつ猫耳がついていたことである。勿論その猫耳は、千影の魔術で出来た物ではなく、ヘアバンドを改造した偽物である。その姿に兄は思わず見とれてしまい、掃除機でバニラを吸い込みそうになった。
「・・・えっとぉ・・・」
「可憐ね、お兄ちゃんを喜ばせようと思って何がいいかなって考えてたんだ・・そしたら友達がこれを貸してくれて」
可憐はそう言うとくるりと一回転する、その姿がとても可愛らしく胸をドキドキさせる兄。
「そ・・そうなのか・・似合うよ・・・うん・・・」
「ありがとう・・そうだお兄ちゃん、可憐が掃除変わってあげるね」
そういい、可憐は兄の手から掃除機をとるとせっせと掃除を始めた。
せっせと部屋の掃除を済ませていく、掃除機をかけ終わったら次は皿洗い、棚にたまった埃を払ったり、窓を拭いたりした。
その手際のいい姿をボーっと見る兄・・決して可憐の猫耳メイドに見とれてるにあらず・・
「可愛いなぁ・・」
まんざらでもないようである、この姿を他の妹達に(特に咲耶や千影や春歌)が見てないことを祈りつつ兄は可憐の姿をじっと見守っていた。特に尻尾の生えてるスカートのあたりを・・
「うっ!!!」
突然見えた白い物が目に入り鼻を抑える兄。
(気のせいか?・・・なんかスカートが短いような・・)
そのとおりだった、メイド服のスカートの長さに基準があるかどうかはわからないが、明らかにそのスカートは短く、可憐がちょっとかがむだけで・・・
「うおあぁ!!!」
兄は情けない声を上げて鼻を抑える。
(ま・・まずい・・)
限界を悟った兄は可憐の姿から目をそらし、鼻の水門を落ち着かせようとする・・がしかし・・
「きゃあっ!!」
『どて!』
「可憐!!」
可憐の悲鳴と音に重度の心配性(かも知れない)兄は鼻の事を忘れて振り返る。
「いった〜い・・えへへ失敗失敗・・・」
「大丈・・・・」
『ぶっ!!!』
そう言い切る前に兄の鼻から熱い血汐がほとばしった。
どうやら振り返った時に目に入った白い物(前回よりもかなりはっきりと)が水門にとどめを刺したらしい。倒れた可憐の事を忘れて、兄はリビングを出て行った。
「お・・・お兄ちゃん(もしかして喜んでくれなかったのかな?)」
「はぁ・・・なんだかな・・・」
鼻にティッシュを詰め、自分の部屋で気分を落ち着かせる兄。
流石に可憐の猫耳メイドは兄にかなりの刺激を与えたようだ。
(しかし・・・あの姿を可愛いって思うとは・・・俺も男なんだなぁ)
なんてことを考えながら後で四葉に写真をとっておいてもらおうと考えてると・・
『トントン』
ドアがノックされた、さっきの様子を目撃した咲耶か?それとも援助をねだりにきた鈴凛か?なんて考えつつもドアを開けると・・・
「お兄ちゃん大丈夫?」
「か・・・可憐・・・・」
可憐だった・・しかも今回は・・・・・
「看護婦・・さん・・・」
「うん、お兄ちゃん鼻血出してたから・・看病しようかと思って」
「あ・・ああ・・ありがとう・・」
前回の教訓も生かされる事なく、兄は可憐を部屋に入れる。
「じゃあお兄ちゃん、ベットに寝てください」
部屋に入った可憐は兄を無理矢理ベッドに寝かせ、体温計を取り出す。
「あのぉ・・可憐?俺・・鼻血出ただけなんだけど・・」
「いいの、お兄ちゃんはゆっくりしてて」「あ・・ああ・・」
嫌な予感をしながらも兄は可憐の言う事を聞いてしまう、可憐は看護婦のように体温を測ったり脈を図ったり・・ついでに鼻の詰め物を取り替えていった。以前のメイド服よりはかなりマシな衣装であったので兄の気も楽であった。
「はい、これでよくなりますよ」
「ど・・ども・・」
一通りの事が終り、兄はベッドから起き上がる。
「お兄ちゃん?どうしたの?」
「あ・・トイレ・・」
「大丈夫だよ、これがあるから」
可憐は尿瓶を取り出し、ズボンのベルトに手をかける。
「わあああ!!いいってば!!」
慌ててベッドから立ち上がり部屋を飛び出す兄、しばらく廊下を走る音が聞こえたが、その後『すどべしごりゃりゃでべんぼらん!!!!!!』という音と咲耶と雛子の悲鳴が聞こえた。どうやら階段を踏み外して転げ落ちたようだ、その音を聞いて可憐の表情が暗くなる。
「お兄ちゃん・・・(どうしよう・・ちゃんとあの本のとおりにしようとしたのに)」
「はぁ・・・今日は厄日か・・・」
体中漫画のようなバンソーコーをつけた兄は、リビングでボーっとしていた。
可憐のコスプレ攻撃にかなりのダメージを受けて、身も心もボロボロの兄。
「・・・千影にお払いしてもらおうかな?」
なんてことを考えてると・・・
「可憐がお払いしてあげようか?」
「ああ・・たの・・って可憐!!」
振り返れば巫女さん姿の可憐の姿が、何か嫌な予感がする兄、そんな兄の心境を知らず無邪気な笑顔を向ける可憐。その可憐の笑顔にノックアウトされた兄、しかし最後の力を振り絞りその申し出を断ろうとする。
「・・・やっぱいいや・・」
「だめ!これ以上お兄ちゃん不幸になっちゃいやだもん!!」
「をいをい・・それに可憐・・お払いなんか出来ないだろ」
「ううん、さっき千影お姉ちゃんに聞いたから大丈夫、じゃあ行くよ」
可憐はメモ帳を取り出すとなにやら呪文を唱え出した、やな予感を覚えながらも「どうせ何も起きないだろうと」兄はなすがままになっていた。可憐の呪文は続く、その呪文をボーっとしながら聞く兄・・・だが。
(ん?何か意識が遠のいてきたような・・・)
可憐のお払い(?)は続く、兄の意識も遠のいていく・・・そして・・・
「ふう・・これで・・お兄ちゃん?」
「・・・・・・・・・・・・・」
「お・・お兄ちゃん?」
「・・・・・・・・・・・・・・」
虚ろな目の兄、可憐が何度呼びかけても兄は返事をしない。
可憐は首筋に手を当てると、脈が弱くなっていく。
体温も徐々に下がっていき、やがて氷のように冷たくなっていく。
「えっと・・千影お姉ちゃああああああああん」
可憐は事態を悟り、急いで千影を呼びにいった。
この後、千影が大慌てで兄の魂を呼び戻したのは言うまでも無い。
「・・・っは!!!ここは!!」
暗い部屋の中、兄は目を覚ました。
「えっと確か可憐が入れてくれた紅茶を飲んで・・」
どうやら紅茶に睡眠薬が仕込まれていたらしい、体を動かそうとしても体中にロープが巻かれて身動きが取れない。
「しかし・・ここはどこ?」
周りにはろうそくや木馬、拘束具、鞭数種類、赤いろうそくと兄の嫌な予感を増長させる物ばかりだった。そして目の前には・・・・
『ぶお!!』
「か・・可憐・・・(汗)」
「えっと・・女王様と・・・よんでください・・・だっけ?」
もう文には表せないほど過激な姿をした可憐が鞭を構えて立っていた。
「何か違うよね・・えっと・・女王様と呼べ!!・・じゃないよね・・」
「あのぉ・・可憐さん?」
「あ・・お兄ちゃん」
可憐はいつもの調子で返事をする。
「えっと・・男の人って叩かれると気持ちがいいんでしょ?」
「ちゃうて!!!早く解きなさいこれ!!」
「いや!!可憐・・お兄ちゃんが喜んでくれるまでやめないもん!!!!お兄ちゃん・・いくよ」
「いやじゃあああああああああああああああああ!!!!!!!!!」
その後、鞭に叩かれて悲鳴をあげてる兄と半泣きになって「女王様とお呼び!」と叫んでる可憐の姿を鞠絵と鈴凛(デジカメ装備)が発見した。
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yuuiti53@hotmail.com
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