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大人の女への挑戦
作者 雄一さん
今日もいい天気、妹が十二人いる非常識・・・・いや幸せ者の悠は台所でいつものようにおやつを作っていた。
その姿をじっと見る亞里亞、リビングでは鈴凛と鞠絵、咲耶、衛がゲームをやっている。
可憐、花穂、白雪は庭の花のお世話、四葉は図書館に、千影と春歌は夕飯の買出しに行っている。
そして雛子は・・・・・
「・・・・・」
自分の部屋でジーっと鏡を見ていた。
「どうやったら咲耶お姉たまや可憐お姉たまみたいになれるかなぁ・・・」
いつも兄のそばにいる咲耶や可憐みたいに綺麗になろうという努力をしていた。
「うーん・・・うーん」
頭を抱えながら考え込む雛子・・・そして何か思いついたように立ち上がる。
「そうだ!!お姉たまたちに聞いてみよう!!」
こうして雛子の「大人の女への挑戦」がはじまった。
雛子がリビングに入ると咲耶たちがテレビゲームに夢中になっていた。
「いっけぇ勇者悠!!クリティカルヒット!!」
「魔法使いの鈴凛ちゃん!!炎の魔法!!」
「いっけえ!!格闘家衛!!スリーヒットコンボだ!!」
「ええっと僧侶の鞠絵ちゃん・・・防御」
どうやらラスボスを倒したらしく、画面にエンディングロールが流れる。
「やったぁ!!」×4
ちょうど悠が出来たてのクッキーを持ってくる。その後ろで亞里亞が紅茶の入った盆をもって入ってきた。
「あ、アニキ。ねえねえこのゲームクリアしちゃったからさ新しいゲームを買うための援助を・・」
「この前メカ鈴凛の修理費出してやっただろう。ゲームくらい自分で買えよ」
「え〜」
「今度は恋愛物がほしいなぁ・・・ほら今度でるブラプリとか」
「あ・・それいいなぁ・・・初回限定版予約すればよかった」
「もう終っちゃったもんね予約」
そんな会話を交わしながら悠と亞里亞は人数分の紅茶を入れていく、そして砂糖を入れようとした時だった
「あ・・・あにぃ・・・砂糖いらない」
「へ?いつもなら二杯は入れるのに・・・」
「最近ちょっとね・・・」
「あら衛・・・もしかしてダイエット?」
「ち・・違うよ!!」
「そういえば衛さん少し太ったような・・・」
「え?嘘・・」
「本当だ・・・衛なんかふっくらしてる・・」
「鈴凛までそんな事いうのぉ・・・・ねえあにぃ、ボク太ったかな?」
「そんなことないと思うけど・・・でもちょっと顔が丸くなった感じが・・・」
「えー!!」
「そんなんじゃ私みたいなナイスバディにはなれないわよ」
咲耶のその言葉を雛子は四葉みたいにメモを取る。
メモ帳には「おにいたまはないすばでぃのおんなのこがすき」とかかれた。
やがて庭でお花の世話をしていた三人や、図書館から戻ってきた四葉と、買い物を終えた春歌、
千影を交えて楽しいティータイムが始まった。
今日のおやつは悠特製「マーブルクッキー」。
「うん、いつ食べても兄チャマのおやつは最高デス」
「本当・・・私もお兄ちゃんに習おうかな」
「花穂も」
「・・・・私も・・」
「そりゃあかまわないよ、女の子は料理を作れたほうがいいんだから」
その悠の言葉を雛子は聞き逃さなかった。メモ帳に「おにいたまはりょうりがつくれるおんなのこがすき」と書き込む。
「そういえば最近胸が苦しいのよね・・・」
「?どうした咲耶、病気か?」
「ううん・・・最近また胸が大きくなったみたいなの、今のブラじゃきつくて・・・新しいブラほしいなぁ・・ねえお・に・い・さ・ま」
「・・・・・あっそ」
「ちょっと・・・何よその反応は、嬉しくないの妹の胸が大きくなったことが」
「別に・・・」
「好きなくせにぃ〜・・・大きな胸が・・」
「ば・・ばか!!」
顔を真っ赤にして否定する悠。その言葉を聞いて「おにいたまはおおきなおっぱいがすき」と書き込む雛子。
「咲耶お姉さま、ちょっと下品じゃありません」
「ちょっと何よ春歌・・・私より胸ないくせに」
「兄君様はそんなことで差別をなさるお方ではありません」
「あらお兄様だって男よ、男の人って胸の大きい女の子が好きなんだから」
「そんなこと!!それでは他の皆さんがかわいそうじゃありませんか、特に千影お姉さまが!!」
「そうよね・・・考えてみればそうよね・・・なんたって四葉に負けてるんだもん」
「・・・・君たち・・・どうやらけんかを売ってるようだね・・・」
「エヘヘヘ・・・四葉は千影姉チャマより・・・・」
「・・・・黙って四葉」
千影が懐から藁人形を出して五寸釘を打ち込む
「はうぅ!!・・・ごめんなさいデス・・・・」
「おいおい千影・・・手加減しろよ・・・」
そんなほほえましい(?)会話の中、雛子の頭には「おっぱいがおおきくてないすばでぃでおりょうりがつくれるおんなのこがすき」
という目標が出来ていた。
「まずは・・・おおきなおっぱいから!!」
雛子は片手に牛乳ビンをもって叫ぶ。普段は雛子専用のカップに入れて飲むのだが、咲耶たちはビンから直接しかも一気飲みしている。
「牛乳飲めば背が大きくなるし胸も大きくなる」と咲耶が叫んでいたのを雛子は覚えていた。
早速蓋を取り、牛乳を飲み始める雛子。
「ごくごくごくごくごくごくごく」
ビンの中身が半分以上減ったところで事件がおきた。
「ごくごくごくごく・・・・ん!!」
思わず飲むのをやめる雛子。
「く・・・くるしい・・・」
飲むペースの遅い雛子にはどうやら一気飲みは無理なようだった。急いで深呼吸をする雛子。
「はあ・・・・これじゃあ咲耶お姉たまみたいになれないよ・・・・」
仕方がないので大きなおっぱいを後回しにする雛子。
「おにいたまはないすばでぃがすき!!」
雛子の次の目標はナイスバディの女の子(胸を除いて)に切り替わった。
その日の夕食・・・・献立は白雪特製「鳥のからあげのミートソースかけ」雛子の大好物だ。
「さあ召し上がれ」
「いただきまーす」×11
楽しい夕食が始まる、しかし・・・・・・
「がまんがまん・・・」
雛子はじっと大好物を見て食べるのを我慢していた。
「こういう食事って結構太りやすいんだよね・・・」
かつて鈴凛がそう言っていたのを雛子は覚えていた。
「がまん・・・がまん」
じっと見つめる雛子・・・しかし・・・
「一口ぐらい・・・」
といってから揚げを一つ食べる。
そして「あともう一口・・・あともう一口・・」と言いつつ雛子は大好物のから揚げをたくさん食べてしまった。
「ごちそうさまでした!!」
大好物を食べ終え満足した表情をする雛子。
すでに「ないすばでぃなおんなのこ」という目標はどっかに行ってしまったようだ。
「おにいたまはりょうりがつくれるおんなのこがすき」
次の日、雛子は悠と白雪に「おやつを作りたい」といった。
「大丈夫ですの?」
「まあこれも経験だからな・・・困ったことがあったらすぐに呼ぶんだぞ」
「うん!!」
そして雛子は悠と白雪を台所から追い出すと早速ホットケーキを作り始める。
「えっとぉ・・・卵を割って・・・牛乳を混ぜて・・・うんしょうんしょうんしょ・・・」
一生懸命にホットケーキの生地をかき混ぜる雛子。
「よーし・・・あとはやくだけ・・・」
フライパンに火をかけ、油をしく。そして生地を流し込んでいく。
「うふふふ・・・これでよし」
「ヒナちゃん、「魔法使いのKAHOちゃん」が始まるよ」
リビングで亞里亞が雛子を呼んだ。
「え?ほんとう?」
雛子はフライパンに火をかけたままリビングに走っていく。
「わーいはじまるはじまる!!」
ホットケーキのことを忘れてすっかりテレビに夢中になる。台所では火にかけたままのフライパンから黒い煙が出てきた。
「・・・ねえヒナちゃん・・・なんか変な匂いがする・・」
「え?ほんとうだぁ・・あああ!!たいへん!!」
雛子は急いで台所に戻る・・・・無残にもホットケーキは炭化してしまい食べられる代物ではなくなってしまった。
「わーん!!これじゃあこれじゃあ・・・」
思わず泣き出してしまう雛子、その鳴き声を聞きつけて飛んでくる悠。
「どうしたんだ・・わ・・焦げてるじゃないか」
「うううう・・おにいたま・・・ごめんなさい・・・」
「あーあ・・こんなに焦げちゃって・・・」
「うえーん・・これじゃあおにいたまにきらわれちゃうよぉ・・・」
「?嫌いになるわけないじゃないか・・どうしてそんなこというんだいヒナ?」
「だって・・・おにいたまはむねがおっきくて、ナイスバディで、料理の作れる女の子がすきなんでしょう?」
「そんな事ないぞ・・・」
「え?」
「雛子は・・・雛子のままでいいんだから、な・・・」
「本当?」
「ああ・・・」
そういうと悠は雛子を抱きしめてやる。
「おにいたま・・」
「だから・・あまり無理するなよ」
「うん・・おにいたま・・大好き!!」
雛子は泣き止むと悠にキスをする。
「じゃあ早く二枚目を焼こうか」
「うん!!」
こうして雛子の「大人の女への挑戦」は終った。
あとがき
雛子のSSでした。
子供っぽさを全開にしてみましたけど
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