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甘い罠?

作・雄一さん




俺は車を走らせていた。
隣にはウエディングドレスを着た妹の亞里亞が座っている。
行く当てはない。
ただひたすら走っていた
(・・・・・やっちまったな・・・でも後悔はしないぞ・・・)




「兄や?兄やどこ?」
亞里亞が俺を探している。俺は木の上から返事をする。
「ここだよ・・・亞里亞」
「あ!兄や」
亞里亞が俺のもとに走ってくる。・・・・・おいおいそんなドレスを着て走ると・・・
どた!!
ほら転んだ・・・・
「ううううう・・・」
「あっ亞里亞大丈夫か?」
倒れた亞里亞を起こすため木から飛び降り駆け寄る。
「大丈夫か?」
「くすん・・・痛いの・・・」
「じいやにも言われただろ・・・・走るなって」
「でも兄やが・・・」
「・・・・俺はどこにも逃げないから・・・な」
「うん」
俺は亞里亞を抱きしめ頭をなでてやる。



妹の亞里亞はフランスからきた。数年前、フランスにいる父親から電話で「再婚した」と聞いた時にはあまり驚かなかったが・・・・さすがに妹ができると聞いた時はびっくりした。そして日本に来ることも・・・・・
「はじめまして・・・・意地悪な継母よ」
・・・結構仲良くやっていけるかも。義母の沙梨亜とはじめてあった時の印象だった。その義母の後ろで隠れていた一人の少女が亞里亞だった。
「ほら・・・亞里亞・・・お兄ちゃんにご挨拶は?」
「・・・・・え・・と・・」
「緊張しないの・・・教えたとおりにすれば・・・」
「うん・・・」
すると亞里亞は僕の元にかけより・・・・頬にキスをする。
「なっ・・・」
「は・・・はじめまして・・・・あ・・・亞里亞はフランスからきました・・・」
「あ・・ああ」
もしかして義母から教えたことって・・・キスのこと?
「あの・・・兄やは怒ったりしない?」
「へ?」
「じいやはいつも亞里亞の事怒るの・・・」
じいや・・・・ああ柴崎のことか・・・。俺も小さいころお世話になったけど・・・うーん確かにあれは怖い。
「大丈夫だよ・・・俺はじいやとは違うから」
「ホント?」
「ああ、約束する」
俺は亞里亞の頭をなでてやる。さらさらの銀髪・・・・まるで人形のようだ。
「よろしくな・・・亞里亞」
「はい・・・兄や」
こうして俺たちは一緒に暮し始めた。


「で?どうしたんだ?」
ドレスについた土を払ってやり、木の根元にハンカチを敷いて座らせる。
「あの・・・・じいやが野菜を食べなさいって怒るの」
「・・・・・まあそりゃ怒るな・・・・昔俺も野菜残すと怒られたっけ・・・」
「兄やも?」
「ああ・・・でも今では克服したけど・・・」
「・・・亞里亞も食べれるようになる?」
「努力しだいだな・・・」
「うん・・・亞里亞頑張る・・。」
「ああ・・頑張れ」
「うん・・ありがとう・・・兄や」
そういうと亞里亞は俺の頬にキスする。はじめてあった時から習慣になってしまったらしく、亞里亞は何かあるたびに俺にキスをする。さすがに柴崎の目の前ではしないが・・・。きっと見られたら「はしたない!!」と怒るだろう。初めは亞里亞のこの行為に戸惑った俺だが、だんだんと慣れてしまったようで・・・・。最近では俺からもキスするようになった。
「ねえ・・・兄や・・木に登って何していたの?」
「ああ、巣箱を取り付けていたんだ?」
「巣箱?」
「ああ・・・鳥の家だよ・・・巣が作りやすいように・・・ほら・・上を見てごらん」
亞里亞は俺の指差した方向を見る。そこにはさっき俺が取り付けた巣箱があった。
「まだ鳥はこないけど、もう少ししたらここに鳥が来て中に巣を作るんだ、そして卵を産んで、可愛い赤ちゃんが生まれるんだ」
「うわぁ・・・本当・・・兄や」
「ああ本当さ・・・そして子供が成長するとみんなここから旅立つんだ」
「いなくなっちゃうの・・?」
「ああいつもでもここにはいれないからな・・・・遠い国へ旅立つんだ」
「・・・・・寂しい・・」
「しょうがないさ・・・みんないつかは旅立つんだ」
「兄やは・・?兄やもどっかいっちゃうの?」
「へ?」
「だってみんないつかは旅立つって・・・・・くすん・・・兄やはどっかいっちゃうの?」
「・・・・大丈夫・・・俺はいつも亞里亞の隣にいるよ」
「本当?」
「本当・・・」
俺は亞里亞の頭をなでてやる。・・・でもいつかは亞里亞も旅立っていく。その間だけでも亞里亞の隣にいてやりたい。俺はそう思った。
「ありがとう・・・・兄や」
喜ぶ亞里亞の頬に俺はキスをする。亞里亞の顔がぼうっと赤くなるのがわかる。
「亞里亞様!!」
遠くから柴崎の声が響く。どうやらそろそろお昼寝の時間らしい。
「ほら・・・呼んでるぞ、じいやが鬼になる前に行かないと。」
「うん・・・・じゃあね・・兄や」
亞里亞は立ち上がり屋敷へ走っていく。
「転ぶなよ・・」
「うん・・・・」
やがて亞里亞の姿が見えなくなる。俺も立ち上がり屋敷の戻ろうとする。
「悠さん」
「あ・・・お義母さん」
いつの間にかそこには沙梨亜さんがたっていた。
「仲いいのね・・・」
「はあ・・・」
「それはそれでいいけど・・・・いいわね亞里亞は・・・素敵なお兄さんがいて」
「お義母さんだって・・・親父がいるじゃん」
「そうね・・・・ベットと看護婦とお医者さんがついていなければね」
「・・・親父の容態・・・悪くなったんですか?」
「ふふふ・・・大丈夫よ・・・まだ三十代の元気だって・・・」
「いつまで三十代でいられるのやら・・・」
「そうね・・・・・・せめて・・・亞里亞が結婚するまでは生きてほしいわ」
「・・・・・結婚か・・・」
「悠さん恋人は?」
「・・・・いません・・・」
「そう・・・どお?いっそうのこと亞里亞をお嫁さんにしたら」
「え?」
「うふふふ・・冗談よ」
「・・・・冗談ですか・・」
「・・・あら残念?」
「いえ・・・・」
このお義母さん、時々とんでもないことや、奇妙なことを言って周りを驚かすことがある。俺も何度その発言に驚かされたか・・・。
「あら・・もうこんな時間・・それじゃあ悠さん、これから出かけてきます」
「え?どちらに?」
「会議よ・・・最近の年寄りは会議が好きなのかしら」
そういうと玄関のほうに走っていく。再婚した時一番初めに気がかりなのは親父の会社の重役達だった。親父が病にふせってる今会社を運営しているのは沙梨亜さんだ。重役達からすれば他人に会社を運営させるわけにはいかないという心境だろうけど・・・あの沙梨亜さんの性格が功を奏してかうまくいってるようだ。大物なのか・・・それとも・・・
「さてと・・・・俺は屋敷に戻るか」
俺は屋敷の自室に戻ろうとした。
「悠様」
しかし屋敷に入ったときに柴崎に呼び止められる。なんだろう・・・・こういうときのパターンは・・・パターンその@説教、パターンそのA説教・・・(以下省略)・・・・説教しかないな・・・。どうせ「そろそろ将来のことを考えてください」とか言うんだろ・・。考えてるぞ俺は・・・・将来は・・・・
「作家になる・・でしたな」
「のわっ!柴崎驚かすな」
「先ほどからここに・・」
「そうだったな・・・」
「・・・もう少し現実味のある職業をお考えになっては?」
「親父の後を継げって言うんだろ・・・親父が継がなくてもいいっていってるんだからいいんじゃないか。」
「しかし作家は・・・」
「大丈夫だよ・・・・昨日出版社から電話があったんだ・・・書いてみないかってね」
「はあ・・・ですが」
「いい加減にしろよ・・・・わけわかんないけど親父が「自分の好きにやってみろ」って言うんだから・・・・そりゃあ親父の財産なら一生遊ぶことだってできるけど・・・俺は働きたいんだ・・・そこらのフリーターと一緒にしないでくれ」
「そうですな・・・いや・・悠様もご立派になられて」
「はあ・・・そういえば亞里亞が野菜を残したって?」
「はい・・・にんじんを残しましたので・・・」
「無理やり食べさせても好き嫌いは克服しないぞ・・・」
「ですが・・悠様は克服なされた」
「・・・・そりゃそうだけど・・・なあ柴崎、今日のおやつはまだ作ってないよな」
「はい・・・何か?」
「俺が作る」
「悠様が?」
「ああ、俺にいい考えがあるんだ」
俺はそういうと台所へと向かった。


「亞里亞様、おやつの時間です」
「じいや・・・きょうのおやつなあに?」
「はい・・・今日は悠様がケーキをおつくりになったので」
「兄やが?」
「はい」
「亞里亞」
「あっ兄や」
俺はケーキの乗った皿をテーブルに置く。皿の上にはオレンジ色の大きなケーキが乗っかっていた。これが俺の作った亞里亞へのおやつだ。ケーキを切り分けて亞里亞の目の前に置く。
「兄や・・・これなあに?」
「食べてみろよ・・・おいしいぞ」
亞里亞は恐る恐るケーキにフォークを入れ、一口食べる。
「・・・なんか不思議な味・・・でも甘くておいしい」
「そうか・・・今日はたくさん食べていいからな・・・じいやも許可してくれたし」
「ほんと?じいや?」
「はい・・・どうぞ・・」
「ありがとう兄や」
亞里亞は無我夢中でケーキを食べる。
「柴崎も食うか?」
「私もですか?」
「ああ・・・ちょっと作りすぎちまって」
「そうですか・・・では私も頂きます」
柴崎の分も切り分けてやりみんなで特製ケーキを食べる。
「ほう・・・おいしいですな」
「じいやもそう思う?」
「ええ・・・これはいったい何のケーキですか?」
「それは食べ終わってから教えてやる。」
俺はあえて答えを言わない。ここで答えをいったらびっくりさせる意味がなくなってしまう。やがてケーキを食べ終え紅茶で一息つく。
「ねえ・・・兄や・・・このケーキは?」
亞里亞がたずねてくる。
「このケーキの名前は「キャロットケーキ」・・・どういう意味かわかるか・」
「キャロット・・・ケーキ?」
「おお・・・そうでしたか・・さすが悠様」
「え?なに?」
「このケーキはにんじんで作ったんだ」
「ええっ!本当?」
亞里亞はにんじんと聞いて目を丸くした。かわいい・・・・
「ああ、にんじんをすり潰してケーキの生地に混ぜたんだ」
「・・・・にんじん・・・」
「まずかったか?」
「ううん・・・・・おいしかった・・・」
「にんじん嫌いになったか?」
「・・・・・ううん・・・好きになれそう・・・」
「そうか」
「兄や・・・凄い・・・・まるで魔法使いみたい」
「ありがとう・・・というわけだ柴崎・・今日の夕食は亞里亞にいっぱいにんじんを食べさせてやれ」
「はい、かしこまりました」
柴崎は空になった皿を片付けはじめる。
「・・・・・ありがとう・・・兄や・・・亞里亞にんじん好きになれました」
「そうか・・いっただろ、頑張れば食べられるって」
俺は亞里亞の頭をなでてやる。
「亞里亞・・・決めました・・・」
「ん?何を?」
「・・・・亞里亞・・・兄やのお嫁さんになりたい・・・・」
ぶっ!!
思わずむせてしまう。なっ何ですと?どうしてそこまで進展する?・・・・パクリか?(あの日の〜を参照)
「あ・・亞里亞・・今なんて」
「・・・・お嫁さんになりたい・・・・だめ?」
「そ・・・そんなことないけど・・・」
ああびっくりした・・・やっぱり沙梨亜さんの子だ・・・・
「くすん・・・だめなの?」
亞里亞が泣きそうになる。
「そんなこと・・・ないぞ・・・うん」
「じゃあ・・・いいの?」
「・・・ああ・・」
「嬉しい・・・」
亞里亞の顔が喜びで満ち溢れる。・・・・・そうだな・・・亞里亞をお嫁さんにするってのも悪くない。柴崎は台所で洗い物をしていない。俺は思わず亞里亞を抱きしめ頬にキスをする。亞里亞の顔が真っ赤に染まる。本当に可愛い・・・
「これからも亞里亞にいっぱいお菓子作ってね兄や」
亞里亞は胸の中で幸せそうにそういった。





「兄や?どうしたの?」
「ん?いや別に・・・」
俺は車を止める。周りには建物がない。車の行き来もあまりない・・・どうやらかなり遠くへ来てしまったらしい。
「・・・・兄や」
「ん?」
「嬉しい・・・だって亞里亞のこと迎えに来てくれたもん」
「・・・・・よせやい」
「今ごろお母様怒ってるのかな・・・・じいやも・・・」
「ああ・・・帰れなくなっちゃったな」
「うん・・・でも亞里亞後悔しないよ」
「俺も・・・」
・・・・そう・・後悔しないって決めたんだ・・・。


「結婚・・・・」
「うん・・・・亞里亞結婚しちゃうの」
突然の一言に俺は呆然とした。亞里亞が16歳になったばかりのころだった。以前から亞里亞にはいろんな縁談があったのだがそのうちの一つ・・大企業の社長の息子と婚約が決まったらしい。それを聞いて俺はびっくりした。相手は32歳・・・・どっからどう見ても政略結婚だった。俺は正直言って納得できなかった。・・・・やっぱり沙梨亜さんは意地悪な継母だったのだ。
「兄や・・・・」
「そうか・・・・で?いつなんだ?」
「来月の5日・・・・・フランスで式を・・・」
「わかった・・・・・」
「兄や・・・・」
「ん?」
「・・・・なんでもない」
俺は何も言わず自室に戻った。胸になんかぽっかりと穴があいた感じだった。こうも早く旅立ちが来るのか?俺は窓の外を見た。外の木には去年亞里亞と俺が作った巣箱が仲良く並んでいる。
「みんないつかは旅立つ・・・・か・・・こんなに早いのか・・・」
巣箱には既に鳥が住んでおり中には可愛い雛が親鳥と一緒に住んでいる。雛鳥といっても姿はもう大人だ・・・・彼らもいつかこの巣箱から旅立っていくのだ。
「はあ・・・・・・・・・でも俺は・・兄・・だからな・・・」
時間は待ってくれなかった。あっという間に時が過ぎ・・・・亞里亞と沙梨亜さんはフランスへ飛んだ。俺も・・・・式の2日前にはフランスに向かう事になっている。そして式を明日に控えた夜・・・・俺はフランスのあるホテルに泊まっていた。
プルルルルル
突然電話が鳴った。
「・・・もしもし?」
「・・・・兄や?」
「その声・・・亞里亞か」
「うん・・・」
「明日だな・・・・式・・」
「うん・・・あのね・・・兄や・・・」
「ん?」
「・・・・亞里亞・・結婚したくない・・・」
「・・・亞里亞・・・」
「亞里亞・・・兄やのお嫁さんになりたい・・・」
「・・・・ダメだよ・・・俺たちは・・」
「・・・・・亞里亞・・・待ってるから・・・」
「・・・・・」
「だから・・・・迎えに来て・・・」
最後はほとんど涙声だった。心が痛む・・・・。本当にいいのか・・・これで・・・彼女は望んでいない相手と結婚するんだぞ・・・・。でも相手は亞里亞のことを大切にしてくれるかもしれない・・・。でも・・・・
「亞里亞・・・・俺・・・でも・・・・」
何考えてんだろ・・・俺・・・泣いてたじゃないか亞里亞・・・・なら答えは一つだ!!



「亞里亞!!」
俺は教会の扉を思いっきり開ける。
「!!!」
中にいた人々が俺に注目する。
「悠さん?」
沙梨亜さんも俺に気がつく。教会が騒がしくなる。俺はそんなことをお構いなしに亞里亞の元へ駆け寄る。
「亞里亞!!迎えにきたぞ!!こい!!」
「兄や・・・・うん!!」
亞里亞は新郎の手を離すと俺の元に駆け寄る。
「悠様!!亞里亞様!!」
柴崎が叫ぶのが聞こえる。俺はそれを無視する。
「さあ行こう亞里亞。」
「はい」
俺は止めようとする人々を振り切り、亞里亞を教会の外につれだしエンジンをかけておいた車に乗り込む。そして思いっきりアクセルを踏み車を発進させる。これが・・・・俺の出した答えだ。



「あらあら・・・・思い切ったことしてくれちゃって・・」
沙梨亜は車が走った方向を見る。車はもう見えない。
「奥様・・・追いかけませんと」
柴崎が切羽詰った表情をする。
「あら・・・いいのよこれで・・・」
「へ?」
「みなさーんお疲れ様」
するとそこにいた客全員が拍手をする。新郎までも・・・・柴崎は何がなんだかわからないと言う表情をする。
「まったく・・・こんなことをしなくても良かったんじゃないか」
沙梨亜の隣に一人の男が歩み寄る。
「あら・・・そうかしら・・・ロマンチックなほうがいいと思ったんだけど」
「しかしな・・・」
「いいじゃないの・・・・こうしてあの子達幸せになったんだから」
「・・・そうだな・・・」
「ふふふ・・・さてそろそろ種明かししないと・・・ね、お兄ちゃん」
「何年ぶりだろうな・・・・そう言ってくれたのは・・・」
「さあ・・・もう忘れちゃった」
沙梨亜はそういうとバックから携帯電話を取り出した。





携帯がなった・・・・きっと沙梨亜さんからだろう・・・俺は携帯を取り出すと車の外に出て電話に出る。
「もしもし・・・」
「はあぁーい意地悪な継母よ」
がくっ!!思わず転びそうになる。
「・・・・お・・お義母さん?」
「ピンポーン大当たり」
「・・・何の用ですか?いっておきますけど俺は亞里亞を・・・」
「ストーップ、そんなことより・・・」
「そんなことよりって・・・・あんたな・・・」
「まあ聞きなさい、これから重大発表があるんだから」
「重大発表?」
「そう・・・・じつは私・・・・あなたの叔母さんなの」
「??????は?」
なっどういうことだ?お義母さんが叔母さん?
「え・・・・と・・・・ああああああ!!」
思い出した・・・確か親父には妹がいたって話・・・聞いたことある。でも・・・
「でも確か・・・死んだって聞きましたけど」
「失礼ね・・・こうやって生きてるわよ・・・まあ死んだお父さんから見れば家出した娘だもん・・・」
「い・・・家出?」
「そう・・・昔・・・ね・・ちょっとしたいざこざがあって家を出たの・・そしてフランスに渡って・・・・亞里亞の父親と結婚したの」
「・・・・・・・」
「でもその人死んじゃってね・・・・・その時、兄と再会したの。」
「・・・・でもなんで結婚したって嘘ついたんですか?」
「あら・・・結婚したのは事実よ・・・私達血が繋がってないもの・・・」
「そ・・・そうなんですか」
「そう・・・そして考えたの・・・せめて自分達の息子や娘ぐらい・・・幸せに結婚させたいって。そこで考えたのが「禁断の愛を咲かせましょう計画」なわけ」
「・・・・何ですかそのタイトル・・・」
「これは今考えたの・・・亞里亞は一人っ子でいつもお兄ちゃんがほしいって言っていたの。そこにあなた・・・悠さんの事を教えたらとっても喜んでね・・・これはいけると思ったの」
「・・・・・もう・・・なんもいえません・・もう何聞いてもびっくりしないぞ!!」
「そして最後の仕上げは二人を結ぶこと・・・・丁度知り合いが協力してくれてね・・・あそこにいたお客さん・・・みんなエキストラ・・・・ちなみに新郎は私の知り合い社長さんの息子。彼、奥さんと子供いるのよ」
「はいはい・・・そうですか・・・」
「そして最後はあなたがくるを待つだけ・・・・こっちははっきりいって賭けだったわ・・もしこなかったら本当に結婚させてたかも・・・」
「まじですか?」
これにはびっくりした。良かった・・・結婚式乱入して・・・
「でも・・・あなたは来てくれたわ・・・正直・・・ほっとしてるわ」
「・・・・・・・・」
「柴崎や兄には私から言っておくわ・・あなたたちは・・・旅行でもしてなさい。」
「・・・・・簡単にいてくれますけど・・・そんなお金どこに・・・」
「言うの忘れたけど・・・あなたの口座にいくらか入れておいたわ・・」
「は?」
「あと車のトランクには亞里亞の着替えとパスポート、それから結婚指輪を入れておいたから・・・」
「・・・・・いつの間に」
「企業秘密よ・・・」
「・・・・そうですか・・」
「じゃあ元気でね・・・日本にもちゃんと帰ってきなさいよ」
そういうと彼女は電話を切った。とたんに体中から力が抜けた・・・結局俺たち・・・叔母さんたちの手の上で遊ばれていたってことか・・・・?
「兄や?どうしたの?」
ウエディングドレス姿の亞里亞が車から降りてくる。
「なんでもない・・・・」
「?????」
・・・なんか・・・叔母さんに騙されたような・・・・でも・・
「兄やどうしたの?」
亞里亞と・・・幸せになることが出来たんだから・・・・結果オーライだな・・・。俺は車のトランクを開ける。確かに旅行用トランクがあり中には着替えやパスポートがあった。そして俺は目的の物を探し出す。
「これか・・・・」
「なあにそれ?」
「指輪・・・・なあ亞里亞・・」
「なに?」
「結婚しよっか・・」
「うん。」
俺たちは左の薬指に指輪をはめる。そして・・・・
「亞里亞・・・・愛してる。」
「亞里亞も・・・兄やのことを愛しています。」
そして誓いのキスをする。柔らかい感触が唇に広がる。
「・・・・・なんか・・・照れるな・・・」
「はい・・・」
そして亞里亞は幸せそうに微笑み・・・
「兄や・・・ずっといっしょにいてくださいね」
といった。無論・・・・僕も依存はなかった。この大切な人を一生守りつづけることを胸に誓って。







あとがき
亞里亞のお話でした・・・・
また成長させてしまいました・・・・
16歳の亞里亞か・・・想像つかないな・・・
タイトルと内容の関係ですが・・・
僕にもわかりません・・・
次回予告!!
・・・千影か鞠絵のお話を書きたいと思います。
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雄一さんへの感想はこちら
yuuiti53@hotmail.com
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