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「結婚・・・」
私はショックを隠せなかった、でも・・・いつかこの日が来るとは思っていた。
「ああ、やっと親父たちを説得できたよ・・・これで春奈さんを幸せにできる・・」
「そう・・おめでとう、お兄ちゃん・・」
「可憐?」
「よかったね、春奈さんを幸せにしてあげて・・」
私はお兄ちゃんに祝福の言葉をささげた・・・でも・・
可憐の本心は・・・・
アンジェのキス
〜可憐〜
作 雄一さん
「やっほ〜可憐ちゃん」
「春奈さん・・」
結婚の事を聞いてから数日後、私は春奈さんとい一緒に買い物に来ていた。
私はあまり乗気じゃなかったけど、強引に春奈さんが約束を取り付けてきて、でも断る理由もなかったから・・
「ん〜いい天気、今日は絶好の買い物日和ね」
「そうですね・・」
「・・・テンション低いな〜、ほら元気だしていこ」
春奈さんは私の手を引っ張り、すたすたと歩き始める。
どうして可憐は・・・この人と一緒にいるんだろ、歩きながら私はそう考えていた。
この人はお兄ちゃんの先輩で、お兄ちゃんの恋人・・・なのに可憐のこともいろいろと気にかけてくれる。この人ならお兄ちゃんをあげてもいい・・そんな風にも考えていた。でも実際に結婚って聞くと・・・胸が痛くなってくる、やっぱり私は・・お兄ちゃんの事を離したくないのかもしれない、そろそろお兄ちゃん離れしなきゃいけないのに。
「可憐ちゃんはこの服が似合うんじゃないかな?」
「そうかな?でもちょっと派手な気がする・・」
「なにいってるのよ、最近の若い子はこういうのが好きなんじゃないの?」
「でも・・」
「こんど裕輝とデートするときに着て行ったら?」
「う・・・ん・・」
可憐のお兄ちゃんはとても優しい、すごくカッコいいという訳でもなく、頭がいいってわけでもない、でも可憐にとっては素敵な王子様。そんな優しい性格だから、春奈さんという素敵な恋人ができたのかもしれない、お兄ちゃんに恋人ができたとき、私はお兄ちゃん離れするいい機会だと思っていた。でも、お兄ちゃんへの思いは募るばかり、いつもましてお兄ちゃんのことを考えてしまう。
「ジャンボパフェに挑戦・・・賞金一万円・・」
「春奈さん・・・挑戦するの?」
「可憐ちゃんは挑戦しないの?」
「うーん」×2
春奈さんがいるのに、お兄ちゃんは可憐ともデートをしてくれる。
可憐がお願いする前にお兄ちゃんはデートコースを考えて、そして可憐を連れて行ってくれる。春奈さんと一緒に行けばいいのに、可憐はお兄ちゃんに聞いてみた、そしたら・・・
「可憐との約束だからな・・・一緒にいるって」
確かに、小さいころ「お兄ちゃんとずっと一緒にいたい」とお願いしたけど、それは小さいころのことであって、今考えてみればかなうはずもないお願い、でもお兄ちゃんはその約束を守ってくれている。
「うく・・・・負けた・・」
「どうしよう・・・勝っちゃった・・一万円・・」
可憐はお兄ちゃんが好き、大好きなお兄ちゃんだから・・お兄ちゃんには幸せになってほしい、お兄ちゃんが幸せになってくれれば、可憐もとっても幸せになれる。ただそれだけで十分、それだけの幸せで十分なの。
「ふー遊んだ遊んだ」
「うん・・」
可憐と春奈さんは一通り遊んだあと、川辺の土手に腰を下ろした、土手には他にもデート中のカップルが大勢座っていた、なんか羨ましいなぁ、可憐もお兄ちゃんと・・
「・・・・お兄ちゃん」
「・・あーあ、がっかりねぇ」
「え?」
「私のライバルがこんな弱気な子だなんて・・」
「ら・・・ライバル?」
ライバルって・・・その言葉なんか違う、私はお兄ちゃんの妹で、恋人なんかじゃないし・・
何変なことを言ってるんだろう、私は「私はあなたのライバルじゃない」と言おうとした、でも・・・春奈さんはその隙を与えずにどんどんと喋っていく。
「何?血が繋がっているから結ばれない?そんなの関係ないじゃないの、愛さえあればどんな障害でも乗り越えられるのよ、別に子供を生んで暮らすことが一番の幸せじゃないわよっ!!好きな人と一緒にいることだって一番の幸せじゃない?」
「で・・でも・・」
「男と女である限り、愛は生まれるのよ!!血のつながりに関係なく!!!」
「・・・・私は・・」
春奈さんの猛攻に可憐は反論することができなかった、ただ春奈さんの静かに聴くことしかできなかった。確かに子供を生んで家庭を作ることが一番の幸せだとは限らない、一緒にいるだけでも幸せになれる・・・でも、可憐は・・・やっぱり可憐以外の誰かと幸せになってほしい、可憐だってお兄ちゃんと一緒にいたいし、大きくなっても、お年寄りになってもお兄ちゃんの傍にいたい、でもそれは可憐の我侭・・・私の我侭でお兄ちゃんを縛り付けたくない。自分でもわかってる、思いを押さえつけているって、この我侭をかなえたいって、でもね・・・春奈さんとお兄ちゃんを見て決心したの、絶対にお兄ちゃん離れをするって、もうお兄ちゃんに甘えないって・・・お兄ちゃんとのデートももうやめるって・・・・
「私は・・お兄ちゃんの事なんか・・」
「・・・思いを抑えているとね・・・取り返しのつかないことがおきるのよ・・」
「え?」
「もう・・・六年前のことよ・・私にはね・・・お兄ちゃんがいたの・・・義理のね」
そう・・・忘れもしない、六年前のあの日、私は兄を・・・悠を失ったの。
私とお兄ちゃんは仲のいい兄妹だったわ、近所の人が羨ましがるくらいに、そして学校のみんなが恋人同士と間違えるくらいに、でもね・・どんなに見間違えられても私たちは兄妹でしかなかった、兄は私の事を妹としか見ていなかったけど、私は・・・可憐ちゃんみたいにお兄ちゃんの事が好きだったの。好きで好きでどうしょうもなくて、思いを抑えてるのがやっとだったの。でも・・・私は決心した、お兄ちゃんに告白しようって、どんな返事でも後悔はしない、ありったけの思いをぶつけよう、そう思って兄をデートに誘ったの。
「でもね・・・兄は来なかった・・・」
約束の時間が来ても兄は待ち合わせの場所に来なかった、ドタキャンされたかな・・そう思ったとき、携帯に両親から電話が入ったの・・・兄が・・交通事故に巻き込まれたって。
私は急いで兄の入院している病院へ走ったの、病室に入ると・・・兄は生命維持装置に繋がれていたの・・・命は取り留めたけど・・・植物状態になって・・。
呼びかけても呼びかけても・・・兄は眠ったままだった・・その時、警察の人から・・兄の荷物を受け取ったの・・・その中に・・小さな箱があったの・・、箱の中には・・指輪が入っていて・・・裏には・・
「『Y TO H』・・・悠から春奈へ・・・結婚指輪だったの・・」
兄は・・・私に結婚を申し込むつもりだったの、兄は私の事を一人の女性としてみていた、兄は私を・・・・もし・・告白が早ければ兄の決心も早くついたかもしれない、事故にあうことなく、待ち合わせの場所に来て・・この指輪を渡したかもしれない、そして・・・
「私の幸せはもっと別な場所にあったかもしれない・・・」
「春奈さん・・・」
「兄はその後・・容態が悪化・・・逝ってしまったわ・・それからは無気力な日が続いて・・そして・・祐輝と出会ったの・・」
「お兄ちゃんと・・」
「ふふ・・・兄とはまったく違うタイプだけど・・彼を好きになるのに時間はかからなかった、そして・・・貴女とであったの・・昔の私とそっくりな可憐ちゃん」
「私?」
「そう、昔の私そのままよ・・・だからね、油断できないのよ、いつ祐輝が取られちゃうか・・って心配してたけど・・これじゃあ・・」
もう・・取り返しのつかないことになっている、お兄ちゃんは春奈さんと結婚してしまう、例え告白したとしても・・
「例え告白したとしても無駄って思っているでしょう・・」
「う・・ん・・」
「・・・無駄だって言い切れるの?もしかして私を雑巾にして捨てて、あなたと一緒になるかもしれないわよ」
「でも・・それじゃあ・・・」
「私だって渡す気はないわよ・・・ねぇ可憐ちゃん、本当に取り返しがつかなくなるわよ、結婚して、子供を生んじゃうかもしれないわよ・・十二人」
「な・・・なんで十二人・・」
「子供いっぱいで、幸せがいっぱいで、あなたの入る隙なんかなくなっちゃうわよ」
「・・・それは・・・いや・・」
「でしょ、頑張って見よう、可憐ちゃん・・」
「おかしな人・・・恋敵を応援するなんて・・」
「だって・・・私とデートしている時だって「可憐が〜」とか「可憐は〜」って言うのよ、そこまで祐輝を夢中にさせる女の子がどんな子かと思えば・・・逆に励ましたくもなるわ」
「春奈さん・・・」
「どうせ、我慢できなくなったんじゃないの?お兄ちゃん離れをすることが・・」
「う・・・」
図星かもしれない、可憐はお兄ちゃんが好き、ずっと一緒にいたい・・・離れたくない、この先お兄ちゃん離れをしようとしても、きっとお兄ちゃんと離れたくないと思うかもしれない。
「・・・本当にいいんですか?春奈さん・・」
「あら?テンションがあがってきたわねぇ、そうこなくっちゃ、実はここに祐輝を呼び出したんだけど・・」
「へぇ・・ってえええ!!!!」
う・・・うそ・・ってあそこに見えるのは・・
「お兄ちゃん!!!」
「よう、きたぜ・・で・・春奈さん、俺に用って・・」
「私じゃなくて可憐ちゃんが用あるの・・・しっかり、私が見ててあげるから」
そ・・・そんな・・まさかここで告白しちゃえって・・は・・春奈さん?
「手遅れになる前に・・・・よ」
「手遅れって?」
「こっちの話、ほら可憐ちゃん・・・」
いきなりのことで胸がどきどきする、顔も暑くなって・・・きっと耳まで赤くなってるよぉ・・ど・・どうしよう・・・か・・可憐・・・恥ずかしくて、で・・・でも・・がんばらなきゃ・・・がんばって・・・
「あのね・・・お兄ちゃん・・・・」
座談会でGO
悠、春奈、祐輝
悠「あ・・・俺死んでる・・」
春奈「私年下好みになってるし・・・」
祐輝「僕は基本的に何も変わっていませんね・・」
春奈「今回は・・・わけわからない内容ね(汗)」
悠「しかもめったに見られない血縁もの・・」
祐輝「感想メールで血縁派の人からメールをもらいましたからねぇ」
悠「うにゅ、まあ作者も非血縁ばかりはなぁって思っていたらしいし」
春奈「というか・・・キスシーンないじゃないのよ!!アンジェのキスなのに!!」
悠「そういえば・・作者いわく「春奈と可憐の百合物のような内容にしたかったが考え直して云々」だそうだ」
祐輝「ゆ・・・百合・・下手すれば僕の出番なかったんですねぇ」
春奈「私は別にいいのに・・」
悠「いいのかよ(汗)」
祐輝「まあまあ、内容はともかくちゃんと書いてくれたんですから」
春奈「そうね、お仕事も頑張って貰わなきゃ」
悠「死なない程度にな・・・そういえばまた異動とな、ご苦労なこって、早く車買えよ」
祐輝「それではこの辺で」
春奈「妹じゃなくてママ先生でも〜」
悠・祐輝「ファイナルアタック!!!!!!!!!」
雄一さんへの感想はこちら
yuuiti53@hotmail.com
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