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アンジェのキス

〜四葉〜

作者 雄一さん


 

これは四葉が小さいころのお話デス。

四葉はママチャマと二人暮しで、ママチャマは心臓の病気を持っていましたデス。
だから週に一回、病院で検査を受けていましたデス、検査を受けている間四葉は病院のお庭で遊んでいましたデス。そのお庭で四葉は迷子になっていましたデス。そのころは四葉はチェキに目覚めたころで、あまりチェキができませんでした。迷子になって庭の真中にある大きな木で四葉は大きな声で泣いていましたデス。
「ヒック・・ママチャマァ・・・どこぉ・・」
「おいちびっこ、何泣いてるんだ?」
「チェキぃっ!!」
その時お空から声が聞こえてとてもビックリしてしまいましたデス、とても怖くて四葉はさらに泣いてしまいました。そしたら目の前が暗くなって・・よく見たらそれは男の人でした、男の人が木の上から飛び降りてきたのデス。
男の人とわかってもあまりにも突然のことに四葉はまた泣いてしまいました。
「うわぁぁぁぁぁぁん!!!」
「おいおい・・そんなにおどろいたのか?」
暖かい何かが四葉の頭に触れたのデス、それがとても大きな手と気が付いたのはくしゃくしゃと動いたときでした。とても安心できる手で・・四葉はすぐにその手の虜になってしまいましたデス。
「ふにゃぁ・・」
その気持ちよさに猫みたいな声をあげてしまいました。
「なんだ?猫みたいだなお前、名前は?」
「よ・・四葉デス・・」
「四葉・・そうか・・君が・・いい名前じゃないか」
「えへ・・あ・・あなたは?」
「俺は・・通りすがりの正義の味方かな?」
その「正義の味方」さんは四葉が迷子だと知るとおんぶしてくれて、いっしょにママチャマを探してくれました。「正義の味方」さんの背中はとても優しくて・・いつのまにか四葉はすやすや寝てしましましたデス。そして目がさめたら・・ママチャマの心配した顔が目に飛び込んできましたデス。あまりにも突然のことだったので、四葉はびっくりして飛び起きてしまいました。そしてその隣では「正義の味方」さんがおなかを抱えて笑っていましたデス。ママチャマと「正義の味方」さんは知り合いのようで、仲良くおしゃべりをしていましたです。四葉がお見舞いにくるたびに二人は仲良くて・・四葉はちょっぴり嫉妬してしまいましたデス。
やがてママチャマの病気も良くなり、病院へ行くことはなくなりましたデス。
あの「正義の味方」さんにももう会えなくなってしまい・・とても悲しくなりましたデス。
その時ママチャマがいっていました・・
「初恋は実らないものなのよ」
四葉とても悲しくなりましたデス、でも・・そんな悲しみも時間がたつにつれて消えてしまいましたデス。
でも、会えたら・・また会うことができたら・・・





それから4年後・・ママチャマは突然天国へ行ってしまいましたデス。
病気が再発して、四葉に手を握りながら・・四葉・・夢であって欲しいと思っていました。
お葬式のとき、四葉がチェキしたこともない顔の人たちが集まって、誰が四葉を引き取るか相談していましたデス。みんな怖い顔をして怒鳴りあって、四葉・・とっても怖くてママチャマの写真を抱きながら小さくなっていましたデス。
でも・・・
「この子は俺が引き取るよ、文句があるなら裁判を起こすんだな」
一人の男の人が四葉を引き取ると言ってきたのデス。
名前は祐輝さん、祐輝さんはママチャマの義弟で職業が推理作家、結構有名な人デス、もちろん四葉も知っている人でした・・しかも憧れの・・。
まさかこの憧れの人が四葉の身内にいたとは・・チェキ不足でした。
「よろしく四葉チャン、今日から俺が君のパパだ」
パパと呼ぶよりは・・兄チャマという感じでした・・・かなりヤングだし。
正直パパとは呼べる年齢ではなかったデス、だから四葉は兄チャマと呼ぶことにしましたデス、そのほうが呼びやすいデスし。
兄チャマは不満たっぷりの顔で「パパと呼びなさい」といっていましたけど・・
「なぁ四葉、一応俺は君の養父なんだ、だからちゃんと「パパ」か「お父さん」と呼びなさい」
「えぇ〜だってこんなヤングなパパってどこにもいませんデスよ」
「あのねぇ・・一応お年頃の年齢だし・・変な噂が立ったらどうするんだ」
「ダイジョウブデス、四葉気にしませんから、それに兄チャマに彼女ができたとき言い訳しやすいデスよ」
「悪いけど・・今は結婚する気はないの」
「なぜにホワイ」
「・・する気ないから・・」
「なるチェキほど」
こんなやり取りがあったりしましたデス。
でも・・兄チャマとの生活はとても楽しいデス、サスペンスドラマを見ながら推理合戦したり、兄チャマのできたての原稿を誰よりも速く読めたり。それでもやっぱり四葉は兄チャマのことは「パパチャマ」とは呼ばなかったデス。どこからどう見たって兄妹のようにしか見えませんです、でもどうしても兄チャマは「パパ」と呼んで欲しいようで。
「どうしてパパチャマと呼んで欲しいのデスか?」
「・・・うるさいのがいるんだよ・・うるさいのが・・」
はじめは「うるさいのが」というのが何だかわからなかったデス、でも兄チャマの行動をチェキしているうちに何となくわかってきたのデス。
「先生、調子はどうですか?」
「あ・・大丈夫だよ」
「お茶入れましょうか?お肩をもみましょうか?夜のお勤めしましょうか?」
原稿を取りにくる編集のお姉さん・・兄チャマに気があるらしいのデス、四葉にもわかるほどロコツで・・兄チャマは四葉を娘として紹介して諦めさせようとしたのデスね。
だから四葉はこの編集さんがいるときはちゃんとパパチャマって呼んでいるんデス。







時々兄チャマはママチャマの写真をじっと見ることがありますデス。
とても寂しそうな顔をして・・・四葉その理由を聞こうと思いましたけど・・とても聞けるような雰囲気じゃなかったデス。でも・・四葉は勇気をもって聞いてみました、そしたら兄チャマは理由を話してくれました・・
「前にもいったけど・・俺と姉さんは血が繋がっていないんだ・・」
兄チャマとママチャマは、姉弟以上の関係だったそうデス、心から愛し合い・・結婚も考えていたそうデス。でも・・ママチャマは兄チャマの未来を考えて身を引いて・・ほかの人と結婚してしまいました。
「ショックだったよ・・姉さんが俺以外の人と歩いているところを見たときは・・」
「兄チャマ・・」
「実はな・・四葉の名前・・俺が考えたんだ」
「え・・兄チャマが」
「ああ・・・もし姉さんが俺と結婚して子供を産んだのなら四葉ってつけようって・・だからパパって呼んでほしいんだ・・もし姉さんがほかの人と結婚しなかったら俺が四葉のパパになるのだから・・」
「兄チャマ・・・・イヤデス」
「んがっ!!をい四葉!!!」
「理由はどうであれ、四葉は兄チャマのほうがいいデス!!」
「こいつ・・小遣い減らすぞ!!!」
「それもいやデス!!横暴デス!!」
なんとかお小遣いを減らされることは阻止できました。




今日はママチャマの一周忌、四葉と兄チャマは一緒にお墓参りに着ました。
「姉さん、またきたよ」
「ママチャマ、四葉は元気にチェキしていますデス」
ちゃんとお墓の掃除をして、お花を変えて、そしてママチャマにチェキ報告をしますデス。
「兄チャマったら四葉に「パパ」って呼んでほしいんデスよ」
「悪いかよ・・おまえのためを持ってだなぁ俺は・・」
そんなこんなで報告を済ませた四葉たちは近くの道を散策することにしましたデス。
とても自然がいっぱいで・・・たくさんチェキしたくなったデス。
思わず走り出してあちこちの草木や花、大きな木をチェキしました。
で・・・気が付いたら・・・
「兄チャマどこデスかぁ!!!!」
迷子になりましたデス、この年になって恥ずかしいデス。
とりあえず兄チャマがいそうな場所を探すことにしましたデス、兄チャマは「感性を磨く」といって時々四葉を綺麗な川や、海、山に連れて行ってくれます、ほかにもいろいろと理由があるみたいデスけど。なんとなく推理できます、とてもわかりやすいデスし。
ならばこの近くの川を探せばそこに兄チャマが!!
「わぁ!!!!」
「ッチェキ!!!!」
突然木の上から兄チャマが降りてきて大声をあげましたデス、そこに隠れていたとは・・四葉もまだまだ未熟って・・
「あれ?」
何でしょうか・・・この光景・・どこかで見たことがるような・・
「どうした四葉・・ぼーっとして」
兄チャマの手が四葉の頭をくしゃくしゃと・・この光景は・・
「おい四葉、まったくお前は・・・そういえばあの時もぼーっとしていたっけか・・」
「あの時・・?」
「初めてお前と会ったときだよ・・迷子になって泣いて・・」
まさか・・あの時の「正義の味方」さんは・・・
「覚えてないのか?そりゃあ、あの時俺は若かったし・・」
誰でショウか・・初恋は実らないっていったのは。
四葉もまだまだ未熟デス、初恋の人が近くにいたのに気が付かないなんて・・
まだまだ修行が足りませんデス、もっといっぱいチェキをしてチェキを磨いて・・
「フフフ・・兄チャマ」
「ん?」
「パパチャマって呼んでもいいデスよ」
「?いきなりどうしたんだ・・何かたくらんですんじゃないのか?」
「フフフその通り、条件がありますデス」
「条件?」
「四葉をハニーって呼んで下さい!!」
「・・・・・は?どういうことだ四葉・・」
「むっふっふ・・それは内緒デス」
天国のママチャマ、四葉は兄チャマのはぁとをゲッチュするためにもいっぱいチェキするデス、そしていつか・・兄チャマに・・「ハニー」って呼んでもらいますデス!! 
「兄チャマ」
「あん?」
『チュ』
「いぃっ!!」
「覚悟してくださいデス!!!!」
「な・・なにをだよ・・」
「これから兄チャマをいっぱいチェキしちゃうんだから!!」

 


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yuuiti53@hotmail.com
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