Click here to visit our sponsor

 戻る 


ALIVE
第5話 「じいやと遊ぼう」

作 雄一さん


今日はじいやが遊びにくる日、俺と鞠絵は朝からお掃除をしていた。
じいやは両親が死んでから俺達の世話をしてくれた、祖父の親友である。
今年で85なのだがまだ60でも通用する元気を持っている。
実際健康診断でも60代の体と言われたそうだ。
しかしやはり歳には勝てず、去年腰を痛めてしまった。
まぁそのころには、俺達だけで家のことはできるようになっているが、やはりじいやの存在はなくてはならない存在になっている。
「じいやさん・・・腰大丈夫でしょうか・・・?」
「まぁ・・死にはしないだろ」
「はぁ・・」
「ああ見えても「心は二十代」をモットーにしてるし」
準備も終わり、いつでもじいやを向かえいれられる体制が出来あがった。
そして・・・外に車のとまる音が響いてくる、じいやの車に間違いない。
俺と鞠絵は外に出てじいやを迎えようとした・・
そして・・・・・
「悠!!鞠絵!!きたぞぉ!!!」
「いらっしゃいじい・・・・」
「いらっしゃ・・・」
その先からの台詞が出なかった、俺達の目の前には赤いスポーツカーが停車しており、その運転席からは流行のファッションを身につけ、サングラスを掛け、しかもアフロ(絶対にかつら)姿のじいやがいた。
あらら、ミカエルが威嚇してるよ(汗)、そりゃそうだろ・・・いつもはモダンなじいさんという感じのじいやがいきなり若者風のファッションを身につけてるんだもんなぁ。
鞠絵なんか硬直してるし。
「よぉ!!元気にしていたかぁ!!!」
「じいや・・・なにそれ」
「これが今流行のファッションじゃろ」
「そうだけど・・・アフロは流行ってないと思うけど」
まぁ姿はどうであれ、じいやは元気のようだ、あと五十年以上は生きられるな・・多分・・。
とりあえずじいやを家の中に入れることにした、近所の目があるしね。
「そういえば、腰大丈夫?」
リビングで鞠絵が紅茶を入れるのを待ちながら、俺とじいやは近況報告と世間話をしていた。
ちなみにじいやが被っていたアフロのかつらはすでに外されていて、つるりとした頭が挨拶をしていた。
「はははは、腰なんぞもうとっくの昔に治ってるわい!!」
「あ・・あっそ・・」
「さぁて今日は何をしようかのぉ、DDRでもするか?それともストUで対戦するか?」
なんて年寄りとはかけ離れたことを言う、こう見えてもじいやは大のテレビゲーム好き、落ち物パズルからギャルゲーまでこなすシルバーゲーマーなのである。地元のゲーセンでも結構有名になっている。
ていうか元気よすぎ・・・そのうちぽっくりと逝ってしまうんじゃないかって心配だ。
「まぁまぁおちついてじいや、張り切りすぎるとぽっくり逝っちゃうよ」
「なぁにそのときはそのときじゃい」
「よくないって」
「なははは」
元気がいいのはいいけどよすぎてなんか怖い、でもまだまだ若い者には負けられんって言ってる年寄りほどぽっくり逝っちゃうんだよな。
「とにかくじいや、腰のことがあるんだから少しは安静にして」
「馬鹿者!!!わしを年寄り扱いするな!!!」
「年寄りだろうが!!!」
「年寄りです!!!」
鞠絵も一緒にじいやにつっこむ、まったく・・・・この前腰が痛くて「わしもとしかのぉ・・」って言ってたのはどこの誰なんだろうねぇ。
「わしを年寄り扱いするならDDRで勝ってからにしろ!!」
「だめ、腰を痛めたら出来なくなるんだよ!!」
「そうですわ、自分を大切にしてください」
「ふん、勝てないからってわしを年寄りという」
だぁ・・・・もうだめ、完全に頭の中が堅くなってるよ、これじゃあ何を言っても無駄だな。
こうなれば内面を攻めていくしかないな、徹底的に。
「じゃあじいや、パズルゲームで勝負しよう」
「パズル・・・いいじゃろ」
早速俺はゲームをセットする、ゲーム名は「ぶらぷり対戦ぱずるだま」。
人気ゲーム「ブラザープリンス」のパズルゲームである。
ちなみに鞠絵はこの「ブラザープリンス」が好きで、よくこのゲームをプレイしてる。
その中でも鞠絵は「航」君が好きらしい、ちょっとその二次元キャラに嫉妬。
「それじゃあいくぞ!」
「うむ!!」
そして年寄りと若者の戦いが始まった。

「3連鎖!!!」

「5連鎖!!!」

「8連鎖!!!」

「15連鎖!!!」

結果・・・・負けた、マジ強い・・・うわ・・すげーくやしい。
「実力の差じゃ」
「あううう・・・」
「次は私ですわ!兄上様の敵!」
「ははははどんとこい!!!」
次は鞠絵がじいやに挑戦、しかし・・・勝てるのか?
俺と対戦したときでも全敗していたと思っていたが。

「3連鎖」

「15連鎖!!!」

「6連鎖」

「15連鎖!!!」


「がふぅ!!!」

突然鞠絵が赤いものを吐いた、ま・・・まさか・・・
「鞠絵ええええええ!!!!」
「い・・・いかん!!!」

「15連鎖」

「あ・・・・・」
うわぁ・・・鞠絵らしくない卑怯な手段、赤いものはどうやらトマトジュースらしい、いつの間に仕込んだんだろ。
じいやも驚くほどの迫真の演技だったし。
「ふふふ・・私としたことが・・」
「それはこっちの台詞じゃわい!!!!!」
「鞠絵ぇ・・・心配かけるなよ・・・」
鞠絵の体のことを心配している俺にとって、あれは心臓に悪いぞ。
とりあえずあとでお仕置きしておこう(お仕置き内容はしみつ)。
その後のゲームといえば・・・鞠絵の吐血演技が効いたのか、じいやはペースを乱しまくってぼろ負けしていた。鞠絵・・・お前そんなキャラだったのか?
「はぁ・・はぁ・・・くそぉ・・・」
「じいや・・勝負はもういいから落ち着きなよ」
「いやじゃ・・・・わしのプライドがゆるさん」
すっかり頭に血が昇ってるじいや、ちょっと危ないんじゃ。
「脳溢血で逝くぞそのうち・・・」
「本望じゃ!!!」
「おいおい!!何のために第二次世界大戦を生き抜いたんだよ」
「今日のためにじゃ!!」
その横では鞠絵が冷静にブロックを消している、俺の敵討ちっていってお前なぁ。

「うぉおおおおおお!!!!・・・あ・・・」

『ぱた』

「わああああ!!!じいやぁあああああ!!!!!」
じいやが急に倒れた、さすがの鞠絵もゲームを中断してじいやにかけよる。
まさか本当に脳溢血で逝っちゃったんじゃ・・・マジやばいよそれは。
俺は慌てて救急車を呼ぶために電話機へ向かった。

 


搬送先の病院の診断によると・・・じいやは貧血らしい。
まったく人騒がせな・・・とりあえず大事をとって一日入院することになった。
「わしゃ年寄りじゃない!!!」
「年寄りだろうが!!!」
「年寄りです!!!」
じいやはいつになったら年寄りらしくなるだろう・・・
「きっと死ぬまで治らないな・・」
「死ぬまでですね・・・」
はぁ・・・・長生きしてくれよじいや・・・



雄一さんへの感想はこちら
yuuiti53@hotmail.com
 戻る