Click here to visit our sponsor

 戻る 


ALIVE
第4話 「朝のひと時」

作 雄一さん


休日の朝、俺たちはベッドの中にいた、まるで中睦ましい若夫婦のように寄り添いながら。
「朝ですね・・兄上様・・」
遮光カーテンの隙間から暖かな朝日が差し込む、枕元の時計を見ればまだ6時30分、休
みの日はいつもは8時まで寝てるのだが昨日は2人とも早く寝てしまったせいで早く起き
てしまった。
「うん・・もう少し寝てようか」
「そうですね、たまにはいいですね」
鞠絵はそう言うと俺の体に寄り添ってくる。
彼女の鼓動が俺を安心させる・・・もう鞠絵の病気は治ってるはずなのに未だに俺は心配
してる、この心配はいつになったら治るのやら。
これだけは治らないな・・・いやもう手遅れかも、俺は一生鞠絵の事を心配して生きてい
くのかな?それも悪くないや。
「兄上様・・温かいです・・」
「鞠絵・・いい匂いする・・」
こうしてるだけで俺たちは幸せになれる・・・なんて単純なって思うけど。
でも大好きな女の子が隣にいて幸せにならない奴なんてどこにも居ないと思う。
それも飛びっきり可愛い子ならなおさらだ、こんな可愛い妹をもった俺は世界で一番の幸
せものだ。
「療養所に居た頃は・・いつも起きた時は一人だったのに・・・今では兄上様が・・」
「ああ・・一人じゃないよ・・」
昔小さかった頃、今と同じ様なことをしていた、親が再婚して鞠絵がこの家に来て一ヶ月
たった頃のことだ。新しい妹は昔の俺にとって邪魔な存在でしかなかったが、なつかれる
うちに情が移り、本当の妹のように思えてきた。とても可愛くて寂しがりやな大切な妹・・
そんな鞠絵がとても可愛くて俺たちはいつも一緒にいた。遊ぶ時も、お風呂に入るときも
(昔の話だ)、寝るときも一緒だった。ある朝、俺が小学校に行こうとしたとき、ベットの
中でまだ寝ていた鞠絵が急に泣き出した、親は仕事で家にいない、家にいるのは体の弱い
祖父と俺だけだった。弱った俺は鞠絵のベッドに入りそっと彼女を抱き締めて頭を撫でて
やる。とたんに鞠絵は泣き止み、俺に甘え出した。そんな姿がとてもいとおしくて、祖父
に学校を休むといって困らせた事がある、懐かしい思い出だ。
「うふふ・・・」
「?」
「兄上様・・今日はもっと甘えていいですか?」
「いいけど」
すると鞠絵は俺の背中に腕を回してくる、そしてさらに接近する、女の子の匂いがさらに
濃くなって俺の心臓がドキドキする。鞠絵の顔が俺すぐ目の前にある、今の鞠絵はメガネ
をかけておらず、髪も解かれたまま、他のみんなは知らない・・・鞠絵の素顔。俺だけの・・
って何か危ないな俺。なんてことを考えてると鞠絵はか起き上がろうとする、もしかして
俺の考えてた事がばれたか?
「鞠絵?」
「メガネかけなきゃ・・兄上様の顔が・・」
「・・・じゃあ・・」
メガネケースを探す鞠絵を俺はベッドに引き戻す、そして鞠絵の唇にキスをする。
しばらく俺と鞠絵の唇は離れなかった、こうして繋がってる瞬間がとてもドキドキする。
しばし部屋にスズメの鳴き声だけが響く、やがて俺たちは唇を離す。
「・・・はぁ・・」
離れると鞠絵が顔をうっとりとさせて俺を見つめる。
「こうすればよく見えるだろ、それにくっついていられるし・・一石二鳥さ」
「・・はい」
鼻と鼻がぶつかりそうなくらい近づいた俺たちの顔、お互いの息がじかに感じられる。
二つの心臓の鼓動が重なりあう、自然とまた俺たちの唇が重なる。
こういう関係になってから・・俺たちはどれ位キスをしたのだろう・・。
でも俺は時々不安になる、もし・・俺たちの愛が冷めてしまったら・・どうなってしまう
のだろうか?もし冷めてしまったら・・俺はどうすればいいんだろう。
毎日幸せだけど、時々怖くなってしまう・・・でも。
「兄上様・・・」
「・・・鞠絵」
彼女の笑顔がその不安を消していく、女の子の笑顔って本当に不思議だな。
特に生命に満ち溢れてる鞠絵の笑顔はどびっきり可愛い、やっぱり健康が一番だな。
「今日はどうしようか?」
「私は図書館に行きたいのですが・・」
とりあえず、寝てばっかりいると健康に悪いので、これからの予定を考える。
いつもは鞠絵は図書館、俺はミカエルの世話やゲーム(不健康な・・)をしてすごしたり
している。さて、今日はどうしようかな?
「兄上様はどうするのですか?」
「うーん・・・何も思いつかない・・」
「ふふ・・じゃあ私と図書館に行きますか?」
「遠慮しておく・・・どうも図書館は苦手だ」
図書館は時々行くのだが・・どうもあの静まり返った空気にはなかなか慣れない。
しかし外に出なければ不健康である、さあどうしたものか・・ミカエルに芸でも仕込もう
かな?それとも部屋の掃除・・天気もいいから蒲団も干さなくては。
あと・・・残ってるひぞうぼんも全部処分しなくては、また鞠絵に怒られるし。
「とりあえず部屋の掃除をするよ、午後になったらどこか遊びに行こうか?」
「はい・・でも・・」
「でも?」
「いまはこうして・・・」
今度は鞠絵から唇をかさねて来る、唇が離れ鞠絵が顔を真っ赤にして俺を見つめる。
「こうして・・兄上様と一緒にいたい・・」
「・・俺もさ・・」
その後俺たちは抱き合い、しばらく温もりを感じあっていた・・それがとても気持ちよく
て俺たちはまた眠りの海へ沈んでいった。
起きた時はいつも起きる時間を二時間も越していて・・・俺は餓えた野獣と化したミカエ
ルに襲われてしまった。
「だあああああミカエル!!俺は肉ぢゃない!!!!」
「がう!!ばうううう!!!!」
「ミカエル!!やめなさい!!」


雄一さんへの感想はこちら
yuuiti53@hotmail.com
 戻る