あなただけのサンタクロース
作 雄一さん
「ねえねえ彼女、俺たちと一緒に滑らない?」
「一人じゃ寂しいだろう、俺たちと一緒に熱くなろうぜ」
「え・・・でも・・」
どうしよう・・・せっかくあにぃと一緒にスノボをやりに来たのに、はぐれちゃって・・・しかも変なお兄さんにナンパされるし。
「ほらほら・・迷わずに一緒に滑ろうぜ」
「ほらほらあとでお兄さんが気持ちいいことしてやるから」
「・・・・・・」
どうしよう・・・ここら逃げたいけどこの人たち僕を逃がさないように立ってるし・・。
あにぃがどこにいるかもわからないし・・・・あにぃ・・・助けてよぉ・・。
「衛!!!!!」
え?この声は・・・
「衛!!探したぞ」
「ちょっと・・・そこの兄さん・・・彼女の知り合い?」
「ああ・・・衛の「彼氏」だ!!なに人の彼女をナンパしてるんだ」
「ち・・・彼氏持ちかよ・・いこうぜ」
「ああ・・・」
よかったぁ・・・あにぃが来てくれて・・・もしあにぃが来てくれなかったらどうなってか・・・。
「衛・・・探したぞ・・・さっさと滑って行っちゃうんだもんなあ」
「ごめん・・あにぃ」
「まあ見つかったから良かった・・・ほらまだ時間もあるし、早く滑ろうぜ」
「うん」
今日はXmas、ボクとあにぃは1泊二日の予定でスノボをやりに来たんだ。
二人っきりでクリスマスを過ごしたいといったらあにぃが「じゃあ行くか」って行ってホテルを予約してくれたんだ。
運良く予約が出来た時はボクもう嬉しくて嬉しくて飛び跳ねちゃった。
そのおかげで前日は良く眠れなくてあにぃに起こされて急いで新幹線に飛び乗ったけど。
それからホテルにチェックインして急いでゲレンデにきて滑り始めたんだけど・・・・。
いつの間にかあにぃとはぐれちゃって・・・・変なお兄さんにナンパされていたんだ・・・。
「でも意外だな・・・」
「へ?」
「衛がナンパされるなんて・・」
「あにぃ!!」
「へへへへ・・・冗談だよ・・可愛いもんな衛は」
「もうあにぃったら・・・あ・・・・」
「・・・あれ?雪が降ってきた・・」
「本当だ・・・」
「・・・激しくならなきゃいいけど・・」
「うん」
「そろそろ戻るか・・・暗くなってきたことだし・・」
「そうだね、じゃあホテルまで競争だよあにぃ」
「ちょっと待てよおい」
あにぃの抗議の声を軽く流してボクは颯爽と斜面を滑っていく。
周りの景色がどんどん後ろに流れていく。これが気持ちよくてスノボはやめられないんだ。
あにぃの叫び声が段々と小さくなっていく。
「うんうんいい感じ」
順調に滑ってジャンプしようとした時・・・・・突然景色が真っ白になったんだ。
「え?」
体に衝撃が走って目の前が暗くなった・・・・。
「・・・もる・・・衛・・・・衛・・」
「ん・・・」
あにぃの声が聞こえる・・・えーと・・ボクどうしちゃったんだろう・・
「しっかりしろ・・」
「あに・・ぃ?」
目に前にあにぃの顔が見える。意識もはっきりしてきた。
「目がさめたか?」
「え・・・と・・・ボクどうなったの?」
「見事なジャンプだったぞ、着地に失敗しなけりゃな・・」
「あ・・・そうだ・・・確かホテルまで競争していて・・・いきなり目の前が真っ白になって・・・」
「まったく・・・そのあと起こしても起きないからこうやってホテルまで担いできたんだぞ」
「・・・ごめん・・・あにぃ・・・で?ここは?」
「俺たちの部屋だよ・・・まったくスキーウェア脱がすの大変だったぞ・・」
「・・・ごめん・・」
「心配かけるなよ・・」
そういうとあにぃはボクを抱きしめる。・・・・暖かい・・・
「あにぃ・・・ボクね嬉しかったんだ・・・」
「ん?」
「ナンパされていたとき・・・あにぃはボクのことを「彼女」って言ってくれた事」
「本当のことじゃないか・・・」
「あにぃ・・・」
あにぃは腕の力を強める。なんかいい雰囲気・・・キスしちゃおうかな・・・
「ねえ・・あにぃ・・」
「ん?」
「大好きだよ・・・」
あにぃの唇にキスしようとした時だった・・・・
く〜
「・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
「・・・・・・ぷっ」
「笑わないでよあにぃ!!」
「ごめんごめん・・・」
「・・・ううううう」
何でこんな時にお腹の虫がなるんだよ・・・おかげで雰囲気が台無しじゃないか。
せっかくあにぃとロマンティックにキスできるはずだったのにぃ・・・
「それじゃあ夕飯でも食べに行くか・・・ここのホテルバイキングだから食べ放題だぞ」
「え?本当?」
それからボクたちは最上階にあるレストランに向かったんだ。
そこは景色がいいし、なんてったって料理が凄い。
中華からイタリア、フランス、和食と揃っていて何から食べようか迷っちゃった。
景色のいい席を確保すると、ボクたちは早速料理を取りにいった。
ボクもあにぃもお皿にいっぱい料理を載せて夕食をはじめた。
「メリーXmas・・衛」
「メリーXmas・・・あにぃ」
シャンパンの入ったグラスで乾杯・・・・・・ノンアルコールだけど。
なんかいい感じ。まるで映画の一シーンみたいだ・・。
「綺麗な景色だねあにぃ」
「ああ・・・」
「きてよかったね・・・」
「本当だな・・・衛と二人っきりだし・・・飯もうまいし」
「そうだね・・」
「いいクリスマスだ・・・」
「・・・・ねえ・・・あにぃ・・・」
「ん?」
「食べ終わったらさ・・・ちょっと部屋の外で待っててくれない?」
「ん?どうしてだ?」
「ちょっと準備があるんだ・・・」
「準備?」
「うん・・」
それからボクたちはお腹一杯になるまでご飯を食べた。
そのあとあにぃには部屋の外で待ってもらって、ボクは部屋である準備をはじめたんだ。
この日の為に用意しておいたとっておきのプレゼント。あにい・・気に入ってくれるかな?
「衛・・・早く入れてくれよ・・・」
いけない・・・あにぃが文句いいはじめた・・そろそろいいかな。
「あと十数えたら入っていいよ」
「わかった」
あにぃが数を数えてる、ボクは急いでベランダに出てカーテンを閉めて窓を閉める。
「衛、入るぞ」
あにぃが部屋に入ってきた。びっくりするぞぉあにぃ・・・。
「ん?衛?どこに隠れたんだ?」
「ここだよあにぃ」
「へ?」
ボクは窓を開けてカーテンを開ける。
「・・・ま・・衛・・・」
「メリーXmas!!あにぃ!!」
あにぃはボクの姿を見てびっくりしていた。
「可愛い・・・」
ボクの準備、それはサンタクロースの衣装に着替えること。
友達から借りた衣装なんだこれ、ちゃんと女の子専用の衣装で下はスカートになってるんだ。
帽子や袋までついていて、どっからどう見たって可愛いサンタクロース。
スカートをはくのはちょっと抵抗があるけど・・・あにぃの為だもん。
「・・・・どうしたんだそれ?」
「えへへへ・・・似合う」
「うん・・・似合いすぎ・・はまってるよ」
「ありがとうあにぃ」
「・・・・で?」
「で?って?」
「それからどうなるんだ?」
「え?」
「それを見せたいが為に俺をあんな寒い廊下に待たせたのか?」
「違うよ・・・この姿でプレゼントを渡そうと思って・・・」
「・・・・なるほど・・で?プレゼントは?その袋の中に入ってるのか?」
「ううん・・・この中身は何にもないよ」
「じゃあ肝心のプレゼントは?この部屋を見る限り何もないみたいだけど」
「あるじゃないか・・・目の前に・・」
「へ?目の前?」
「うん」
「・・・・・・衛・・?」
「そうだよ」
「え・・・と・・・つまりそれって・・・」
「ボクが・・・Xmasプレゼント・・」
「・・・・どっかの料理好きの妹キャラみたいだなそれ・・・」
「へへへへへへ・・・だめ?」
「本当はプレゼントを買うお金がないだけじゃないか?」
「そ・・そんな事ないよ!ボクは真剣だよ!!」
「・・・・・・ほお・・・」
「つまり・・・末長―く一緒にいようってこと・・・」
「・・・・」
「あにぃ・・・こんな妹だけど・・一緒にいていい?」
「いいに決まってるじゃないか」
「ありがとう・・・あにぃ・・」
優しく微笑むあにぃ・・・ボク嬉しくってあにぃに抱きついていた。
あにぃもボクを抱きしめてくれたんだ・・。
やっぱ暖かいな・・・あにぃの腕の中。
「これからもずっと一緒だよ、あにぃ・・」
「ああ・・・」
そしてボクは目を閉じて顔を上げる。
さっきはお腹の虫が邪魔をして台無しになったけど今度は大丈夫・・・・だよね。
「衛・・・」
「あにぃ・・」
そしてボクたちはキスをした・・・その時間はいつもより長く感じたのはボクだけかな?
「・・・・ねえあにぃ・・・」
「ん?」
「一緒に寝ていい?」
「・・・ああ」
「あと・・・変なことしないでよね」
「ばか・・・するかよそんな事・・・もうちょっと衛が大人になってから」
そういうとあにぃは腕の力を強めた。
あにぃ・・・大好きだよ・・・
ずっと一緒にいようね。
あとがき
もう「白雪を食べて(はあと)」
見たいな感じになってしまった。
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