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花穂の花嫁修業

作者 雄一さん


「花穂先輩、さようなら」
「さよなら花穂さん」
「さようなら〜」
早く帰らないと、今日はお兄ちゃまと約束していたんだ、せっかくいい天気で久々のデートなのにぃ。
約束をした花穂が遅れちゃったら・・お兄ちゃまに見捨てられちゃうよ。そんな心配はしなくていいってお兄ちゃまに言われているけど、やっぱり不安だよぉ。
「きゃあ!!!」
『どさ!!』
いたたた・・・もう、ドジなんてもう治ったと思ったのに、高校生になっても転んでばっかりだよぉ。
そっか・・・花穂はもう高校生なんだ、もう女子高生って言われるんだ・・なんかとても大人って感じ。
胸も大きくなったし、背も伸びてつま先をあげるだけでキスが出来るようになっちゃった。
髪も伸びて女優さんみたいだねっていわれるんだよ、学校の男の子からもラブレターを沢山もらうし。
告白もされたことがあるんだよ、でもね・・花穂はその時決まってこう言うの。
「花穂には世界で一番大切な旦那様がいます」
って・・・きゃぁああああ、恥ずかしい・・・
「旦那様か・・・うふふ・・」
そうだよ、花穂はもう十七歳、ということは・・・花穂はお兄ちゃまと結婚できるんだよ。
花穂・・いっぱい勉強して、いろいろなことを知ったんだ。
花穂とお兄ちゃまは本当の兄妹じゃない、義兄妹なんだって。昔お兄ちゃまのお母さんと、花穂のお父さんは再婚して私たちは兄妹になった。花穂がとぉっても小さい頃だったから花穂は知らなかった、そして花穂は大きくなって、お兄ちゃまに告白されて・・・・・
「兄妹で結婚できるなんて知らなかった・・」
正確には連れ子同士、お母さんに聞いたときにはびっくりしちゃった。
お母さん達に花穂達のことを打ち明けたら・・・・・
「おめでとう〜」
って・・・喜んでいた、お兄ちゃまは思いっきりずっこけていたけど、でもやっと花穂達は正々堂々とつき合えるんだよ。お兄ちゃまはなんか複雑そうな顔をしていたけど、でも花穂は嬉しいんだ、本当にお兄ちゃまのお嫁さんになれるんだもん。
「おおい花穂」
「あ、お兄ちゃ・・・」
「どた!!」
「ううう・・・」
またころんじゃった、もうドジは治らないのかなぁ・・でも別にドジが治らなくてもいいや。
だって、お兄ちゃまがこうやって起こしてくれるんだもん。
「ほら大丈夫か?」
「うん、平気だよ」
「まったく・・高校生になっても変わらないな花穂は」
変わったと言えばお兄ちゃまも変わったなぁ、背も伸びたし・・顔もかっこよくなって。
今お兄ちゃまは先生になるための勉強してるんだよ、前からの夢だったんだって。
「花穂によく勉強を教えていたからね・・人に何かを教えることが好きになったみたいなんだ」
って言っていた、これってもしかして花穂のおかげなのかなぁ?
そして驚いたことに、花穂のクラスにお兄ちゃまが教育実習生としてきたの!!
教室にスーツ姿のお兄ちゃまを見たときは、椅子を倒して立ち上がって大きな声で叫んじゃったんだ、思い出すだけでも恥ずかしいや。それに・・なんか禁断の恋って感じでなんかスリルがある・・まぁもともと禁断の恋なんだけどね・・花穂とお兄ちゃまは。
今日こうしていられるのはお兄ちゃまの実習期間が終わったからなの、これで正々堂々とデートができるよぉ。兄妹だから正々堂々としても何にも言われないけど、この年になってお兄ちゃん離れが出来ないのってクラスの友達に言われそう。
「今日は花穂に大切な話があるんだ・・」
喫茶店でお気に入りの特盛りパフェを食べているとお兄ちゃまが真剣な目で話し掛けてきたの、どうしたんだろ・・あんな真剣な目をして。
「何?」
「とっても大切な話なんだ・・」
何だろ・・凄く気になるよぉ、お兄ちゃまってこういう話はいっぱいためてから話すんだもん、どきどきしちゃうよぉ。
「あのね・・」
「うん・・」
「進路どうするんだ?」
「え?」
お兄ちゃまが今の状況を説明すれば、花穂の目は点になっているって説明するかも。
だってぇ、大切な話って言うからどきどきして待っていたら進路だって・・。
もう、お兄ちゃまったら、今日は楽しいデートなのに学校のことを持ち込まないでよ。
「お兄ちゃまぁ・・」
「怒るなよ、個人面談の予習みたいなもんだ、それに・・もうそろそろ花穂も三年生だろ、進路決めないといけない時期だぞ」
「それもそうだけど・・」
「それに・・俺自身も気になるからな」
そういえば周りの子はもう進路を決めているけど、花穂だけはまだ決められないでいるんだ、花穂はお兄ちゃまのお嫁さんになるからって考えていたけど。
「花穂は・・お兄ちゃまのお嫁さんになるんだよ」
「あのねぇ・・それじゃあ俺が花穂の未来つぶしているようじゃないか、やりたいことがあるなら正直に言いなさい!!」
「うぅ〜」
そうだよね、お兄ちゃま・・時々そのことで悩んでいるんだよね、確かに花穂はお兄ちゃまのそばにずっといたいけど・・やりたいことだってあるんだ。でも・・それを言ったらお兄ちゃまと離れ離れになるような気がして、なかなか言い出せなかった。今だって・・花穂のしたいことをお兄ちゃまに言ったら…
「花穂、俺のお嫁さんになってくれるのは嬉しいけど・・自分の夢をつぶしてまでなってほしくは無いんだ、正直に言ってほしい」
「う・・ん……」
言っていいのかな?言ってもお兄ちゃまは花穂の元から離れないかな?
「アメリカに行ってチアのチームに入るか?花穂は応援が好きだからな」
「ううん・・花穂はね・・お花屋さんになりたいの」
「えぇ?何でだよ・・花穂だったらチアのほうを選ぶと思ったんだけど」
「えへへ・・花穂はそこまでするほどチアは好きじゃないよ、花穂はね・・お兄ちゃまを応援したいからチアをはじめたんだ、それにアメリカのチアチームみたいな技は花穂には絶対に無理だよ」
竜崎先輩が・・アメリカに留学してチアチームに入るって聞いたとき、アメリカのチアのビデオを見せてもらったの、そしたら…「きゃあ!!」とか「うわぁ!!」って叫び声しか出なかったの、凄い技だったんだよ、空中で宙返りしたり手の上に人が乗ったり、花穂には絶対に無理だよぉ。
「それに・・お兄ちゃまとも離れたくないし・・」
「まぁ・・アメリカのチアはけが人が出るほど激しいって聞くからな・・」
「それに・・花穂はお花が好きだから・・」
「そうか・・安心したよ・・」
お兄ちゃま心の底から安心したような顔をしている、やっぱりお兄ちゃまも花穂がどこかに行くことが怖かったんだ、大丈夫だよお兄ちゃま、花穂はどこにも行かないからね。






「きゃあっ!!」
『どた』
「ん?」
「あ・・」
今のは花穂が転んだんじゃないんだよ、小さな女の子が転んじゃったの・・
「大丈夫?」
あ・・男の子が女の子を起こしてあげている・・
「うん、ありがとうお兄ちゃん」
「へへ・・早く行こう」
へぇ・・あの二人兄妹なんだ、手をつないで走っていて・・まるで花穂とお兄ちゃまを見ているみたい。
「・・そうだ花穂、今日何の日か知っているか?」
「え?」
今日・・今日は何の日だっけ?えっとぉ・・別に特別な日でもないけど・・
「お前・・忘れたなんていわせないぞ、・・結婚記念日だよ・・」
「え・・あああ!!!」
そうだ!!お兄ちゃまが花穂に好きって行ってくれた日だ!!
思い出したよぉ、そんな大切な日だなんて・・花穂すっかり忘れていた。
「正確には・・結婚記念日になる予定・・だけどね」
「予定?」
「花穂が夢をかなえたら・・正式に籍を入れようと思う・・」
「お兄ちゃま・・」
「へへ・・いつになるかわからないけどな・・」
「もぅ…大丈夫だよ、花穂一生懸命がんばるよ!!」
「そうだな、今度は俺が花穂を応援する番だ・・今まで花穂が応援してくれた分・・お返ししなきゃな、覚悟しろよ」
「うん、花穂がんばる!!」
今までは花穂がお兄ちゃまを応援していたけど・・今度はお兄ちゃまが花穂を応援してくれる番、花穂もその応援に答えるようにがんばらなきゃ。
「それでどうやって応援してくれるの?お兄ちゃまもチアする?」
「ん?俺はこういうことしか出来ないから・・」
そういってお兄ちゃまは花穂にキスをした・・もぅ。
お兄ちゃまったら、でも…こういう応援だったら毎日されてもいいかな?
「これからもよろしくな、花穂」
「うん、旦那さ・・」
『どたっ!!!』
「まぁ…いたたたた・・」
「あはは・・やっぱ花穂はこうでなきゃ」
花穂の花嫁修業・・まだまだ続きそう・・ふぇぇぇん・・


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