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花穂の花嫁修業
『花穂VSにんじん』
作者 雄一さん
「花穂、早く起きろ!!遅刻だぞ!!」
「ん・・・え?ふええええ!!本当だ!!」
きゃああ!!大変!!寝坊しちゃった!!急いで着替えて学校行かないと。
ええっとぉスカート・・は・・靴下・・シャツ着て・・よし!!
「いってきまーす!!」
「花穂!!」
「なにお兄ちゃま?」
「靴下・・・変だぞ?」
「ほえ?・・・・きゃああああ!!」
やだ靴下右左色が違う・・・間違えちゃった・・・。お兄ちゃまの前で・・恥ずかしい・・・
急いで履き替えて・・・よし!!
「花穂、朝ご飯は?」
「食べる暇ない!!」
「せめてパン一枚食べていけ」
そういうとお兄ちゃまパンを一枚花穂にくれたの。急いで学校に行かないと・・・。はぐ・・はぐ・・ん・・よし・・・
「いってまーす!!」
「いってきます」
お兄ちゃまと同時に家を出て学校にダッシュ!!早くしないと校門閉まっちゃうよ。時間は・・・ほえええええ!!あと五分しかない!!
「花穂急げ!!」
「まってお兄ちゃま・・・きゃあ」
どた!!
ふえええん・・転んじゃった・・・また恥ずかしいよぉ・・・
「何やってるんだよ・・・ほら」
「きゃん!
そういうとお兄ちゃま花穂をお姫様抱っこして走り出したの。ふえええん嬉しいけど・・・恥ずかしいよぉ・・。そんな事考えていたらあっという間に学校の校門が見えてきたの。大変!!先生が校門を閉め始めちゃった。
「お兄ちゃま!!頑張れ!!」
「おう!!」
お兄ちゃまは走るスピードを上げて校門まで一直線、頑張れ!!お兄ちゃま!!
「せーふ!!」
間一髪!!校門が締め切られる前に何とか校門をくぐることが出来た。・・・よかったぁ・・ぎりぎりセーフ。
「よし・・じゃあまた帰りにな・・・」
そういうとお兄ちゃまは花穂を下ろして高等部の校舎に走っていったの。ありがとうお兄ちゃま、やっぱり花穂のお兄ちゃまは凄いや。
「はぁあああああ・・・」
さっきから何度目だろう・・・ため息・・・お腹すいたなぁ・・・朝はパン一枚しか食べてないからお腹すいちゃって、さっきから花穂のお腹の虫が大合唱してるの。こんな音・・お兄ちゃまに聞かれたら笑われちゃうよぉ・・・。でも後二時間待てば給食の時間、今日はチアの練習ないからゆっくり食べられるよぉ。今日の花穂、何だいっぱい食べられそう。早く給食の時間にならないかなぁ・・。後一時間・・・あと三十分・・・後五分・・
キーンコーンカーンコーン
「やったぁ!!給食だぁ!!」
今日の給食はなんだろう、今日の花穂はいっぱい食べられるよぉ!!スパゲッティだって、あげパンだって、お野菜の炒め物だって、何でも食べられちゃう。うどんだってカレーだって、お代わりしちゃうんだから!!ええっと今日のメニューはご飯に、お味噌汁、・・・へえ今日は和食だぁ・・・それから鮭のチーズ焼きに、にんじんとお芋の煮っ転がし・・・え?
「・・・にんじん?」
ほえええええええ!!今日の給食に花穂の苦手なにんじんがある!!
「でも・・・でも・・・」
お腹すいてるし・・・お残しちゃうと先生に怒られるし・・お兄ちゃまに嫌われちゃうよぉ・・。
昨日のあの雑誌につき合いたくない女の子のランキングの中に「好き嫌いが激しい子」って書いてあったし・・・。とにかく今はお腹の虫を抑えるために、いっぱい食べなきゃ。
「いただきます」
・・おいしい・・・やっぱりお腹すいてるからいつもよりご飯がおいしく感じられるよぉ。どんどん箸が進んじゃう。
「凄い花穂ちゃん、今日はいっぱい食べるね」
「うん・・だって花穂今日朝ご飯パン一枚だけだったから」
「そうなんだ・・じゃあ私の鮭あげようか?」
「うんありがとう」
へへへ・・・やっぱり給食はおいしいなぁ・・・でも・・・
「やっぱりにんじんが残っちゃうなぁ・・・」
お芋は食べれたけど残りのにんじんが・・・まだ五個も残ってる。こんな時お兄ちゃまがいつも助けてくれるのに・・・ううんだめだめ、お兄ちゃまに頼ってばっかじゃ嫌われちゃうよ。とにかく、なんとしてもにんじんを花穂一人で食べなくちゃ。よーし・・まずは一口・・・うぐ・・・んぐ・・・ごっくん・・・はあ食べられた・・。でもあと四つ・・・頑張らなきゃ。
「ねえ花穂・・まだ食べ終わらないの?」
「うん・・」
「早くしてよ・・お昼休み終わっちゃうよ」
「うん・・・」
あーあ・・お友達と一緒に遊びたいけどまだにんじんが残ってるよぉ・・。頑張って・・・むぐ・・んぐ・・・ごっくん・・・ふう・・あと三つ・・。
「先いってるね、花穂ちゃん」
「うん後から行くから」
友達はもう校庭に行っちゃった。教室には花穂一人・・・寂しいなぁ。早くにんじん食べないと・・・よーし今度は二つ一ぺんに・・・・・・んぐ・・んぐ・・・んぐ・・・ううううう・・ごっくん・・・。やったぁ!!あと一つだぁ!!よーし、・・・・・・んぐ・・んぐ・・・んぐ・・・・・・ごっくん。やったぁ!!よーし急いでみんなのところに行こうっと。
「あれ?花穂?」
「お兄ちゃま!!」
教室を出たらそこにお兄ちゃまが立っていたの。
「どうしたの?」
「いや・・花穂まだ教室にいるんじゃないかなって思って」
「?」
「またにんじんが食べられないって泣いてると思ってさ」
「もおぉ・・お兄ちゃまったら・・花穂いつまでもそんな子供みたいに泣いてないもん」
「へえ・・じゃあにんじん食べたんだ」
「うん、凄いでしょう」
「すごいすごい・・じゃあ今日は帰りにご褒美あげなきゃな」
「え?なになに?」
「帰りのお楽しみ」
わーい楽しみだな、何だろうご褒美って?
「おいしいだろ花穂」
「うんおいしい」
お兄ちゃまが帰りにつれてきてくれたところ、そこは新しく出来たアイスクリーム屋さん。色々な種類のアイスがあって花穂迷っちゃったけど、お兄ちゃまが選んでくれたの。なんかオレンジ色っぽいアイスだけど・・・でもおいしいや。
「ねえお兄ちゃま」
「ん?」
「このアイスなんていうアイスなの?」
「これか?これはにんじんのアイスだよ」
「え?にんじん?」
「ああ・・・ここのアイスって変り種が多くてさ、ほらモロヘイヤのアイスとか、ほうれん草、トマト、納豆、紫芋、ラベンダーとかいっぱいあるだろ」
本当だ・・・メニュー見ると色々なアイスがある。
「今日は花穂がにんじんを一人で食べられた記念だからな。どうだ?にんじん好きになれそうか?」
「うん」
花穂なんかにんじん好きになれそう、こんなにおいしかったなんて。いつもあんまり味わわないで食べてるから・・・。今度からちゃんと味わって食べようっと。今日はがんばったかいがあったなぁ。ありがとうお兄ちゃま。花穂これでお兄ちゃまにふさわしい女の子へ一歩近づいたよ。これからも頑張ってにんじん好きになるからお兄ちゃま見捨てないでね(はあと)。
次回 花穂の花嫁修行「花穂VSドジ」に続く。
あとがき
実際にあるようですよモロヘイヤのアイスや
納豆のアイス。
あんまし食べたいって気はしないけど
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y-onozawa@mva.biglobe.ne.jp
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