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幾千万の想いを込めた言葉
−第1話−
作者 筆人さん
お兄様に私の想いは伝わっているのだろうか?
何度も言葉にした想い。「大好き」という想い。
何度も言った言葉。「大好き」という言葉。
お兄様はその度に「分かっているよ」と言って笑ってくれる。
けど、不安になる。
私の本当の思いは伝わっていないんじゃないのかって。
兄妹としての「大好き」という想いと勘違いしているんじゃないかって。
1人の女の子としての「大好き」という想いに気付いていないんじゃないかって。
そんなことを考えて眠れない夜が何日も続いたこともあった。
言葉だけでなく手紙に書いたこともあった。
メールで伝えようともした。
それでも返ってくるのは「分かっているよ」という一言だけ。
お兄様。私の想い。本当に分かっているの?
知りたい。
けど、もし伝わっていなかったら。
私の「大好き」と言う言葉の想いが伝わっていなかったとしたら。
私はどうすればいいのだろう。
どうやってこの想いを伝えればいいの。
いつもそれを考えている。
いつも・・・それを・・・・。
「・・・きて、天野さん。起きてくれないと困るんだけど」
誰かに呼ばれて目が覚める。
いつの間にか寝てしまっていたらしい。
そういえば、6時限目の頭のあたりから記憶がない。
「週番の日誌。今日は天野さんの番だよ」
私を起こしたのはクラスメイトの唐鎌 繁(からかま しげる)君だ。
お兄様以外の男性の名前なんて興味ないけど、何故かこの人の名前だけは覚えている。
クラスの男子の中で珍しく私を口説かなかった人だ。
窓からは赤い光が射し込んでくる。
すっかり日が暮れてしまったようだ。
すでに教室には私と唐鎌君以外の人は居なくなっていた。
「ほっといて先に帰ってもよかったのに」
私は思ったことを率直に言った。
「同じ週番だから、日誌を出さないと帰るに帰れないし・・・」
そんなことを言いながら唐鎌君は私に日誌を渡す。
「・・・それにほっとくと夜まで寝ていそうだったから」
そして唐鎌君は軽く笑った。
私は唐鎌君を見ると何故か既視感を感じる。
どうして既視感を感じるのか未だに分からない。
「それにしても珍しいね。居眠りするなんて」
「別にいいでしょ。」
私は素っ気なく答え、日誌を書き始めた。
「もしかして、なんか悩んでいる?」
「別に悩んでいないわよ」
本当の事を言ったところで解決しない。
だから私は嘘をついた。
「最近、クラスのみんなも心配しているよ」
「悩んでいないわよ」
何故か今日に限ってしつこく話しかけてくる。
お兄様以外の男に弱いところなんて見せたくないのに。
「天野さんの家族も心配していると思うよ」
「悩んでないって言っているでしょ!!」
私は思わす声を荒くして怒鳴った。
沈黙が教室を支配する。
しばらくして唐鎌君が口を開いた。
「・・・・ごめん」
「私の方こそ、怒鳴ったりして・・・・、ごめんなさい」
そしてまた、沈黙が教室を支配する。
数分後、日誌を書き終えて唐鎌君に渡す。
「それじゃ、先生に出してくるから帰ってもいいよ」
唐鎌君は渡された日誌を持って教室を出て行った。
そういえば、なんで日誌を私に渡した時点で唐鎌君は帰らなかったのだろう。
日誌を先生に出すのは私でもいいはずなのに。
「はぁ、今日は帰るの遅くなっちゃたな」
学校を出て、私は独り呟く。
「家族も心配していると思うよ、か」
家に帰っても両親はいない。
死んだ訳ではない。
いつも仕事の都合で家にいないだけだ。
両親は私のことを心配してくれるだろうか?
もしかしたら、私の事はどうてもいいのかもしれない。
でも、寂しくはない。
家にはお兄様が居るのだから。
私の世界で一番大切な人が居るのだから。
お兄様だけは、私のことを心配してくれると信じているから。
「さて、今日は私が料理当番だし、お兄様にたくさん美味しいご飯を食べさせなきゃ」
私はいつもより急いで家路に向かった。
第2話に続く
あとがき というか 咲耶錯乱?
咲耶「これで終わり!? お兄様も出ていないし!」
筆人「1話完結の話の予定が、書いてるうちにいろいろと思いつきまして」
咲耶「お兄様! お兄様は何処!!」
筆人「1話完結では無理だと判断。複数に分けることにしました」
咲耶「お兄様! あの日の熱い夜のこと、私は忘れないわ!!」
筆人「名字は適当に『天野』にしました。今回は出ていませんが兄の名も適当に『忍』にしました。」
咲耶「お兄様! こんなセンスのない名字と名前にされても私の愛は変わらないわ!!!」
筆人「この話に限り、兄は『天野 忍』、咲耶さんは『天野 咲耶』になります。ご了承ください」
咲耶「お兄様! お兄様はアジアのパピヨン!!!!」
筆人「この作品にはわたしの思いを『ギュッ!!』と詰め込みました」
咲耶「お兄様! 一見まともそうなこの戯れ言に惑わされないで!!!!!」
筆人「少しでもそれが伝われば嬉しいです。それでは、次回をお楽しみにしてください」
咲耶「お兄様! このへっぽこ作者のせいで変人化しているけど嫌いにならないでね!!!!!!」
−咲耶ファンに土下座しながら完−
筆人さんへの感想はこちら
hitsu-10@athena.ocn.ne.jp
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