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花穂が好き! ある日花穂は考える。 花穂:「あーあ、花穂って何でこんなにドジなのかなぁ」 自分の部屋の勉強机に肘をついて溜息をつく。 花穂:「どうしたらドジが直るのかなぁ。うーんうーん………」 花穂:(考え中………………………………………………………………………………) 花穂:(さらに考え中…………………………………………………………………………) 花穂:(引き続き考え中………………………………………………………………………) 花穂:(……………………………………………………………………………………………ぐう…Zzzzz) ……………ゴンッ! 思いっきり額を机にぶつける。 花穂:「イタッ!……はっ! いけないいけない思わず寝ちゃったみたい。えへへ」 花穂:「そうだ! 一人で考えててもだめだよね。やっぱり誰かにいい方法はないかきいてみよっ」 ガチャ! キョロキョロキョロ…… 部屋から出て辺りを見回す。 花穂:「うーん…誰かいないかな〜っと……あっ! 春歌お姉ちゃま発見!」 春歌:「あらっ? 花穂。何か用かしら?」 長刀を手に廊下を通りがかった春歌が、花穂に気がつき振り向いた。 花穂:「えっとねえっとね。花穂っていっつもドジばっかりやってるじゃない。だからね、ドジを直す方法、春歌お姉ちゃま知らないかな〜って思って。えへへ」 スッと目を細める春歌。 春歌:「……そうねえ。やっぱりいろんなことをやって慣れるしかないんじゃないかしら。……そう、手始めにみんなのお手伝いをしてみるっていうのはどうかしら?」 花穂:「なるほど! さっすがお姉ちゃま。ありがとー」 春歌:「いえいえ。それじゃがんばってね」 春歌は去っていき、花穂は一人残って考える。 花穂:「お手伝いかー どこに行ったらできるのかなぁ………あっ! 鞠絵ちゃんだ!」 向こうから、前が見えなくなるくらい大量の本を、両手で身体の前に抱えた鞠絵がフラフラ歩いて来る。 花穂:「鞠絵ちゃん! 本が重そうだね!」 鞠絵:「あっ、花穂ちゃんですか。そうなんです。ちょっと持ちすぎちゃったみたいですね。ウフフ」 花穂:「じゃあじゃあ、花穂が半分持ってあげるよ!」 鞠絵:「えっ!? いいんですか」 花穂:「うん! 気にしないで」 鞠絵:「それでは、遠慮なく(ニヤリ)」 ドサドサドサ…… 鞠絵は、半分どころか全部花穂のちっちゃな腕の中に移して行く。 花穂:「ちょ、ちょっと、鞠絵ちゃん。花穂が持つって言ったのは半分……」 鞠絵:「まあ、花穂ちゃん。私の体が弱いから、本を全部持ってくれるなんて、なんて優しいんでしょう!」 花穂:(うっ! そ、そこまで言われちゃったら、いまさら半分は持って欲しいなーなんて、とても言えないよー) 鞠絵:「本当にありがとうございます。でも、大丈夫ですか?」 すまなそうな口調の割には、表情は晴れやかだった。 花穂:「こ、これくらい…へっちゃら……だよ」 花穂は笑って返事をしているが、腕がブルブル震えて額に汗がにじみ出ているのは……きっと気のせいであろう。 鞠絵:「それじゃ、私の部屋までお願いしますね」 鞠絵は足取りも軽くサッサと歩いていく。 それを恨めしそうに見つめながら後ろからヨロヨロとついて行く花穂であった。 花穂:「うんしょうんしょ……鞠絵…ちゃん。この机の…上で…いい?」 鞠絵:「はい、花穂ちゃん、ありがとうございます。重そうでしたけど、大丈夫でした?」 花穂:「う、ううん。花穂、これくらいへっちゃらだよ!」 鞠絵:「よかった…」 鞠絵は花穂にニッコリ微笑みかけ、花穂もつられて笑顔になる。 花穂:(ほんとは、腕がすっごく痺れてるんだけど、鞠絵ちゃんが喜んでくれたんだから、運んでよかったかなぁ……) 鞠絵:「じゃあ、次の本を運びましょう」 花穂:「え゛」 花穂の表情が笑顔のまま凍りつく。 鞠絵:「ええ、書庫にさっきぐらいの本の山が20ほどありますから」 固まった笑顔のまま、少しづつ後ずさりする花穂。 鞠絵:「花穂ちゃん、がんばって全部運んでくださいね(ニッコリ)」 花穂:「い……いやぁぁぁぁぁぁーーーーーーっっっっ!!」 花穂は、たまらず鞠絵の部屋を飛び出す。 目からは涙があふれていた。 花穂:「ぐすん……そんなことしたら、花穂、倒れちゃうよぉ」 何とか鞠絵の魔手から逃れた花穂、廊下で深呼吸をして気持ちを落ち着ける。 花穂:「ううっ…やっぱり他の人のお手伝いにしよう。……あっ、あれは可憐ちゃん!」 可憐が洗濯物を抱えて庭の方に歩いていく。 どうやら、洗い終わった洗濯物を庭に干すところのようだ。 可憐:「よいしょよいしょ」 小さい体でけっこういっぱい運んでいる。 花穂:「可憐ちゃん!」 可憐:「…花穂ちゃん?」 可憐も花穂に気付いて足を止めた。 花穂:「ねえねえ、洗濯物運ぶの花穂も手伝うよ……っと、その前に洗濯物って、もうほとんど干しちゃった?」 可憐:「えっ? うん。これで最後だよ」 可憐は不思議そうに首をかしげる。 花穂:(よかったぁ。最後ってことは、さっきみたいなことはないよね) さっきのトラウマがある花穂は内心安堵の息をもらす。 可憐:「???……どうしたの? 花穂ちゃん」 ブンブンブン 花穂は大げさに首を振る。 花穂:「ううん、何でもないよ。うん。花穂、お手伝いしたいんだぁ」 可憐:「うーん……そうねぇ」 可憐:(……花穂ちゃんに運んでもらって大丈夫かなぁ。何だか途中で転んで洗濯物落としちゃいそうだなぁ………って、ダメよ可憐。花穂ちゃんを信じてあげなくちゃ。お手伝いしてくれるっていう気持ちが大事なのよ! ………それに、もし洗濯物を落としちゃっても、一回分洗い直せば済むことじゃない!) 可憐:「……じゃあ、お願いしちゃおうかな。ハイ!」 可憐は花穂に自分が持ってる洗濯物の半分を渡した。 洗濯物は本と違って、かさばるがそんなに重くはないので、今度は花穂でも軽々と運んでいける。 とことことことこ…… 庭には洗濯ロープにかけられた色とりどりの洗濯物が翻っている。 風に揺らめいて、大きな波のように、いろんな表情が現れては消えていった。 花穂:「わぁ……」 思わず声が出てしまう。 花穂:「綺麗……」 花穂は自分が何しに来たのかも忘れたかのように見とれていた。 その時、ちょうど通りがかった咲耶が声をかける。 咲耶:「花穂。そんなに上ばっかり見てるとあぶないわよ。そこ、段になってるんだから」 花穂:「えっ?」 ツルッ お約束のようにそこでコケる花穂であった。 花穂:「えっ? えっ? あぁぁぁーーーーーっっっ!!」 花穂は倒れまいと必死に手を伸ばし、手に当たったものをつかんだ! ……それは洗濯ロープだ…… ブツンッ 洗濯ロープが耐え切れるはずがなかった… バサバサバサッッッッ!!! 洗濯物の波は一瞬にして消え去り、全ての洗濯物が地面に…… 花穂は洗濯物中にうずくまり、一方可憐は… 自分が持っていた洗濯物を取り落としたのに気がつかないほど、呆然と立ち尽くしていた。 可憐:(うそ……いったい何が起こったの? ……可憐が…可憐が一生懸命洗って干した洗濯物は? ………地面に落ちた洗濯物は洗い直し? ……誰がやるの? ……可憐がもう一度洗うの? ……だいたい何で洗濯物は地面に落ちたの? ………花穂が転んで洗濯ロープを切っちゃったから? ……花穂がいけないの? ……そう、花穂が全ての原因なのねっっ!!!) ユラリッ 可憐が怒りに身を震わせながらゆっくりと花穂に近づく。 可憐:「……花穂……花穂」 花穂:「ゴ、ゴメンナサイッッッ!!」 花穂は洗濯物の山の中から可憐を見上げる。 花穂:「か、花穂って、いっつもこうなんだよね。お手伝いしようと思っても、余計仕事を増やしちゃったり…… 花穂のせいで、また迷惑を…かけちゃった……ぐすん」 キラリッ 花穂の目には涙が光っている。 可憐:(うっ! と、とても怒れないよ…… これで可憐が怒ったら、可憐、すごく悪い人になっちゃうよぉ……) 可憐は必死で怒りを押し殺し、やっとの事で言葉を絞り出す。 可憐:「ま…まあ、失敗は誰にでもある…よ……それにメゲちゃ…だめよ」 花穂:「……可憐ちゃん、許して…くれるの?」 目をウルウルさせながら、花穂が上目遣いで可憐を見た。 可憐:(ああっ! この捨てられた子犬のような目! 可憐、これ以上責めることなんて、とてもできないよぉ…) 可憐:「も…もちろんよ」 花穂:「よかったぁ……じゃあ、お洗濯しなおすの手伝うね」 花穂はようやく笑顔を見せて、その辺りに散らばった洗濯物を拾い始める。 可憐の脳裏に、さっき洗濯物が一斉に落っこちたときの恐怖が蘇る。 可憐:(こ、このまま、まかせてたら、またさっきと同じようになっちゃう……) 可憐:「か、花穂ちゃん。ここは可憐がやるから、他の人のお手伝いをしてあげたらどうなかぁ……そ、そうだ、さっき、鈴凛ちゃんが手伝ってくれる人が欲しいって言ってたの。可憐よりも、鈴凛ちゃんの手伝いをしてあげてほしいなぁ」 花穂:「うん。可憐ちゃんがそういうんだったら、花穂、鈴凛ちゃんをお手伝いしてくる!」 可憐:「そう…それがいいよ」 うれしそうに走っていく花穂を、ひきつった笑顔で見送る可憐であった。 花穂が家の裏に回ると、そこに鈴凛がいた。 自分の背丈よりも大きい機械をなにやら一心不乱に組み立てている。 花穂:(これって何の機械かな?) 花穂:「鈴凛ちゃ〜ん」 鈴凛:「あれっ? 花穂じゃない。どうしたの?」 作業の手を休めて振り返える。 花穂:「ねえねえ、鈴凛ちゃん。このおっきな機械ってなあに?」 鈴凛:「ん? これはねぇ、ポップコーン製造機だよ」 花穂:「ポップコーン製造機?」 鈴凛:「うん。この機械があれば、たくさんポップコーンを食べたくなっても、一瞬で作れちゃうんだよ」 花穂:「いつでも…ポップコーンが…たくさん」 想像するだけで、花穂の口の中につばが沸いてくる。 鈴凛:「ただ、機械が大きいから、一人だと、なかなか手が届かないところがあるんだよね〜 前に可憐に誰か手伝ってもらえる人がいないかなーって相談してみたんだけどね……」 花穂:「ハイッ! 花穂、手伝うよ!」 鈴凛:「えっ!?」 花穂:「花穂、ポップコーン食べたいからお手伝いするっ!」 花穂の顔が輝いている。 一方、鈴凛の顔は……何故か引きつっている。 鈴凛:「え、えーと…… 花穂じゃ、ちょっと心もとないんだけど……」 それを聞いた途端、花穂の目には見る見るうちに涙が溢れてくる。 花穂:「ううっ、やっぱり花穂なんかじゃ、役に立てないんだ…… 花穂って、いない方がいいんだよ……ね?」 目に涙を浮かべたまま、身を翻して走り去ろうとする花穂。 ガシッ! 鈴凛は反射的に花穂の腕を掴む。 鈴凛:(私、何で花穂を引き止めちゃったの! 花穂に手伝ってもらったら完成するものも完成しないのは目に見えてるのに! いやっ、しかしここで花穂をそのままほっておくのは人として! でもいいのか私! ほんとにいいのか! だけど、だからといって…! ああっ!!) 鈴凛:「ま、待って、花穂!」 花穂:「放して! 鈴凛ちゃん! 花穂って、いるだけで迷惑なんだからっ!」 鈴凛:「そ、そんなことないよ」 花穂:「嘘! 花穂が手伝ったら、壊すだけって思ってるんだよっ!」 鈴凛:(ぐっ…図星) 鈴凛の額に冷や汗が流れる。 鈴凛:「で、でも、わ、私は花穂に手伝って欲しいなぁ」 花穂:「……ほんと?」 鈴凛:「うん。花穂が手伝ってくれるだけで幸せだよ私……あは……あはは…は……」 鈴凛の乾いた笑い声が、辺りに空しく響き渡る。 鈴凛:(言ってしまった……終った……さようなら、私の可愛い機械……) 花穂:「うん…… 花穂、がんばるよ…」 涙を拭いて笑顔を見せる花穂とは対照的に、鈴凛の心の中は秋風が吹きまくっていた。 花穂:「ねえねえ、何をお手伝いしたらいいのかなぁ?」 やる気満々になった花穂は、クイクイっと鈴凛の袖を引っ張る。 鈴凛:「え、えーと、どこを手伝ってもらおうかなぁ……は……ははは……」 鈴凛の視線は宙をさまよっていた…… …………数時間後 鈴凛:「信じられない………」 鈴凛の顔からは驚愕の色が隠せない。 鈴凛:「まさか…まさか………ちゃんと完成するなんてっっ!!!」 ポップコーン製造機は、見事に鈴凛が作った設計図通りの姿に完成していた。 花穂:「えへへーん。花穂だってちゃんとお手伝いできるでしょ☆」 花穂が得意そうに胸を張る。 鈴凛:「これは………もしかして……夢?」 頬をつねる鈴凛。 花穂:「鈴凛ちゃんひどーい! 花穂だってやるときはやるんだもんっ!」 鈴凛はまだ驚き覚めやらぬ様子で、そばにあった椅子によりかかる。 花穂:「わーい。ポップコーン食べよっ。食べよっ」 まだ足に力が入らない鈴凛をよそに、花穂の気持ちは既にポップコーンに行っていた。 鈴凛:「あ…そ、そうだね。じゃあ花穂。悪いんだけど白雪のところにいって材料をもらってきてくれるかな。私が前に頼んどいたから用意はできてると思うんだ」 花穂:「うん! 花穂行ってくるー」 パタパタと走って行ったかと思うと、ほどなく手に材料をいっぱい抱えて戻って来た。 鈴凛:「あれっ? 早かったね」 その間に何とか落ち着きを取り戻した鈴凛は、花穂が思ったよりずいぶん早く戻ってきたので驚いた。 花穂:「えっとね。途中まで千影ちゃんが材料を持ってきてくれてたの。だからすぐ持ってこれたんだぁ☆」 鈴凛:「なるほどね」 納得した鈴凛はポップコーン製造機の材料投入口をパカッと開けた。 鈴凛:「よしっ! それじゃ。さっそく作ってみようね」 ドサドサドサッッ!! 鈴凛は花穂の持ってきた材料を機械の中に入れて行く。 花穂はワクワクしながらその様子を見守っている。 パタン 鈴凛は材料を全部入れ終わると蓋を閉めた。 鈴凛:「それじゃ、せっかく手伝ってもらったんだからスタートボタンは花穂に押してもらおうかな」 花穂:「えっ!? 花穂が押しちゃっていいの?」 鈴凛:「いいのいいの。完成したのは花穂が手伝ってくれたおかげだからね」 花穂:「わーい、鈴凛ちゃん、ありがとー☆」 花穂が指がおそるおそるスタートボタンに近づく。 花穂:「えへへ。何だか緊張しちゃうね」 ポチ グィーン ガコンガコンガコン…… 花穂がスイッチを押すと、ポップコーン製造機は唸りを上げて活発に動き出す。 ほどなく…… ポン、ポン、ポン、ポン…… 機械から出来たてのポップコーンが規則的に吐き出され、花穂の手に持った皿の上に落ちてきた。 花穂:「すごーい。すごーい。ほんとにでてきたぁ!」 花穂は目を丸くして驚いている。 鈴凛:「えっへっへ。私の手にかかればざっとこんなもんよ♪ ところで、味の方はどう?」 花穂は皿の上に乗っかっているポップコーンを一つ口に含む。 花穂:「わぁ。とってもおいしいよ」 鈴凛:「ふふん♪ さすが私。味もバッチリね」 鈴凛は得意そうに鼻をうごめかす。 その時、それまでポップコーンを皿の上に吐き出し続けていたポップコーン製造機の音が変った。 ガコン? ……ガコンガコンガコンガンガンガンガンッ! ポンポンポンポンポンポンッ! 今までとは比較にならないほど大量にポップコーンを吐き出し始める。 花穂:「えっ? えっ? えっ?」 鈴凛:「ちょ、ちょっと、どーなってるのっ!?」 鈴凛が機械の方に近づこうとした瞬間…… ボンッッ!!! ひときわ大きな爆発音が響いたかと思うと、ポップコーン製造機は空中に浮き、そのまま空の彼方へと消えていった。 ……ポップコーンを吐き出しつづけたまま……… 後には口をポカンと開けたまま空を見て突っ立っている花穂と鈴凛が残されているだけだった。 〜同日夜〜 衛はクラスのみんなと山へキャンプに来ている。 夕ごはんも食べ終わり、衛はテントの中で寝るための準備をしていた。 衛:「さーて、明日もいっぱい遊ぶぞ!」 そこへ、同じクラスの真理子ちゃんがラジオを持って入ってきた。 真理子:「ねえねえ、衛ちゃん。雲行きがおかしいから天気予報チェックしておかない?」 衛:「うん。たしかにそうだね。でも今の時間やってるのかなぁ」 真理子:「うーん。どうかしら」 真理子はラジオのチューナーを回す。 ラジオ:『キュイーン…ブツブツ……県西部地方の天気です。曇りのち晴れ。ところにより雨が降るでしょう……』 真理子:「あっ、やってたね」 衛:「うん。良かった。でも、ここって、どこになるのかなぁ?」 真理子:「うーん……たしか県南部じゃなかったかしら…」 ラジオ:『…続きまして、県南部地方の天気です…』 衛:「次だね」 真理子:「うん」 ラジオ:『……晴れのち曇り。ところによりポップコーン。続きまして、県東部地方の天気です……』 衛・真理子:「「ポップコーン?」」 二人は思わず顔を見合わせる。 真理子:「どういうことかしら?」 衛:「さあ? ボクにもサッパリ…」 二人して首を捻るが、全く意味がわからない。 その答えは、明日、上空をゆっくり移動していくポップコーン製造機を目にしたとき、きっと見つけられるであろう。 〜同日同時刻〜 妹達の住む屋敷の一室に集う怪しい人影…… 咲耶:「みんな上手くやってるみたいね」 春歌:「まかせてください。咲耶さま。ワタクシが花穂に助言してキッカケをつくる」 千影:「私が……ひそかに……鞠絵に入れ知恵をしたり……材料を入れ替えたり…する」 咲耶:「さすがね、二人とも。私なんか足元にも及ばないわね」 春歌:「何言ってるんですか。咲耶さまだって、上手く花穂に声をかけてたじゃないですか」 咲耶:「まあ……それは狙っていたわよ」 バタンッ 突如、部屋の扉が大きく開かれた。 咲耶:「誰っ!!」 兄:「俺だよ、俺」 咲耶:「な〜んだ、お兄様ね。ビックリさせないでよ。もぉ」 兄:「スマンスマン。驚かせちゃったようだな」 兄はそう言いながら、三人に近づいていく。 兄:「ところで……今日のアレはなかなかよかったな」 千影:「私も……そう思う」 咲耶:「まかせといてお兄様! 私たち努力は惜しまないわ」 春歌:「そうですわ兄君さま。そのために、咲耶さまは花穂に丁度いいタイミングで声をかけて転ばしたり、千影さまはポップコーンの材料を入れ替えて機械を暴走させるようにしたんですから」 千影:「そう……私たち四人の…目的はただ一つ」 兄・咲耶・千影・春歌:「「「「花穂にドジなままでいてもらうこと!!!!」」」」 春歌:「ああっ花穂。いつまでもドジでけなげな花穂のままでいてね」 咲耶:「そうよ! コケてるところが、とってもプリティー☆」 千影:「悩んでいるところも……なかなか可愛い……」 兄:「そうだ! そのためには、花穂がシッカリしてしまうことは、何としても阻止しなければならないっ! がんばるぞっっ!!」 咲耶・千影・春歌:「「「おーーっっっ!!!」」」 夜中に一室で拳を突き上げて気勢を上げる怪しげな四人組。 花穂のドジを守るため、彼らが日夜暗躍していることを知る人は少ない。 ……一方、花穂は… 花穂:「あーんっ! やっぱりドジが直らないよーーっっ!!」 自室のベッドの上で相も変らずジタバタと騒いでいた。 〜おわり〜 ………すみません。だいぶ遅くなりましたが花穂のBDSSです。 特に、咲耶と千影と春歌の兄の皆様、すみませーんっ!! つ、つい出来心で… しかし、今回は書くのに非常に時間がかかりました。 正月に実家に帰ってだらけ切ったために、思いっきりスランプになってしまったためです。 特に鈴凛の部分は、どうしても思いつかなくて、ネタを他から借りてきています。 また、今回は初めて三人称による手法を試してみました。 この書き方も書くのがなかなか難しいようです。
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